オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

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[S-048] 共鳴管の太さ(解説編)

2015年08月29日 08時28分50秒 | オーディオ
さて、S-048の実験第一弾は「共鳴管の太さ」です。

本当は、興味のあるバックロードホーンから入りたいのですが、まずは基本をおさえる意味から、シンプルな共鳴管からスタートしましょう。

共鳴管の設計は非常にシンプルです。
「太さ」と「長さ」。それだけです。

まあ、他にもテーパーとか、折り返しとか色々ありますが、
基本は、「太さ」と「長さ」で問題ないでしょう。

この二つのファクターのうち、
「長さ」については大体の理解が進んでいます。

片開口共鳴管にユニットを取り付けると、
1倍、3倍、5倍・・・と、共鳴周波数が現れます。


一方、「太さ(断面積)」についてはどうでしょうか?
そりゃ、太い方が低音が出るに決まってる・・・って本当でしょうか?


確かにイメージ的には、太い管のほうが効率的な共鳴が得られ、
結果として、重低音増強効果が大きいように感じます。

しかし、例えば公園にある土管(長さは3メートルほどでしょうか?)の中で声を発したとして、
果たして56Hz(340÷3m÷4×2=56Hz)の重低音が野太く響き渡るでしょうか?


(画像はイメージです)

土管の太さは十分なので、もし断面積に比例して得られる共鳴が強くなるのであれば、相当な重低音増強効果がありそうです。
お察しのとおり、現実にはそんなことは起こりません。土管ではなく、半径数メートルの巨大なトンネルをイメージして頂いても良いでしょう。


では、どこかに閾値があるのか。
ユニットの振動板面積に対して、ある程度以上で共鳴管効果が最大を迎えるのか。


そこで、実験です。
FOSTEXの標準的ユニット「P1000K」を使用し、断面積が振動板の72~800%となるよう変化させた直管の音響管を用意しました。



P1000Kのf0は82Hz。音響管の長さは1.2mなので、共鳴周波数は約70Hzです。

これ以上音響管の長さが長いと、P1000Kの出力音圧レベルの低い領域での評価となり誤差が増すと考え、音響管の長さは「共鳴周波数がf0と同等程度」として決定しました。


断面積については、最小の72%(振動板面積比)がバックロードホーンのスロートに相当するもの。最大の800%がバックロードホーンの開口部に相当するものです。
もちろん、一般的な共鳴管の太さである200~300%も、この中に入りますね。


実際のスピーカーの様子はこんな感じです。(断面積800%の状態です)







気になる結果は、次回にお伝えします!

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