「最近欲しいものがないねー、あんまり物欲が無いね」
「そうだよなぁ」
などとカミさんと話していたのだが、SNSやネットの広告で、なぜか「サウンドバー」なるものが出てきた。物欲が無いねと言った舌の根も乾かぬうちに、むくむくと物欲が沸き上がってしまった。
ついついテレビは見てしまう方である。YouTubeなども見ることは見るのだが、なんというか、いちいち操作したりするのが面倒なので、流しっぱなしで勝手にやってくれるテレビの方がそこらへんは楽なのだ。
アマプラとHuluはカミさんが入っていて、映画やライブの動画なんかも見られる。最近の映画ではドルビーアトモスとかいう技術で音響設計をしているらしく、サウンドバーでは、そんな立体音響もある程度再現出来るらしいのだ。
価格帯は1万円くらいから10数万円するものまで、サブウーファーまでついてるものもある。そんな中から、いろいろとネットでレビューを漁り、最もコスパが良さそうで、手の届く価格のDENONのDHT-S217というのを買ってみることにした。
DENONは、今はデノンと発音するらしい。オレくらいの年齢のおじさんにはデンオンの方がなじみ深い。古くからの音響メーカーで、1980年代あたりのスピーカーなどはかなりヒットした商品もあったはずだ。
家庭用のオーディオ機器は、アナログからデジタルへの進化もあり、デバイスの様相もすっかり変化している。昔は、アンプ、CDとカセットのデッキ、ラジオのチューナー、アナログのレコードプレーヤー、それにスピーカーを配線でつなぎ、スピーカーには下駄を履かせた方がいいだの、レコードプレーヤーの置き場所には重い土台が必要だの、無茶にこだわれる、趣味性の高いものだった。
そんな時代と比べると、ずいぶん手軽にハイクオリティな音を手に入れられるようになった。そして、スペースも取らない。そんなサウンドバーが欲しくなってしまった。
物欲が湧き出してから買う決定をするまでほぼ半日、検討に半日、物欲が無くなっているというのは錯覚だったようだ。
で、今のテレビは、なかなか良い音で鳴っているのだ。そして気づいたことがある。結構テレビっていい音出してたのね。それがまあ、大体2週間前くらいのことである。