クラビウス基地の朝は騒がしかった。
それはアルタミラが任務地である惑星・・・・惑星マリトラーンに向けて出港準備のため。
多くのクラビウス作業班は最後の点検や、アルタミラ整備班と一緒になって機体の整備を行い。
長期間の航海に備えての食料や水などが積まれた。
星村絵里「結構忙しいそうですね、ミリア。」
ミリア「これから任務地に向かうから、当然よ。まっ現地で一番忙しくなるのは私たちだけど。」
星村絵里「そうですね。」
艦内要員と戦闘要員は作業の邪魔になるので
クラビウス基地ドック内の待機室で作業の様子を見届けていた。
やる事がないのか、ここにいる面々は暇そうであり退屈そうな表情を浮かべていた。
とは言え、これから長期間の任務に入る事もあってか仮眠室に入り暇を潰す者もいる。
ラウラ「げっ・・・・」
カール「チェックメイト、この勝負・・・・俺の勝ちだな。」
ラウラはと言うと待機室に置いてあったテーブルで、カールと大樹.カゴメでカードゲームしていた。
勝負はカールの一人勝ち、賭け金皆カールの物となってしまい・・・・
一同、ショックで一時的に何も喋れなくなった。
星村絵里「カール・・・あんまり金を搾り取らない程度に楽しんでよね。」
カール「分かっていますよ、そんな絵里こそ和也にポーカーで金を巻き上げてカジノ出禁にならないようにきつく言ってくれよ。」
星村絵里「はいはい分かっていますよ。」
絵里は一人勝ちしているカールに注意するも、逆に自分の旦那のギャンブルの金巻き上げで
カジノ出禁になる事を指摘される。
星村和也とカールとかつての同僚だった葛西信之はギャンブルが得意な三羽カラスであり。
よく他の統合軍兵士からギャンブルで金を巻き上げるなど、恐れられており。
上官からきつくお叱りの言葉をもらうほどであった。
その話を聞いていたラウラ達は、この人達と二度とギャンブルしたくないと思った。
直後・・・・・
カール「せっかく稼いだ金が・・・・」
星村絵里「えへへへへへへ、私もギャンブルには得意だからね。」
カールがせっかく稼いだ金は皆、絵里が巻き上げてしまった。
この時、稼いだ金額は新兵が貰える初任給ほどであり・・カールは大敗・・・・・・
ショックでしばらく、上を無表情で見ていた。
『アルタミラ各乗員並び、各護衛艦乗員・・・・作業完了・・・・すみやかに乗艦せよ!』
ジェイル「総員、命令が出た・・・・アルタミラへ乗艦せよ!」
『ハッ』
待機してしばらく経ち、ようやくアルタミラに乗艦する事になる。
皆軽い荷物だけを持ち、待機室から退室する。
廊下から出ると、護衛艦の艦内乗員も出てきており・・・・・廊下は人で溢れかえる。
順番が混乱しないように警務官達が誘導しており
ラウラ達はアルタミラの乗艦口にたどり着き・・・・
そこからアルタミラに乗艦した。
「チーフ、アルタミラ・・・欠員なくすべての乗員乗艦完了。」
「よし、第3ゲート開放するぞ・・・基地司令部と中央管制室に連絡・・・・」
「了解」
ドックゲート管制室はアルタミラ各乗員が乗艦した事を確認すると
基地司令部と中央管制室に連絡した。
連絡し終えると、ゲート管制室は第3ゲートを開放しアルタミラをいつでも出せる状態にする。
いつでも出撃できるような状態になると、中央管制室はアナウンスを開始・・・・・
アルタミラを出口まで誘導させ、外に異常がない事を確認すると・・・出港させる。
劉夢華「護衛艦3隻・・・・艦後方から接近・・・・巡洋艦1・・・・駆逐艦2です。」
ジェイル「今回は巡洋艦までいるのか、かなり豪勢な護衛だな。」
アルタミラ出港してから数分後、護衛のテリア級宇宙巡洋艦と
アドバンスド・オーベルト級2隻が後方から接近してきた。
艦隊編成を行うため、アルタミラは一時停止し・・・
護衛艦隊を先行させ・・・・
先頭にテリア級宇宙巡洋艦・・・・左右にアドバンスド・オーベルト級が展開し終えると
再びアルタミラは移動を再開する。
しばらくフォールドできないため・・・艦隊はそのまま直進し進む・・・・・
ラウラ「にしてもさ、私たちのために護衛艦隊を寄越すなんて基地司令もかなり力を入れているね。」
吉野大樹「俺たちアンサーズを含むアルタミラは、表向きはアグレッサー部隊だが・・・実際は準VF-Xだからな。」
ラウラ「VF-X?特殊部隊の事?」
吉野大樹「そうだ・・・・・まぁ特に気にする必要はないんだがな・・・・」
ラウラ「・・・・・・・・・」
艦内から宇宙を見る事のできる廊下で、ラウラは大樹に今の自分たちの待遇の事を呟いた。
ラウラが呟いた内容に大樹は、自分の部隊が表向きはアグレッサーで
実際は準特殊部隊扱いされていると答える。
事実、普通の部隊じゃありえない対テロ工作機関ザースロンや・・・・
現に言える事であれば、ダンシング・スカルとシーアンタレスの二つの部隊と共同で動いている。
普通のアグレッサー部隊や空母艦載機部隊であれば、考えられない話・・・・・
とは言え、特に気にする必要がない・・・・・
大樹は答えたないようについてそう述べ、そのまま去る・・・・
ラウラ「ちょっと、今のはどう言う事なのよ?」
吉野大樹「今話したとおりだよ、気にする必要がないって・・・」
ラウラ「気にする必要なって・・・・」
吉野大樹「それ以上の事は、軍事機密だよ。それに触れたら完全に一発で不名誉除隊・・・・最悪、禁固刑だ。」
ラウラ「禁固刑・・・・」
吉野大樹「だからこれ以上、他言無用・・・・立ち入り禁止だ・・・」
ラウラはどうしても大樹の言う意味を知りたかったようであるが・・・・・
これ以上知る事は自分自身の立場を危うくするとし
大樹からこれ以上話す気はないと告げられる・・・・・
大樹は何か知っているようだが・・・・・・
これ以上、現在のアルタミラの待遇に関する事に振れれば
ラウラは禁固刑に処せられると脅され・・・
渋々ラウラは諦める事になった。
ラウラ「はぁ・・・・禁固刑ね・・・でも知りたくなるのは・・・・病気かな。」
と言いつつも、大樹と別れると否やアルタミラの準VF-X部隊の事が気になり・・・・
頭の中がもやもやしてくる・・・・どうしても知りたくてしょうがないのか・・・・
一人でぶつぶつ、アルタミラの準VFーXに関する事を話す・・・・
他の人からすれば、今のラウラは変な人・・・・
幸い・・・・・ラウラの周りには他の乗員の姿はなく・・・・
ラウラを変な人扱いにする人はいない・・・・・
星村絵里「あっラウラ・・・・」
ラウラ「モーア・・・なんでここに!?」
真正面からミアンを連れた絵里がやってきた。
思いがけない登場に、ラウラは独り言聞かれたと思い赤面になる。
更に言えば、絵里は特殊部隊VF-Xの副隊長であり・・・・・
アルタミラの軍事機密に関して知りたがっている事を知られたら・・・
自分の軍人として、自分自身の人生に終わりを迎えてしまう・・・
ミアン「副隊長?」
星村絵里「ミアンは先に自室に戻ってね♪」
ミアン「了解しました。」
絵里はミアンをこの場から退室させ、ラウラと一対一の状態になった。
何とも言えぬ緊張状態になったラウラは、絵里にさっきまでの独り言を聞かれたか・・・・
ドキドキしながら絵里の顔を見る。
一体どんな事を言うのかを・・・・・・・・
もしかしたら、現行犯で拘束するのか・・・・・・
そうラウラは思いながら目を瞑る・・・・・・・
星村絵里「何、目を瞑っているのさ・・・・・」
ラウラ「だって・・・・・」
星村絵里「分かっている、あれでしょ・・・・・アルタミラがなぜ特殊部隊のように運用されているのか・・・とか・・・」
やはり・・・・・・
絵里はラウラの考えている事が分かっているんだ・・・・・・・
ゼントラーディ軍時代は馬鹿な奴だと思っていたんだけど、違うんだ・・・・・
洞察力もあり、人が何を考えているのかを見抜いてしまう力がある・・・・・
ラウラは目を瞑りながら、これから始まる絵里の質問責めを考えると頭が痛くなってしまう。
大樹からあんな事を聞かなければ考えなかったのにと、ラウラは人のせいにしてしまうが・・・
結局は自分が呟いて大樹がそれに答えただけである事に気が付き・・・・
改めて自分の発言に後悔する。
あんな事を言わなければよかったと・・・・・・
星村絵里「やはりね・・・・」
ラウラ「やはりって・・・・はい・・・・」
星村絵里「まぁ独り言を言うだけなら、いいけどこれ以上の事は入らない方がいいわよ。本当に刑罰に問われるから。」
ラウラ「はい・・・・すいませんでした。」
星村絵里「分かればよろしい。」
現行犯で拘束はされなかったが、絵里にどす黒い釘を刺され終わった。
特殊部隊に所属している人間に聞かれたら、自分のいる立場はイエローゾーン。
下手したらスパイ容疑で捕まってしまう。
馬鹿で戦い大好きなゼントラーディ人だと思っていた絵里が・・・・
とても恐ろしい存在になるとは・・・・・・
もしこの場にミリアがいれば状態はもっと最悪な事になっていただろう。
ラウラはドキドキとハラハラしながら、自室に戻る。
ミアン「あっ副隊長。」
星村絵里「ミアン、待っていてくれたのね。」
ミアン「はい。」
絵里はラウラの事を気にしないで、そのまま自室に戻った。
今回の事件を持って、ラウラはアルタミラに関する部隊の存在意義を知ろうとする事はなく。
そのまま惑星マリトラーンに向かう事になった。
【惑星マリトラーン】
惑星マリトラーン・・・・・・
移民完了したメガロード級船団より分岐した近距離移民船団が発見した惑星で・・・・・
現地の地球人に似たマリトラーン人から
技術提供と軍事兵器のレンドリースを条件に未開拓地を譲り受け・・・・・
近距離移民船団は移民し、約束通り余剰生産したARMD級や可変戦闘機を提供し
マリトラーン自治政府が誕生した。
なので・・・惑星の半分はマリトラーン共和国と、半分は統合政府領土と変わった惑星である。
とは言え、マリトラーン共和国は統合政府の連邦構想に加盟しているため。
統合政府の一員でもあり、統合政府の領土とあんまり変わらない。
そのせいか、反統合思想のマリトラーン人が生まれ・・・・・
流れついた反統合勢力と手を結び、テロ活動を行う事例が増えてきた。
余談だが、惑星マリトラーンの首都は本来の惑星マリトラーン(マリトラーン1)があり
新統合政府が呼んでいる惑星マリトラーンはマリトラーン2である
【惑星マリトラーン.新統合政府領土.自治首都カリマッタ】
フェアリ「ようやく、政策に関する事が完成したわ。頑張らないと。」
マリトラーン議会議員自由共和党候補フェアリ・ラカジーラ
ゼブラ「結構頑張っているね。」
フェアリの夫、ゼブラ・ラカジーラ
フェアリ「うん・・・今回の選挙で私が当選すれば、初のゼントラーディ人の議員が誕生するのよ。それに私がしたい政策も実行できる。」
そんなマリトラーンも統合政府領土の間にある議会で選挙が行われる。
与党の自由共和党と、銀河民主党.自由国民党.などの政党で議席数確保で争い・・・・
自治政府大統領は継続か、それとも政権交代かで争われる。
その中に与党系としてフェアリが立候補する事になっている。
今回のラウラ達の護衛対象はフェアリの護衛・・・・・
自治政府軍の兵力が足りず、フェアリなどの一部の議員候補の護衛が足りなかった。
そのため、月面からラウラ達を派遣し護衛部隊にしたのだ。
ゼブラ「しかし、反統合系テロもあって命の危機もあるね。」
フェアリ「確かにあるけど、どちらにせよ・・・危険であるのには変わりはないさ。」
今回の議員選挙は反統合系のテロのターゲットになる可能性が高い。
議会が混乱すれば
反統合系のマリトラーン解放軍がマリトラーン統合政府自治領を制圧し・・・・
マリトラーン正規軍の強硬派が、クーデターを起こし惑星マリトラーン全域を管理しようと目論む可能性がある・・・・
更にマリトラーン共和国の首都惑星であり本来の惑星マリトラーンに対する武力侵攻の可能性も
統合政府や統合軍上層部としても避けたい所である。
「月面方面軍白川提督より報告・・・・・アンサーズは予定通り、惑星マリトラーンにて護衛任務に入ります。」
「よし数々の反統合勢力を鎮圧したアンサーズなら期待できそうだな。」
アルタミラ、惑星マリトラーン入りの報告を聞いた地球の統合軍総司令部は歓喜に包まれる。
今までの統合政府に敵対する勢力と対峙してきたアンサーズなら期待できると・・・・・
統合政府の期待は・・・・ラウラを含めるアルタミラ乗員は知らない。
そして・・・・惑星マリトラーンで巻き込まれる波乱な歴史の出来事も・・・・・・・・
それはアルタミラが任務地である惑星・・・・惑星マリトラーンに向けて出港準備のため。
多くのクラビウス作業班は最後の点検や、アルタミラ整備班と一緒になって機体の整備を行い。
長期間の航海に備えての食料や水などが積まれた。
星村絵里「結構忙しいそうですね、ミリア。」
ミリア「これから任務地に向かうから、当然よ。まっ現地で一番忙しくなるのは私たちだけど。」
星村絵里「そうですね。」
艦内要員と戦闘要員は作業の邪魔になるので
クラビウス基地ドック内の待機室で作業の様子を見届けていた。
やる事がないのか、ここにいる面々は暇そうであり退屈そうな表情を浮かべていた。
とは言え、これから長期間の任務に入る事もあってか仮眠室に入り暇を潰す者もいる。
ラウラ「げっ・・・・」
カール「チェックメイト、この勝負・・・・俺の勝ちだな。」
ラウラはと言うと待機室に置いてあったテーブルで、カールと大樹.カゴメでカードゲームしていた。
勝負はカールの一人勝ち、賭け金皆カールの物となってしまい・・・・
一同、ショックで一時的に何も喋れなくなった。
星村絵里「カール・・・あんまり金を搾り取らない程度に楽しんでよね。」
カール「分かっていますよ、そんな絵里こそ和也にポーカーで金を巻き上げてカジノ出禁にならないようにきつく言ってくれよ。」
星村絵里「はいはい分かっていますよ。」
絵里は一人勝ちしているカールに注意するも、逆に自分の旦那のギャンブルの金巻き上げで
カジノ出禁になる事を指摘される。
星村和也とカールとかつての同僚だった葛西信之はギャンブルが得意な三羽カラスであり。
よく他の統合軍兵士からギャンブルで金を巻き上げるなど、恐れられており。
上官からきつくお叱りの言葉をもらうほどであった。
その話を聞いていたラウラ達は、この人達と二度とギャンブルしたくないと思った。
直後・・・・・
カール「せっかく稼いだ金が・・・・」
星村絵里「えへへへへへへ、私もギャンブルには得意だからね。」
カールがせっかく稼いだ金は皆、絵里が巻き上げてしまった。
この時、稼いだ金額は新兵が貰える初任給ほどであり・・カールは大敗・・・・・・
ショックでしばらく、上を無表情で見ていた。
『アルタミラ各乗員並び、各護衛艦乗員・・・・作業完了・・・・すみやかに乗艦せよ!』
ジェイル「総員、命令が出た・・・・アルタミラへ乗艦せよ!」
『ハッ』
待機してしばらく経ち、ようやくアルタミラに乗艦する事になる。
皆軽い荷物だけを持ち、待機室から退室する。
廊下から出ると、護衛艦の艦内乗員も出てきており・・・・・廊下は人で溢れかえる。
順番が混乱しないように警務官達が誘導しており
ラウラ達はアルタミラの乗艦口にたどり着き・・・・
そこからアルタミラに乗艦した。
「チーフ、アルタミラ・・・欠員なくすべての乗員乗艦完了。」
「よし、第3ゲート開放するぞ・・・基地司令部と中央管制室に連絡・・・・」
「了解」
ドックゲート管制室はアルタミラ各乗員が乗艦した事を確認すると
基地司令部と中央管制室に連絡した。
連絡し終えると、ゲート管制室は第3ゲートを開放しアルタミラをいつでも出せる状態にする。
いつでも出撃できるような状態になると、中央管制室はアナウンスを開始・・・・・
アルタミラを出口まで誘導させ、外に異常がない事を確認すると・・・出港させる。
劉夢華「護衛艦3隻・・・・艦後方から接近・・・・巡洋艦1・・・・駆逐艦2です。」
ジェイル「今回は巡洋艦までいるのか、かなり豪勢な護衛だな。」
アルタミラ出港してから数分後、護衛のテリア級宇宙巡洋艦と
アドバンスド・オーベルト級2隻が後方から接近してきた。
艦隊編成を行うため、アルタミラは一時停止し・・・
護衛艦隊を先行させ・・・・
先頭にテリア級宇宙巡洋艦・・・・左右にアドバンスド・オーベルト級が展開し終えると
再びアルタミラは移動を再開する。
しばらくフォールドできないため・・・艦隊はそのまま直進し進む・・・・・
ラウラ「にしてもさ、私たちのために護衛艦隊を寄越すなんて基地司令もかなり力を入れているね。」
吉野大樹「俺たちアンサーズを含むアルタミラは、表向きはアグレッサー部隊だが・・・実際は準VF-Xだからな。」
ラウラ「VF-X?特殊部隊の事?」
吉野大樹「そうだ・・・・・まぁ特に気にする必要はないんだがな・・・・」
ラウラ「・・・・・・・・・」
艦内から宇宙を見る事のできる廊下で、ラウラは大樹に今の自分たちの待遇の事を呟いた。
ラウラが呟いた内容に大樹は、自分の部隊が表向きはアグレッサーで
実際は準特殊部隊扱いされていると答える。
事実、普通の部隊じゃありえない対テロ工作機関ザースロンや・・・・
現に言える事であれば、ダンシング・スカルとシーアンタレスの二つの部隊と共同で動いている。
普通のアグレッサー部隊や空母艦載機部隊であれば、考えられない話・・・・・
とは言え、特に気にする必要がない・・・・・
大樹は答えたないようについてそう述べ、そのまま去る・・・・
ラウラ「ちょっと、今のはどう言う事なのよ?」
吉野大樹「今話したとおりだよ、気にする必要がないって・・・」
ラウラ「気にする必要なって・・・・」
吉野大樹「それ以上の事は、軍事機密だよ。それに触れたら完全に一発で不名誉除隊・・・・最悪、禁固刑だ。」
ラウラ「禁固刑・・・・」
吉野大樹「だからこれ以上、他言無用・・・・立ち入り禁止だ・・・」
ラウラはどうしても大樹の言う意味を知りたかったようであるが・・・・・
これ以上知る事は自分自身の立場を危うくするとし
大樹からこれ以上話す気はないと告げられる・・・・・
大樹は何か知っているようだが・・・・・・
これ以上、現在のアルタミラの待遇に関する事に振れれば
ラウラは禁固刑に処せられると脅され・・・
渋々ラウラは諦める事になった。
ラウラ「はぁ・・・・禁固刑ね・・・でも知りたくなるのは・・・・病気かな。」
と言いつつも、大樹と別れると否やアルタミラの準VF-X部隊の事が気になり・・・・
頭の中がもやもやしてくる・・・・どうしても知りたくてしょうがないのか・・・・
一人でぶつぶつ、アルタミラの準VFーXに関する事を話す・・・・
他の人からすれば、今のラウラは変な人・・・・
幸い・・・・・ラウラの周りには他の乗員の姿はなく・・・・
ラウラを変な人扱いにする人はいない・・・・・
星村絵里「あっラウラ・・・・」
ラウラ「モーア・・・なんでここに!?」
真正面からミアンを連れた絵里がやってきた。
思いがけない登場に、ラウラは独り言聞かれたと思い赤面になる。
更に言えば、絵里は特殊部隊VF-Xの副隊長であり・・・・・
アルタミラの軍事機密に関して知りたがっている事を知られたら・・・
自分の軍人として、自分自身の人生に終わりを迎えてしまう・・・
ミアン「副隊長?」
星村絵里「ミアンは先に自室に戻ってね♪」
ミアン「了解しました。」
絵里はミアンをこの場から退室させ、ラウラと一対一の状態になった。
何とも言えぬ緊張状態になったラウラは、絵里にさっきまでの独り言を聞かれたか・・・・
ドキドキしながら絵里の顔を見る。
一体どんな事を言うのかを・・・・・・・・
もしかしたら、現行犯で拘束するのか・・・・・・
そうラウラは思いながら目を瞑る・・・・・・・
星村絵里「何、目を瞑っているのさ・・・・・」
ラウラ「だって・・・・・」
星村絵里「分かっている、あれでしょ・・・・・アルタミラがなぜ特殊部隊のように運用されているのか・・・とか・・・」
やはり・・・・・・
絵里はラウラの考えている事が分かっているんだ・・・・・・・
ゼントラーディ軍時代は馬鹿な奴だと思っていたんだけど、違うんだ・・・・・
洞察力もあり、人が何を考えているのかを見抜いてしまう力がある・・・・・
ラウラは目を瞑りながら、これから始まる絵里の質問責めを考えると頭が痛くなってしまう。
大樹からあんな事を聞かなければ考えなかったのにと、ラウラは人のせいにしてしまうが・・・
結局は自分が呟いて大樹がそれに答えただけである事に気が付き・・・・
改めて自分の発言に後悔する。
あんな事を言わなければよかったと・・・・・・
星村絵里「やはりね・・・・」
ラウラ「やはりって・・・・はい・・・・」
星村絵里「まぁ独り言を言うだけなら、いいけどこれ以上の事は入らない方がいいわよ。本当に刑罰に問われるから。」
ラウラ「はい・・・・すいませんでした。」
星村絵里「分かればよろしい。」
現行犯で拘束はされなかったが、絵里にどす黒い釘を刺され終わった。
特殊部隊に所属している人間に聞かれたら、自分のいる立場はイエローゾーン。
下手したらスパイ容疑で捕まってしまう。
馬鹿で戦い大好きなゼントラーディ人だと思っていた絵里が・・・・
とても恐ろしい存在になるとは・・・・・・
もしこの場にミリアがいれば状態はもっと最悪な事になっていただろう。
ラウラはドキドキとハラハラしながら、自室に戻る。
ミアン「あっ副隊長。」
星村絵里「ミアン、待っていてくれたのね。」
ミアン「はい。」
絵里はラウラの事を気にしないで、そのまま自室に戻った。
今回の事件を持って、ラウラはアルタミラに関する部隊の存在意義を知ろうとする事はなく。
そのまま惑星マリトラーンに向かう事になった。
【惑星マリトラーン】
惑星マリトラーン・・・・・・
移民完了したメガロード級船団より分岐した近距離移民船団が発見した惑星で・・・・・
現地の地球人に似たマリトラーン人から
技術提供と軍事兵器のレンドリースを条件に未開拓地を譲り受け・・・・・
近距離移民船団は移民し、約束通り余剰生産したARMD級や可変戦闘機を提供し
マリトラーン自治政府が誕生した。
なので・・・惑星の半分はマリトラーン共和国と、半分は統合政府領土と変わった惑星である。
とは言え、マリトラーン共和国は統合政府の連邦構想に加盟しているため。
統合政府の一員でもあり、統合政府の領土とあんまり変わらない。
そのせいか、反統合思想のマリトラーン人が生まれ・・・・・
流れついた反統合勢力と手を結び、テロ活動を行う事例が増えてきた。
余談だが、惑星マリトラーンの首都は本来の惑星マリトラーン(マリトラーン1)があり
新統合政府が呼んでいる惑星マリトラーンはマリトラーン2である
【惑星マリトラーン.新統合政府領土.自治首都カリマッタ】
フェアリ「ようやく、政策に関する事が完成したわ。頑張らないと。」
マリトラーン議会議員自由共和党候補フェアリ・ラカジーラ
ゼブラ「結構頑張っているね。」
フェアリの夫、ゼブラ・ラカジーラ
フェアリ「うん・・・今回の選挙で私が当選すれば、初のゼントラーディ人の議員が誕生するのよ。それに私がしたい政策も実行できる。」
そんなマリトラーンも統合政府領土の間にある議会で選挙が行われる。
与党の自由共和党と、銀河民主党.自由国民党.などの政党で議席数確保で争い・・・・
自治政府大統領は継続か、それとも政権交代かで争われる。
その中に与党系としてフェアリが立候補する事になっている。
今回のラウラ達の護衛対象はフェアリの護衛・・・・・
自治政府軍の兵力が足りず、フェアリなどの一部の議員候補の護衛が足りなかった。
そのため、月面からラウラ達を派遣し護衛部隊にしたのだ。
ゼブラ「しかし、反統合系テロもあって命の危機もあるね。」
フェアリ「確かにあるけど、どちらにせよ・・・危険であるのには変わりはないさ。」
今回の議員選挙は反統合系のテロのターゲットになる可能性が高い。
議会が混乱すれば
反統合系のマリトラーン解放軍がマリトラーン統合政府自治領を制圧し・・・・
マリトラーン正規軍の強硬派が、クーデターを起こし惑星マリトラーン全域を管理しようと目論む可能性がある・・・・
更にマリトラーン共和国の首都惑星であり本来の惑星マリトラーンに対する武力侵攻の可能性も
統合政府や統合軍上層部としても避けたい所である。
「月面方面軍白川提督より報告・・・・・アンサーズは予定通り、惑星マリトラーンにて護衛任務に入ります。」
「よし数々の反統合勢力を鎮圧したアンサーズなら期待できそうだな。」
アルタミラ、惑星マリトラーン入りの報告を聞いた地球の統合軍総司令部は歓喜に包まれる。
今までの統合政府に敵対する勢力と対峙してきたアンサーズなら期待できると・・・・・
統合政府の期待は・・・・ラウラを含めるアルタミラ乗員は知らない。
そして・・・・惑星マリトラーンで巻き込まれる波乱な歴史の出来事も・・・・・・・・