変温動物のほんとうはあったかはーと

冷たくないよ、ちょっと心が暖かくなる話を書きます。

素直じゃない

2007-01-29 03:11:53 | Weblog
週末、映画を見た。

「硫黄島からの手紙」
アメリカ人のクリント・イーストウッドが描く日本人の戦争とはどんなものなのかみてみたかった。

側にいる夫は、映画が終わってもしばらく席をたたなかった。その夫に私は、「なんなんドンパチばかりが、強烈で」と感想を言ってしまった。それから、ずっと帰りの車内で、夫の感想をきかされた。少し高揚しているその夫の様子に私は、圧倒されてしまった。「ええ?そうかなあ?」というと「わからんのか!」と解説し始める。「うーん、わからん!」「そう?」と私は繰り返すばかりだった。とうとう、夫は、「愛の流刑地でも見たほうが、分かりやすかったんじゃないか。素直じゃない」と言った。「うーん、そうかなあ」

もう、果てしなくその話は続きそうだった。実際のところ、翌日までつづいた。

素直じゃないといわれたら、そのことに気がつかないでもない。訴える内容を素直に受け止めたらいいのだ。でも、戦闘の描写が強烈で、私は何回も耳をおおってしまった。それが、戦争というものだろう。安っぽく戦争反対などといえないとも思った。

映画館に足を運ぶのは、本当に久しぶりだった。
父が亡くなって、実家に帰ることが多くなり、週末にその余裕がなくなっていたことにも気がついた。

そうそう、映画を見る気になったのは、もうひとつきっかけがある。
実家の母が、「キムタクの映画をみたいけど、どうしたらいい」と言い出したのだ。私は、びっくりした。「キムタク、かわいい」という。その後、母は、友人を誘って映画を見たという。私は、その行動力に驚いた。父が亡くなって、ずうっと元気がなかったが、楽しみを見つけ、積極的に行動するようになってくれて、そのことをとても嬉しく思う。

今回見た映画は、画面からくるものが強烈で素直に取れなかったが、母のそうした行動力は、素直に心から喜びたい。