TANEの独り言

日々の生活の中でのつぶやきだから聞き流してネ

意を決っして、旅に出る …【第4話】

2022-09-29 14:53:00 | 夢実現に向けて
今回の “旅” の出発予定は17:00でしたが、その45分前にフライングして我が家を出たのでした。

高速道路の通行止めも昼過ぎには全て解除されていて、私としては

『早く出発したい!』

という気持ちを抑えることができなかったからです。

高速に乗れば、富山ICまでただひたすら愛車を走らせるだけです。

3年前の「涸沢・上高地キャンブ」の際は、愛車を走らせ12時間後には岐阜県の平湯温泉に到着しています。

今回は夜中の移動なので、途中で仮眠する時間も加味し前回よりも長く18時間を考えていました。

まだ明るい時間に関門海峡を渡り、夜景がキレイな広島を過ぎ、小谷SAで最初の休憩をとりました。

神戸辺りで急に睡魔が襲ってきたので、給油も兼ねてSAに立ち寄ったり、フラットにした後部座席でシュラフに入って仮眠をとったりしました。

どれくらい寝たかは分かりませんでしたが、頭がスッキリしたので真夜中の高速を再び走り出します。

米原JCTから北陸道に入り、一気に富山まで走りました。

夜明けを迎えた富山は雨が降っており、山の姿を見ることはできませんでした。



富山ICで高速を降り、立山黒部アルペンルートの出発点である立山駅まで1時間程でした。

予定より数時間早く着いた立山駅の背後の山の斜面を、ガス状の雲が這い上がっていました。


始発のケーブルカーにも乗れる時間帯でしたが、私は駅前にある無料駐車場で、山に入るための最終チェックを入念に行いました。



周りにはザックを肩に掛けた登山客の姿がありました。

みんな同じ目的でここに車を停めているのですから、みんな私と同類です。

荷物の準備をしている私に、近くに車を停めた40〜50代と思われる男性が私に声をかけてきました。

「どちらに登られるんですか?」と男性。

「剱です!」と私が答えると、

「ヘルメットが見えたから、そうだと思いました。私も剱に行くんですが今日も明日も雨予報になってますよねー… 」と男性。

私は『イランお世話だ』と思いながらも、

「何とか回復するといいんですけどね… 」とだけ答えました。

遥々九州から車を飛ばして来たのですから、

『登れなくても、せめて剱岳の姿を拝みたいものだ… 』

と、心の中で願いました。













意を決っして、旅に出る …【第3話】

2022-09-28 21:26:00 | 夢実現に向けて
私は昨年春に山岳会の入会を許されました。

山岳会の会員は山に行く前に登山計画書を提出しなければならず、今回の私の山行も同様でした。

登山計画書には、
 [いつ]
 [どこの山に]
 [どのような日程で]
 [誰と]
行くのかを記入します。

その他に、持って行く装備や連絡先等も書かなければなりません。

私の場合は、台風が通過し高速道路が通れるようになった時点で出発するつもりでしたので、日程をなかなか決められませんでした。

台風の規模が大きければ交通機関や道路状況に大きな影響が残ります。

また、台風通過後の進路や速度も考慮しなければなりませんでした。

私は、台風15号が九州に上陸する頃からテレビの進路予測と睨めっこしながら、登山計画書の[いつ]の欄に意を決っして9月20日と書き込んだのでした。

そして、現地到着予定時間から逆算し出発時間を17:00としました。


甲斐駒ヶ岳と剱岳のどちらから登るかも迷うところでした。

なぜなら、その山の登山口には自家用車は入れず、許可された登山バスやケーブルカーを使ってしか辿り着けず、曜日により便数に違いがあるからです。

土・日・祝日に便数が多い甲斐駒ヶ岳を後に回し、先ずは剱岳を目指すことに決め、タイムテーブルを作っていきました。



何度か計画を練り直し、台風15号が私の住む町に再接近する前に登山計画書は完成しました。

前評判が凄かった台風15号は思っていた程の威力はなく、夜中の3時頃は秋の虫の音が聴こえて来ました。

翌日の昼には近所の山岳会会長さん宅までドキドキしながら登山計画書を持っていったのでした。

私が一人で剱岳に登ることに対し、会長さんはいくつか注意点を話されましたが、『決して無理はしない事』を前提に私の登山計画書は受理されたのでした。


やるべき事は全てやりました。

私がやるべき事があるとしたら、装備品の最終チェックと出発まで休養をとることくらいです。

9月20日、出発前にシャワーを浴びた私は出発予定時間の45分前に我が家を後にしたのでした。













意を決っして、旅に出る …【第2話】

2022-09-27 08:33:00 | 夢実現に向けて
26日(月)の午後、“旅” から帰ってきました。

【第1話】を投稿しておよそ1時間後、準備してきた荷物を全て愛車に積み込んで私は出発しました。



行きは休憩・仮眠まで含め約15時間かかり、帰りは高速道路で渋滞に巻き込まれ約22時間かけて我が家に戻ってきたのです。

車での移動と自分の足で一歩一歩山頂を目指す山行を7日間かけてやり遂げ、無事帰ってくることができました。



その間、携帯電話の電波も通じない山奥もあり、替えのバッテリーは持って行ってはいましたが、スマホの電源が切れないように、なるべく山行に関すること以外にスマホは使わないようにしていました。

そういう訳で、みなさんのブログにもなかなか訪問できず、また、私のブログの更新もできずにいました。

申し訳ありませんでした。



今回の “旅” で目指した山は2つ、剱岳と甲斐駒ヶ岳です。

剱岳(富山県 北アルプス)は、私にとっていつの日か訪れてみたいと思い続けていた “憧れの山" でした。

甲斐駒ヶ岳(山梨県 南アルプス)は、40数年前の夏合宿で仲間と共に登るはずであった山でしたが、いろいろな事情が重なりやむなく登ることを断念した “ほろ苦い思いが残る山" でした。

 “憧れの山" と ほろ苦い思いが残る山" 

長い間私が思い続けていた2つの山を訪れました。

長い “旅” の話をこれから綴ります。













意を決っして、旅に出る …【第1話】

2022-09-20 15:03:00 | 夢実現に向けて
台風14号が私の住む町をカスめるようにして通過して行きました。

再接近は20日の未明辺りとされていましたが、前日の午後には風が強くなり始めました。




雨戸が無い窓ガラスの全てに養生テープを貼り付けたり、部屋の内側からベニヤ板を当ててはいるのですが、暴風に家全体が軋んでいるかのようでした。

庭に植えている木の枝葉が、雨戸の向こう側で悲鳴をあげ続けていました。

夜の11時頃までは目が冴えていましたが、テレビの台風情報を見ながらいつの間にか眠りに堕ちていました。

目覚めたのは日付けが変わった午前3時…

外はとても静かでした。

風は吹いておらず、虫の鳴く声が聞こえていました。

台風が消滅した訳ではありません。

その後、台風は山口県・島根県を通り、一旦日本海に出て石川県に再上陸し、今日は東北地方を横断して行きました。


『台風が抜けるのを待って山へ向かおう!』

そう考えていた私は、台風が接近してくる最中に山行きの準備をしていました。



前日にはドライフーズも買い込んでいましたからね。

後は、出発のタイミングだけです。

高速道路は台風の影響で至る所で通行止めになっているのです。



台風が通過してから、私はスマホで交通情報ばかり見ていました。


そしてやっと今日の昼頃に全ての通行止めが解除されたのです。

『さあ、出発の時がきました!』








準備万端、いつでも行けますョ!<その⑤>

2022-09-12 22:13:00 | 夢実現に向けて
私が定年退職を迎える前から北アルプスや南アルプスの山々に登るための書籍や地形図を少しずつ集めました。



そして、定年退職した年に一人で穂高に登りました。

穂高連峰から槍ヶ岳へと続く岩稜の道は、40年以上前に仲間とともに歩いた想い出詰まった道だったからです。

穂高連峰の他にも私には訪ねてみたい山が2つありました。

一つは、南アルプス最北部に聳える甲斐駒ヶ岳です。



写真は学生時代に憧れをもって撮った甲斐駒ヶ岳ですが、この時は諸事情により登ることはできませんでした。


もう一つの山は北アルプスの剱岳。



写真は初めて北アルプスに行った時に偶然に写り込んでいた剱岳です。

山の名前もよく分からずに、ただひたすら立山から槍ヶ岳まで縦走したものです。

その当時、私たちにとって剱岳は近付きがたき “聖地” と崇められた山だったのです。

本当は、穂高に登った翌年に甲斐駒ヶ岳に登る計画を立てていたのですが、東海を襲った豪雨により南アルプスへアプローチ
するための山岳道路は崩壊してしまい、近づくことさえもできなくなりました。

更には、ここ数年、コロナの影響もあり県境を越える旅は自粛せざるを得ませんでした。

山小屋やサイト場が徐々に営業が再開されはじめたのですが、今年の夏も山小屋を利用した登山者や山小屋スタッフの中にコロナに感染者が出るケースも報告されるなど厳しい状況が続いたのでした。

剱岳はヘルメットやハーネス、安全確保の為のカラビナやスリングの扱い方も身に付けておくべきと考え、山岳会への入会も私の夢実現を近付けました。

3,000m級の峰々をもつ日本アルプスの今年の登山シーズンも間もなく終了します。

紅葉の秋と氷と雪の冬が駆け足でやって来るからです。

何とか今年の9月下旬から10月上旬に、台風が抜けるタイミングで甲斐駒ヶ岳と剱岳に登ることはできないだろうか… 





今、その夢を何とか実現するために準備をしています。