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バ◯殿「世界の新秩序」の旅 【連載】アンディ・チャンのAC通信

2022-03-29 04:47:29 | アンディ・チャンのAC通信
【連載】アンディ・チャンのAC通信

バ◯殿「世界の新秩序」の旅 

No.888 (2022/3/27)
 

 

 バイデンは24日にブリュッセルでG7、G20をこなし、ワルシャワで政権首脳らと面談し、米軍基地を訪問して米兵を激励したあと、ホワイトハウスがお膳立てした「バイデンの重要演説」を行い、ウクライナ国境に近い難民キャンプを訪問した。側近の計画ではこの3日の欧州旅行でバ◯殿の「世界の新秩序」のリーダーの位置を堅めるつもりだったらしい。結果はバ◯殿の度重なる失言の尻拭いだった。

 ブリュッセルでの記者会見における失言は後にして、バ◯殿の幕僚は2日前からワルシャワで行う演説を「非常に重要な演説」と宣伝していた。この日の演説はテレビでも実況を放送してしていたので私も聞き入ったが、幕僚の準備した原稿を激越な言葉で喋っていたけれど、演説が終わって何を喋ったのかと考えたらほとんど何も無い。講演の後でフォックスニュースの記者たちが討論した結果は私の聞いた内容と同じだった。講演の要点は以下の4点である:

(1)プーチンを排除しなければならない

(2)ロシアは敵ではない

(3)アメリカはウクライナ側に立っている

(4)NATOの「神聖な約束」を守れ

 講演のあと世界の焦点は「プーチンを排除せよ」に集まった。バ◯殿は「For God’s sake, this man cannot stay in power. (神かけてこの男を権力の座に留まらせることはできない)」と大声疾呼したのである。バ◯殿は公然と他人の国のロシアの政変を呼びかけたのである。明らかにプーチンの暗殺を示唆したとも言える。講演の半時間後にオースチン国防長官は大慌てで「バ◯殿はロシアの政治に干渉したのでは無い」と説明したが時すでに遅し。米国の大統領がロシアの大統領を権力の座から降ろすとは明らかな暴言だ。ロシアのペスコフ報道官は直ちに「ロシアの大統領はロシアの国民が選ぶのである」と発表、批判した。

 アメリカでも「バ◯殿の9語の妄言」に批判の声が高まったので、日曜日になるとワルシャワ講演の後イスラエルに飛んだブリンケン国務長官と、ホワイトハウスのサリバン補佐官は「バ◯殿の発言はロシアの政権交代を呼びかけたのではない。プーチンの権力はウクライナで行使すべきでは無いと言ったのだ」と弁解した。フランスのマクロン大統領は「私だったらこんな挑発的な言葉を使わない」と述べた。今となっては誰がどのように弁解しても「バ◯殿の9語」は世界中に広まっている。

 バ◯殿の重要演説の第4点、「NATOの神聖な約束」とはNATO同盟の第5条;「参加国の一つが危難に陥った時は同盟諸国が協力する」と言う約束である。もしウクライナがNATOの加盟国だったらロシアのウクライナ侵攻に27カ国が参加することができる。つまりロシアがウクライナのNATO加盟に絶対反対する理由がこれである。アメリカはウクライナの側に立っていると言っても「NATOの神聖な約束」の同盟国でないウクライナの戦争に参加することができない。ゼレンスキーもそろそろ目を覚ましたらどうか。

 ワルシャワの重要演説における「バ◯殿の9語」の他にもバ◯殿がブリュッセルの記者会見における三つの失言が幕僚たちの頭を悩ませている。

 その第一は彼がブリュッセルの記者会見の際に記者の質問に答えて何度も強調した、「制裁(Sanction)で抑止(Deter)はできない」(Sanctions cannot deter)の3語である。これまでバ◯殿の補佐官やオースチン国防長官、サキ報道官などが「制裁がプーチンの抑止となる」と何度も何度も強調してきたことをバ◯殿がブリュッセルの記者会見ですっかり否定したのだから、バ政権の幕僚たちは発言取り消しも言い逃れもできなくてすっかり困ってしまった。何のために制裁するのかと聞かれても返答できない。

 第二の失言はABCのCecilia Vega記者から「もしもプーチンがウクライナで化学兵器で攻撃を行ったらアメリカはどうするのか」と聞かれたバ◯殿は「同じ手段(つまり化学兵器)で反撃する」と答えたことである。化学兵器も核兵器も使わないと公言したアメリカのトップが同じ兵器を使って反撃すると言ったのだ。これも解釈や言い逃れの効かない失言で、左翼メディアは報道しなかったが、Reuters News、Foxnews、Breitbart、Hillなどはすぐに報道した。

 第三の失言はG7とG20の会合の後でバ◯殿が記者たちに「民主主義で世界の新秩序(New world oder)を作る」と述べたことである。これこそ幕僚たちが苦心してワルシャワ重要演説の原稿を作り、講演が大成功させてバ◯殿の世界のリーダーの位置を取り戻そうとした真の目的(野心)だった。それをバ◯殿が早々とG20の会合の後に記者たちにポロッと本意を漏らしてしまったので、記者たちがああそうだったのかとバ◯殿の野心を世界中に発表した。

 ワルシャワの重要講演の前に、しかも講演が成功するかもわからないのに野心を漏らしてしまったのである。しかも重要講演では幕僚が苦心して作った原稿になかった「バ◯殿の9語」を大音声に叫んだので、世界のリーダーどころかダメ男の烙印を押されてしまったのである。

 民主主義で世界の新秩序を作る、だと?世界のリーダーになる、だと?

 民主主義の第一歩である公正な選挙すらできないアメリカ、その不正選挙で選ばれたバ◯殿とは、麻薬中毒で、兄嫁を寝取った、外国の賄賂を受け取ったドラ息子とグルになって不正不義を働いた父親である。そんな奴が「民主主義で世界の新秩序のリーダー」とは笑止の至りだ。

 

 
 
【アンディ・チャン(Andy Chang、台湾名=張継昭)さんのプロフィール】 1934年生まれ。第2次大戦後に台湾からアメリカに留学し帰化した。現在、カリフォルニア在住。アメリカと台湾の時事ニュース中心に独自の視点で分析してネット配信している。AC通信は週刊のメルマガで、使用言語は日本語だが、本ブログでは日本のメディアでよく使われている用語に統一することにした

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