
森友学園問題をめぐり、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、3月16日付1面に「籠池氏 ”昨年10月、稲田氏と会った” 本紙に証言 "感謝状"贈呈式で」と見出しをつけた記事を掲載し、籠池泰典氏=理事長退任を表明=と妻、詢子氏が同紙の取材で、昨年10月22日の防衛大臣感謝状の贈呈式で稲田朋美防衛相と会ったと証言したことを報じた。しかし、その後の取材で籠池氏が感謝状贈呈式に参加していなかったことがわかったとして、18日付同紙に「記事を取り消します」との訂正記事を掲載し、おわびした。赤旗は、籠池氏側が証言したこと自体は事実との認識を示しており、その通りであれば籠池氏側が事実と異なる証言をしていたことになる。
しんぶん赤旗3月18日付訂正記事。
元の記事は1面肩で大きな扱いだったが訂正記事は2面の隅の目立たない扱いだった。
16日付記事は、籠池夫妻の証言を踏まえ、10年間ぐらい籠池氏と会ったことがないとしていた稲田防衛相の国会答弁の真実性が問われる、と指摘していた。しかし、核となる証言は「籠池氏と妻の詢子氏によると、『表彰のときに会って、(稲田氏は)”あっ籠池氏か”という感じだった』といいます」と書かれているだけで、取材が行われた日付は記されず、一問一答も掲載されていなかった。訂正記事でも「その後の取材で、籠池氏は感謝状贈呈式に参加していなかったことがわかりました。裏付け取材が不十分なまま出された記事でした」と説明しただけで、詳しい経緯や原因については明らかにしていない。
日本報道検証機構は、赤旗編集局に取材経緯について問い合わせたところ、担当記者の上司にあたる森下茂樹社会部長が取材に対応した。「担当記者が籠池夫妻に取材を行い、報道された趣旨の証言を得たこと自体は事実か」との質問に対し、森下氏は「そうです」と答え、記事が捏造された可能性は否定した。
赤旗のツイッター公式アカウントの投稿。
18日午前中まで確認できたが現在は削除。ただ、籠池氏らが実際にどのように取材で答えていたかは記事の文面上、必ずしも明確でない。森下氏は、実際に取材を行った日や、籠池氏と妻の詢子氏のどちらが「表彰のときに会って、”あっ籠池氏か”という感じだった」と語ったのかといった疑問点については「記事で書かれている以上のことは明らかにできない」との答えにとどめ詳細な説明はしなかった。
問題の記事は当初、赤旗のホームページにも掲載されていたが、現在は削除された。
日本共産党の志位和夫委員長も自身のツイッターの投稿で記事を引用していたが削除されている。同党・同紙は18日午後3時現在、ウェブサイトやツイッターの公式アカウントで、誤報や記事取り消しの事実について何も説明していない。
籠池夫妻が経営する森友学園をめぐっては小学校新設手続きで金額が異なる三つの工事請負契約書を提出していたことが判明したほか、提出資料に籠池氏の経歴など複数の点で事実と異なる記述があるといった問題が指摘され赤旗もこうした疑惑を報道していた。
衆参両院の予算委員会は3月23日に籠池氏の証人喚問を行うことを決めている。
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ここに来て赤旗もミスった、ネットでは知らんぷりで既に削除か。