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歌は人生の応援歌 【気まま連載】帰ってきたミーハー婆(54)

2022-06-09 05:30:38 | 【気まま連載】帰ってきたミーハー婆

【気まま連載】帰ってきたミーハー婆(54)

歌は人生の応援歌

岩崎邦子 

 

 

 ♪六月六日に 雨ザーザー 降って来て~ 

 テレビで気象予報士が、少し照れながらも歌ってから「関東地方が梅雨入りしました」と報じた。
 沖縄・奄美に次いでの梅雨入りというが、九州・四国より先というのは17年ぶりとか。気温低下で梅雨寒に加え、強風・豪雨への警報が出された。大粒の雹が車やビニールハウスに降って、その被害の様子も映し出されていた。
 幸い、私達が住んでいる所は大きな山も川もない。平坦な地だからなのか、気象的には恵まれているようだ。東京・千葉に大雨予報が出ても大した量の雨ではなく、雨雲は他の地域へと移動して行くらしい。
 ところで、国道464号線の道路は我が家のすぐ傍を走っている。生活道路とも言え、鎌ケ谷市や印西市へ向かう時の交通手段だ。
 いつからか印西市の道路脇の数か所で大きな工事現場を見かけるようになった。「トンネル工事」と掲げられていている。不思議に思っていたが、先日放送されたテレビ東京の『ガイアの夜明け』を観て納得した。鳥取砂丘と並んで、印西市のことが紹介されたのである。
 千葉ニュータウンの開発は当時の思惑とは違った。成田空港に近接し、都心へも鉄道で1時間という好アクセスにもかかわらず、北総鉄道の運賃が日本一高いことに加えて、バブルもはじけて、頓挫してしまう。
 やがて464号線沿いに大きな商業施設が次々と出現し始めた。それを機に整備された土地に家が建つ。こうして若い世代には住みやすい市として、一躍印西市の名前が挙がるようになった。が、もっと驚くことことに、グーグルや、他の世界的企業が殺到しているのだという。
 巨大データセンターが集積する理由として、下総大地に活断層がないことが挙げられる。疑問に思っていた工事は、急増する電力需要拡大に供えてのシールド工事だった。
 隣接する白井市も活断層がないので、今後、関東に大地震が起きても大きな被害にならないと言われている。そうであることを祈りたいものだ。
 すっかり話が横道にそれた。
 冒頭の「♪六月六日に 雨ザーザー 降って来て~」だが、子供の頃には絵描き歌として、何度も女の子の絵を描いたことがあったことを思い出した。「はて、どんな絵だったかな」と思ってネットで調べてみたら、歌の最後は「♪あっという間にコックさん」だった。
 ふーん、私の思い描く絵とは全く違っているではないか。私が描いていた女の子は、姉たちの創作だったのだろうか。
「♪棒が一本あったとさ」「♪葉っぱじゃないよ かえるだよ」といったフレーズも思い出される。オモチャや絵本が簡単に手に入らなかった時代だ。童謡や抒情歌を姉たちと歌ったことも懐かしい。
 絵描き歌は、描くことへの興味を引くために歌われてきて、幼児向けの歌詞と思われるが、今日では、アンパンマン、ポケモン、トトロ、しまじろう――などか。
 歌は、自身が歌う事や聞くことで、楽しくなったり、豊かな気持ちになったりするもの。時代に沿った若者たちの歌が持てはやされるのも結構な事である。
 昔懐かしい歌は、高齢者の心を癒してもくれる。歌声喫茶は、客全員が歌う喫茶店であるが、1955年前後の東京のように、大きな都市で流行っていたというが、1970年代までに衰退してしまった。なので、私は当時の流行には全く乗れていないが、そこで歌われていた歌には関心もあり、また好きな曲が少なくない。
 いずれにしても、みんなで一緒に歌える場が出来るのは、高齢者のレクリエーションとして最適だろう。
 私の所属しているコーラスの会は、コロナに関してまだ安心の出来る時ではないとして、休会している人たちや、これを機に退会した人もいる。私は感染対策に対応した形で、参加を続けている。
 合唱曲として、上級の人たちが選曲し歌われているものに、ミサ曲やレクイエムがあって、私の友人が所属している会では、こうした曲の中から選ばれているようだ。それはそれで、立派なことではないか。
 私達の所属する混声合唱団では、発声練習にもなるので、抒情歌も取り入れられている。でも、一般的な合唱曲の中から選曲されたのが多い。ソプラノ・アルト・テノール・バリトンに分かれて歌う所や、八分音符が続く所、♯・♭・♮などの記号に沿って歌うところを、先生の指導を受けて丁寧に教わるのは、難しさもあるが、楽しいことだ。
 もちろん、歌好き仲間が集まって、わいわいと一緒に歌えるチャンスがあることが望ましい。カラオケ好きな人に聞くところによると、大半の人が他人の歌は聞いていなくて、周りの人とのおしゃべりか、自分の曲選びに熱中しているのだとか。カラオケは大勢で行くものではないのだとも。
 歌うことには拒絶反応をしていた夫も、きっかけが出来てからはカラオケに誘われれば、喜んで出かけるようになった。コロナ感染の恐怖が叫ばれて、自粛の日々となってからは、ユーチューブで歌を聞きながら、一緒に口ずさんでいる。私にはお経のように聞こえることもあって、はた迷惑というものだが…。
 テレビに繋いだカラオケ曲を、一人でマイクに向かっているのは、何とか覚えたい、上手くなりたいという気持ちだろうが、それがリビングでないことで、助かっている。
 今、夫の一押しの曲は、竹内まりやさんの「人生の扉」。季節は春から秋冬へと向かうが、人生を重ねていく中で、年代によって、感じることの素晴らしさや力強さがある。やがて弱くなっていく悲しさや辛さの中でも、まだ大丈夫と思うこと。生きることには価値があると、信じることの大切さを、年代ごとの詩で歌いあげる曲になっている。
 83歳で「太平洋単独無寄港横断」に成功した堀江健一さんは、「青春真っただ中だ!」と、自らを鼓舞する。この快挙は、高齢者にとって生きることの価値や、自分を信じることの大切さを証明してくれたに違いない。自分を信じて行動する人の生きざまや、心に響く歌は、人生を生きる応援歌になっているのかも。

 

 

【岩崎邦子さんのプロフィール】 

昭和15(1940)年6月29日、岐阜県大垣市生まれ。県立大垣南高校卒業後、名古屋市でОL生活。2年後、叔父の会社に就職するため上京する。23歳のときに今のご主人と結婚し、1男1女をもうけた。有吉佐和子、田辺聖子、佐藤愛子など女流作家のファン。現在、白井市南山で夫と2人暮らし。白井健康元気村では、パークゴルフの企画・運営を担当。令和元(2018)年春から本ブログにエッセイ「岩崎邦子の『日々悠々』」を毎週水曜日に連載。大好評のうち100回目で終了した。


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