私が泊を伴う山行を行う場合、車中泊かテント泊でした。
『剱岳&甲斐駒ヶ岳』では計画にはなかった「雷鳥荘」に宿泊ましたが、あの時はズブ濡れになった結果の緊急避難でした。
薪ストーブがある山荘に泊まるということで、私は持って行く物に悩んでしまいました。
寒い時期の車中泊やテント泊では防寒を第一に持って行く物を選びますが、居心地の良い山荘に何を持って行くべきか迷ったのです。
そこで、山に登り時に背負うザックに詰める物と、山荘に持ち込む布のリュックに詰める物に分け、『あーでもない、こーでもない』と思案したのでした。
その結果、アルコール類やツマミは自分達で持ち込むことになっていたので、私は日本酒の7合瓶とつまみ各種と部屋着・着替えを布のリュックに詰め込みました。
どちらかと言うと、山登りより山荘で寛ぐ事に重点を置いた準備になってしまいました。
登山当日の早朝、車を出してくれるメンバーの家に4時前に着くと、乗せてもらう車は何と外車のベンツではありませんか!!
『こんな高級外車で祖母の登山口まで登って行くの??… 』
私は靴底の土を車内に持ち込まぬよう、注意しながら助手席の本革シートに腰を下ろしたのでした。
途中、メンバーを拾いながら祖母を目指します。
ベンツは、乗り心地が良いのはもちろんの事、ライトも対向車を感知してオーロラのカーテンのようにゆっくりと上下に向きを変えたり、左右の片側の光量を落としたり自動で行なうのですから驚きです。
山に登る前に高級外車に感動してしまいました。
「荒城の月」で有名な竹田市の岡城址を過ぎると狭い山道に入りました。
曲がりくねった山道を走り、もう少しでトンネルという辺りまで来たところにヨーロッパ風の山荘があります。
以前その山荘を利用していたメンバー(我が家を建ててくれた建築会社の会長さん)が、チョットだけ寄って行こうと言われたのです。
そのヨーロッパ風の建物を見た私は驚いてしまいました。
旧友でブログ仲間のtenzanbokkaさんのブログの中で目にした建物だったのです。
『こんな所まで足を運んでいたんだ… 』
私は、旧友が山への情熱を今だに燃やし続けている事にあらためて驚かされました。
ヨーロッパ風の山荘からでた私たちはこの後、思ってもいなかった事態に遭遇します。
あと少しでトンネルが現れると思われた頃、突然、目の前に「通行止め」のバリケードが道を塞いでいたのでした。