やはりこの人の著書にはいつも唸らされる。
信田さよ子 (臨床心理士)
web春秋で、連載中の「家族のゆくえは金しだい?」 こちら
自分史の中に、あぁ こういうことあったなあ と琴線に触れることだらけ。
**引用**
「中学受験のために○○塾に通うんでしょ?」
いつもこうやって質問形を用いることで、母はイエスという回答を導き出す。
自分の意志どおりにユカリさんを動かすそんな質問形が、どれほど日常的だったかに気付いたのは、ユカリさんが出産してからだった。
「あんなお菓子欲しくないでしょ?」「近所の高校になんか行きたくないわよね」「ママがこんなに一生けん命努力しているのがわからないわけじゃないわよね」……
**
●●したくないよね?
●●ほしくないいやろ?
なぜ疑問形で訊くんだろう?
したくないね?ほしくないね?と聞かれたら、はい、したくない、ほしくないとしか答えられないではないか
ウチの母の場合は、否定形の疑問文だ
「あそこにあるお菓子いらんやろ~?」
「●●行きたくないやろ~?」
「アッちゃん、●●したくないやろ~?」
この人って、いつも否定疑問文で訊いてくるなあと気づいたのは4、5年前(遅すぎか!)
このように聞かれると、なんか不愉快。
そして、とうとう去年の春。
母の退院の手伝いによびつけられて、兄とはるばる母のところへ飛行機で出向いたときのこと。
兄が、
「おふくろ、年齢も年齢で病み上がりで、独り暮らしだし。これからどうするか考えているのか?」
と尋ねたら
アッちゃん、ワタシと暮らすのイヤやねんな?
私の中で、なにかが終わりました。