「父母」という言葉を使わず、「親」に統一するという法律が国会に出されましたが、私は反対です。家族を守ってくれる父親には威厳があります。子どもの良き理解者である母親は、どんな人にとってもかけがえのない存在です。
時代が変わっても、父母のそれぞれの役割は変わらないと思うからです。 大乗本生心地観経巻第二報恩品に「父に慈恩あり、母に悲恩あり」というお経があります。「慈恩」というのは「厚い情」ということですが、説明が難しいのは「悲恩」という言葉です。
そのお経でも「若しわれ世に住して一劫(いちこう)の中に於て説けども説き盡すこと能はず」と述べています。「一劫」とは43億2000万年のことです。それだけの歳月をかけても、深い意味を語ることはできないというのです。
母親の愛は海よりも深いということなのでしょう。 黙っていても、子どものことをフォローしてくれるのが母親なのです。出来の悪い子ほどかわいいといいますが、全てを受けいれてくれるのです。父母があっての私たちですから、その言葉を無くすということには、私は反対せざるを得ません。
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