テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

きぐちこへい たち。

2013-07-04 23:59:43 | シロートの戯言
キグチコヘイ ハ テキ ノ
タマ ニ アタリマシタ ガ、
シンデモ ラッパ ヲ
クチ カラ ハナシマセンデシタ。


日露戦争の実話をもとにした武勲英雄譚で、戦前の尋常小学校修身書に掲載されていた文章の代表格であり、ヒダリマキの人なら青筋を立て、そうでない人でも、苦笑したり、莫迦らしいと思ったりするであろう内容です。

ご存じのように、無線通信が実用化されるまでは、光(回光通信機、のろしなど)や音(ラッパ、大砲、花火など)が即時伝達のコミュニケーション手段でした。
戦場でのラッパ手は、主に陸戦で展開した部隊の隅々に指揮官の意向を伝え、コントロールする重要な役目でした。
また、部隊の日常生活においても、起床、消灯、突撃、食事、など節目に使われる重要なコミュツールで、現代においても儀礼的に自衛隊や消防などで使われています。

きょう、出先でスマホを置き忘れ、ちょっとしてから気付き、引き返して大過なく取ってきたのですが、この現代のコミュツール、後生大事に肌身離さず持っていて、中には自転車での移動中にも、液晶画面を見ながら危なっかしい運転をしている人が多々います。汗を拭き拭き取りに戻る最中に見ていて、あの人たちも、事故って死んでも手からケータイを離さないんだろうなぁなどと、苦笑いのように思ったのでした。

電脳コイルのメガネのように装着したり、腕時計型や補聴器型などのコミュツールが主流になる時代、さらに攻殻機動隊のような神経補綴型の電脳デバイスが実用化される将来には、いまの私たちはきぐちこへいと同様に見えるのでしょう。