G20と北朝鮮のミサイル発射

　世界２０カ国の首脳が中国に集まって開かれたＧ２０…。

　この会議を是が非でも中国主導で成功させたい習主席は、様々な手を使って首脳陣を翻弄し、うまくことを運んだかに見えます。

　この会議の後、安倍首相と久しぶりに会談した習主席は、尖閣問題では自衛隊と中国軍が出合い頭に衝突しないような連携を約束しましたが、南シナ海問題では「日本は関係ない」と強気の発言を繰り返したようです。

　南シナ海は、東南アジアの貿易航路として重要な場所なので「日本には関係ない」とは言えません。

　問題は、中国が支配下に置くことによって、これまでのように安全に航海できるのか、それとも中国海軍によって航行の自由が奪われてしまうのかというところです。

　もっと言えば、中国とインドネシアなどがここで対立して混乱することになれば、世界経済も大打撃を受けることになりかねないのです。

　経済が低迷し続けている中国にとって、得策ではないことを何でやろうとしてるのか理解に苦しみます。

　Ｇ２０で経済問題や領海問題以外に大きな問題になったのが、北朝鮮の独立独歩の姿勢です。

　最早、中国の言うことも聞かなくなった北朝鮮最高指導者の金正恩・朝鮮労働党委員長…。

　国内では、言うこと聞かない奴や態度の悪い奴をドンドン粛清して、恐れをなした高官たちが頻繁に亡命しています。

　もう、誰も信用しない、誰ともツルまないという姿勢で「全ての国が敵だ！」という恐怖心からかＧ２０後にもミサイルを日本の排他的経済水域に打ちこんできました。

　まったく困ったもんです。

　多くの国民が貧困であえいでいるというのに、莫大な予算をかけて軍備を増強するなんて戦前の日本みたいです。

　こんな状況下におかれている日本でも、中国や北朝鮮の脅威を強調して「憲法」を蔑ろにした「軍拡」政策に突っ走っています。

　双方がこれを繰り返していちゃ、いつかまたあの悲惨な戦争が巻き起こってしまうかもしれません。

　お互いが何を考え、何をしたいのかを話し合うのが「外交」です。

　何にも理解しあえてないのに「悪口」ばかり言ってるのは、それこそガキのケンカです。

　日本人は「本当に純朴な性格」だから相手にコロッと騙されて、後で「嘘」だったと気づくことが多いんですが、「騙すより騙された方がいい」というのは、国内だけで通用する「美談」…。

　「相手を騙してナンボの外交」をしなけりゃ、相手はつけ上がってくるばかりですから、騙されたフリして騙してやるような意気込みで外交政策を進めて欲しいんですけどね…。