私は昨年春に山岳会の入会を許されました。
山岳会の会員は山に行く前に登山計画書を提出しなければならず、今回の私の山行も同様でした。
登山計画書には、
[いつ]
[どこの山に]
[どのような日程で]
[誰と]
行くのかを記入します。
その他に、持って行く装備や連絡先等も書かなければなりません。
私の場合は、台風が通過し高速道路が通れるようになった時点で出発するつもりでしたので、日程をなかなか決められませんでした。
台風の規模が大きければ交通機関や道路状況に大きな影響が残ります。
また、台風通過後の進路や速度も考慮しなければなりませんでした。
私は、台風15号が九州に上陸する頃からテレビの進路予測と睨めっこしながら、登山計画書の[いつ]の欄に意を決っして9月20日と書き込んだのでした。
そして、現地到着予定時間から逆算し出発時間を17:00としました。
甲斐駒ヶ岳と剱岳のどちらから登るかも迷うところでした。
なぜなら、その山の登山口には自家用車は入れず、許可された登山バスやケーブルカーを使ってしか辿り着けず、曜日により便数に違いがあるからです。
土・日・祝日に便数が多い甲斐駒ヶ岳を後に回し、先ずは剱岳を目指すことに決め、タイムテーブルを作っていきました。
何度か計画を練り直し、台風15号が私の住む町に再接近する前に登山計画書は完成しました。
前評判が凄かった台風15号は思っていた程の威力はなく、夜中の3時頃は秋の虫の音が聴こえて来ました。
翌日の昼には近所の山岳会会長さん宅までドキドキしながら登山計画書を持っていったのでした。
私が一人で剱岳に登ることに対し、会長さんはいくつか注意点を話されましたが、『決して無理はしない事』を前提に私の登山計画書は受理されたのでした。
やるべき事は全てやりました。
私がやるべき事があるとしたら、装備品の最終チェックと出発まで休養をとることくらいです。
9月20日、出発前にシャワーを浴びた私は出発予定時間の45分前に我が家を後にしたのでした。