テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

双眼鏡の新製品動向を確かめて感じたこと

2013-07-10 23:43:41 | 双眼鏡 望遠鏡
常々、新製品の動向を気にしている訳ではありませんが、以前に少し触れたビクセンのアリーナ H6x21WPが、既にビクセンブランドでは製造終了になったことを知り、通販価格サイトなどで、調べてみました。
件のアリーナ H6x21WPは、コールマンのロゴを付けて、カラフルな色彩の非防水機と一緒に、引き続きビクセンが製造販売するようで、ビクセンブランドでのアリーナ H8×21WP新色発売に伴い、6倍の存続を図り、テコ入れするための処置のようです。
セールスポイントに乏しい6倍機をコールマンブランドを借りて存続させようとする意図はよく分かるのです。
ただ、他のメーカーの新製品、モナーク5、アキュロン、ウンカのようなケンコー、サイトロンなど、全てが低コストの海外生産品です。特にモナ5など、EDレンズや他のスペックは非常に立派で、期待したのですが、実際に店頭で少し覗いてみたところ、当ブログのダハのデファクトスタンダード機、Shirstone Samrai 8×42より軽いのは良いのですが像質は明らかに劣り、EDレンズの長所も感じられず、少しがっかりしました。
取りも直さず、先に述べたビクセン・コールマンの双眼鏡同様、価格ランクやブランド訴求力を重視した製品で、性能を追求したものより、売れ筋を狙った製品が多いという感じです。
他の民生用光学機器の代表、デジカメなど違い、高性能が数字で表しにくく、また、着実な進化もほぼ終わっていて、性能追求をセールストークにしにくい一面もあります。また、本格的な大口径機になるほど、光学的に要求される部品、組み立て精度が、現在の低コストなマスプロダクツとは相容れません。
このブログで提唱する双眼鏡の魅力、「一方的な距離感の喪失」や、星見、観劇観戦など、双眼鏡のあまたの魅力は、官能的な部分が多々あります。官能的な魅力を数値化することは難しく、また、持ちやすさ、軽さを追求すると、デザインでも、差別化はし難く、畢竟、マーケティング重視に偏りすぎな製品ばかりになるのは仕方がないかと思いますが、ペンタックスのパピリオのように、官能的な魅力のあふれる近接視をうまく商品の特徴にしている例もあります。見え味の官能的な部分の訴求が難しければ、持ちやすさ、構えやすさを追求しても面白いかと思います。双眼鏡の見え味は、対物から接眼までの光学経路だけで決まるものではなく、最終的には網膜にどのような像を結像させるかですから、以前に紹介したボーヤ・フィットと同様な機能、例えばオーディオテクニカのヘッドホンに採用されている3Dウィングサポートのような機構を、メガネのノーズパッドの部分や、額にあてがうような、視軸と光軸を簡単にきっちりと整合させる仕組みがあれば、初めて双眼鏡を手にする方はもとより、使い込んだ方にも、より保持しやすくブレにくく、そしてより見え味のいい双眼鏡が出来るのではないか、などと空想しています。