岩手は今年もクマが街中とかに出たり、結構被害があったりと、野生動物とうっかり出合ってしまうのだが、近所を散歩しててもそういうことがある。
まだ夏の頃に出合ったのが子ダヌキ。
中央公民館の裏に、自転車と歩行者専用の道路がある。この遊歩道はなかなかすぐれもので、4号線から山岸6丁目までつながっている。山岸のバス通りの裏道といった風情で、水路はその道に沿って流れている。
幅1メートルくらいの水路に落ちたんだと思うが、上がるルートが見当たらなかったのだろう。てくてくと悲しそうな顔をして水路の中を歩いていた。
「あ、子ダヌキ」
と思って助けようかなと思ったのだが、近づくと
「ウウーッ」
と威嚇するので、そのまま心の中で(なんとか頑張って這い上がれよ)と思って通り過ぎた。水位は低く、足が濡れてるくらい。そんな子ダヌキの写真。
U字溝で壁は垂直だから、なかなか這い上がれないだろうなぁ。
山岸に住んでからタヌキを目撃するのは都合4度目くらいか。夜中の道路で、以前住んでいた貸家のすぐそばで、里に近い動物なので、案外見かけることはある。ハクビシンは、専立寺で稽古してたら前の道路で轢かれていた、ということもあった。
夜中の道路を横断するハクビシンを見たときは、一瞬何の動物かわからず、尻尾の長さとか、大きさとかで後から判断した。
カモシカは、息子を寝かしつけるために、抱っこして近所を一回り散歩して帰ってきたときに見かけたのが早20年前くらい。それから16年、2度目の目撃は夜の7時頃。そして3度目はご近所の鎮守岩谷稲荷神社の前を散歩していた昼下がり。
のんびりと草を食む、カモシカの親子のようだった。こちらを見ても驚くでもなく逃げるでもなく、あくまでも自然体である。これはチャンスと写真と動画を撮影し、散歩を続けようとしたら、中学生の女の子が帰宅途中だった。つい、
「カモシカいるよ、ほら、そこ」
と教えてあげたら、斜面を見上げ、
「怖っ」
と言って去って行った。
まあ、野生動物は怖いんだろうなぁ。