日々の事から

日々のあれこれ
by Kirari

読書記録📖

2020-02-09 13:52:47 | 
『某(ぼう)』川上 弘美 著  2020.2.9読了

去年読んだ『大きな鳥にさらわれないよう』と同種のストーリーかと感じた。
認識できる生物について、そういうものの見方をできない人には苦しい展開かもしれない。
私は高校生の頃、身体より思考が1mくらい上にある感覚で実態と分離した感覚を宥めながら暮らしていたので、こういうストーリーは苦手ではない。
私であることをどうやって定着させるか、毎日毎日考えていた気がする。
子供に貸したら100P過ぎてギブアップ。ちょっと生々しい表現もあったから耐えかねたのだろう。
私には読みやすかった。
人のような様相で人でないものが傍にいるって怖いだろうか?
不思議なことに人でないのに人を侵犯せずに暮らしてくれるのだから有り難く共存すれば良いと思うけどね。
昨今の地下鉄のように人が密集するところで周囲に遠慮もなく物と思い傍若無人に存在する人間の方がよっぽど怖い生き物だ。先日来、このブログに出てくる、私に失望を与えた人間たちだって存在は否定したい。
人でない何かは能力が高いようなので、その存在を彼らが解析して人間をどうにかしようとすることが危ない時期だろう。似たようなことは人間同士でも行われていると感じるが。
冒頭で人でないものを治療した医師は大したものである。
大して治療結果や研究成果を発表せずに観察だけして人生を送ったような人。人が良すぎる。そういう面で言えば穏やかなストーリー展開だったね。

人でないものは人間のなかにもたくさんいる。人間性の年齢低下を感じるので、現在の30代以下は私から見ればまるで中学生のようである。依頼心が高すぎる。

作者はどういう感想を持たれると思っているかな。
私はただ変化するだけの某さんは付き合える相手だ。面食らうので変化の有無だけは明かしてほしいけど。



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