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バイデンが世界的不況の責任者だ 【連載】アンディ・チャンのAC通信

2022-10-29 08:26:36 | アンディ・チャンのAC通信
【連載】アンディ・チャンのAC通信

バイデンが世界的不況の責任者だ

No.915(2022/10/28)

 

 

 雑誌『Will』の12月号に馬渕睦夫元大使(駐ウクライナ)が「プーチン大統領の演説を読み解く」(副題に世界戦争への警告)でアメリカの一極支配を批判し、世界最終戦争へ導く可能性を指摘している。この論文のなかでノルドストリーム・パイプラインの破壊テロとクリミア大橋の破壊工作はアメリカの破壊テロだった可能性を指摘している。同号では渡辺惣樹氏と福井義隆氏の対談「プーチンよ核を撃て」でこの2つのテロ工作がウクライナの関与を装ったアメリカの工作である可能性を論じている。

 ノルドストリーム・パイプラインの破壊工作はEpoch Timesのジョシュア・フィリップス氏の詳細な説明でウクライナ、ロシアとアメリカの可能性をそれぞれ分析した。アメリカがやった可能性が高いと思う。(Investigators Reveal Cause of Nord Stream Pipeline Damage)

 10月26日のモスコーからの報道によると、プーチンは「ロシアが核を使うことはない、しかしウクライナが核燃料を含んだダーティボム(汚い爆弾)を爆発させるかもしれない」と演説したとワシントンポスト・ポスト、NYタイムスやロイターなどが一斉に報道した。アメリカのメディアは一斉にロシアがダーティボムを使ってそれをウクライナの仕業にするかもしれないと反対の報道をしている。

 しかしノルドストリーム・パイプラインとクリミア大橋の破壊工作は誰の仕業かと考えてみれば、プーチンはアメリカのテロ工作の可能性を防ぐために先制的発表をしたのではないかと考えられる。なぜならアメリカは「ダーテイボムを使ってそれをロシアのテロ破壊工作と決めつけ」ウクライナ戦争に参加する意図があると思われるからだ。プーチンが先制的に「ウクライナが(つまりアメリカが)」ダーティボムを使う可能性を発表したのでアメリカの陰謀が失敗した、やれなくなったのだろう。

 誰がやるか、誰がやったかは水掛論で証拠は見つからない。しかし米国には歴史的に「事実捏造による攻撃」を何回もやった「前科」がある。ベトナム戦争ではトンキン湾事件を捏造した。ケネディ大統領はキューバ侵攻でBay of Pigs Invasion(ビッグス湾侵攻)を実行した。そしてイラク戦争の時は、サダム・フセインが地下工場で大量殺戮兵器を製造していると大々的に宣伝してからイラクを侵攻した過去がある。

 ウクライナ戦争が泥沼化したためアメリカは参戦の機会を狙っていたのだろう。ウクライナ戦争はアメリカの覇権統一の一環に過ぎないが、アメリカが参戦したい理由は戦争が長引いてアメリカも資金支援、武器支援が限界に達し、インフレと経済不況、犯罪増加などで国力の衰退を招いているからだ。

 馬渕睦夫元大使は、アメリカのネオコン(DeepState)が世界制覇を目指している、世界の覇者を目指す権力者はロシアを支配しなければならないと指摘した。アメリカが世界制覇を目指しているのは誰でも知っている。プーチンは26日の演説でアメリカの一極覇権を批判し、多極化勢力が世界統一主義者に勝つだろうと強調したと馬渕元大使は指摘した。

 ロシアのウクライナ侵攻が始まる去年の年末、バイデン大統領は「アメリカ最大の敵は中国でなくロシアだ」と宣言してトランプの最大の敵は中国という主張に反対した。そのようなアメリカの影響を受けてウクライナが急激に反ロシアに傾き、NATO加盟を主張するに至り、ロシアのウクライナ侵攻はその数ヶ月後に起きた。これでわかるようにウクライナ戦争はアメリカのネオコンが仕掛けたのである。

 この戦争でロシアは大きな痛手を蒙ったしウクライナも破壊されて廃墟となったし、アメリカも資金不足と武器不足、兵員不足で戦争の継続は困難となった。バイデンは総額175億ドルのウクライナ支援と最新武器の提供を行なったが既に限界に達している。

 EU諸国はロシアと戦争を始めたので石油と天然ガスの供給がストップし、エネルギー危機となった。世界的規模で石油エネルギー不足が起きて、航空業、海運業とトラック運送業などが影響を受けて物資流通の停頓、生産性減退と失業率上昇、物価上昇などの連鎖反応が起きた。

 バイデン/Deep Stateの大きな間違いはロシア叩きと共に地球温暖化対策と脱石油政策を強引に押し進めたことである。バイデンがアメリカの石油と天然ガスの生産(増産)をストップした上にウクライナ戦争を誘起したので、ダブルパンチで欧州諸国はロシアの石油とガスの提供が途絶え、アメリカその他の国でもエネルギー危機となった。

 バイデンはサウジを訪問して石油の増産を要請したが、サウジとOPECは逆に日産200万バレルの減産を発表した。つまりバイデンの強引な要求がOPECの反米を招き、アフガン撤退、中東諸国の反米、トルコやインドなどは中立でアメリカの影響力が減退して世界の多極化が進んだ。プーチンの言った通りとなったのだ。

 ウクライナ戦争の結果、世界的なエネルギー危機と物価の上昇が起き、アメリカでも物資不足と資金不足、武器不足と兵員不足などで国力衰退は明らかになり、世界諸国も経済不況となった。全てはバイデンの責任である。ウクライナ戦争で得をしたのは中国である。ロシア、アメリカ、欧州諸国が衰退し、世界的不況となったら中国の覇権拡張はアメリカの手に負えなくなる。

 これは非常に厳重な問題である。アメリカの衰退で諸国が多極化するのは良いが、中国の覇権拡張は絶対に避けなければならない。香港が良い見本である。中国の覇権拡張で世界の資源略奪や人種殺戮が起きる。正義と公平、自由と平和は失われる。この責任はバイデンとDeep Stateである。バイデンは世界史に残る間違いを犯した。バイデンはアメリカの国民だけでなく全世界の人民に謝罪すべきである。

 

 

【アンディ・チャン(Andy Chang、台湾名=張継昭)さんのプロフィール】 1934年生まれ。第2次大戦後に台湾からアメリカに留学し帰化した。現在、カリフォルニア在住。アメリカと台湾の時事ニュース中心に独自の視点で分析してネット配信している。AC通信は週刊のメルマガで、使用言語は日本語だが、本ブログでは日本のメディアでよく使われている用語に統一することにした

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