目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

トムラウシPart2~ナキウサギ登場

2011-08-01 | 山行~北海道

Part1のつづき

14:00トムラウシ山頂を後にし、北沼に下る。沼の周囲4分の3くらいを雪が覆い、絵になる風景だ。

 

004_062 残雪と北沼

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左:エゾコザクラ 右:エゾノツガザクラ

北沼の荒涼とした一帯を過ぎると、一面のお花畑が現れる。それまでもお花は点在していたのだが、ここはもうまさしく花のじゅうたんで壮観。白い花が圧倒的に多いが、ときどきエゾコザクラがなかなかのボリュームで色を添えてくれる。ちいさくてかわいらしいツガザクラも咲いている。

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ロックガーデンを下る山の神

ロックガーデンにさしかかり、下る手前で一休みする。ここにはナキウサギが棲息している。人気を消して、しばらく待たないと姿を現さないらしいから、じっくり腰を据えていないとだが、どうしようか? まだ時間はあるし、ヒサゴ沼を目指し帰路に探そうかとなった。

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2点とも:日本庭園

15:05ロックガーデンを移動していると、前方におばちゃん2人組が歩いていた。向こうも相当急いでいるようで、追いつきそうで追いつかない。歩きにくい岩場を越え、これまた歩きにくい日本庭園に入る。雪が残っていて一部庭園を覆っているが、たしかに日本庭園のような趣のある場所だ。池や岩や植物が人工的に配置されたような錯覚に陥る。

006_076 ヒサゴ沼

早足で歩いて、15:55ヒサゴ沼のビューポイントに着いた。先行していたおばちゃんたちにここで追いつく。話を聞くと、今日はヒサゴ沼のキャンプ場に泊まるとのこと。もう着いたも同然だからここで休憩よと。私も先年層雲峡から大雪を縦走したときにここにテントを張った。このヒサゴ沼はそのとき非常に印象に残り、山の神にも見せたいと思い、こうしてここを再訪することになったのだ。

15_087_2さあ、ゆっくりはしていられない。テント場に戻るそろそろタイムリミットだ。16:05腰を上げ、来た道をバリバリ引き返し始めた。 

日本庭園を越え、16:45頃ロックガーデンにたどりついた。ちょうど上りに差し掛かったところで、ピッ、ピッ、ピッ、とかん高い声が響く。おお、これは間違いなくこの辺りにナキウサギがいるなと私。姿を現すまで待ってみようか。

ところが待つまでもなく、岩の隙間からすばしこく出てきた。ちょこんと岩の上にのる。微動だにしない。近づいていって、シャッターを切った。逃げないからもっと近づいてやれと急接近すると、俊敏に岩の上を走り、隙間へ逃げ込んでいった。今度は後ろのほうからピッ、ピッ。いた。こっちだと指をさす。山の神も振り返る。ここロックガーデンにはナキウサギがいっぱいいるのだ。山の神も私もナキウサギ登場に感激し、名残惜しいがゆっくりもしていられず、ピッ、ピッと聞こえる鳴き声を背に岩場を登リ返した。時刻も夕暮れで日がかげってきたから、ナキウサギが出てきたのかもね。

17:50テント場に着いた頃には、もうくたくたになっていた。今日の行動時間は今までで最長(2番目か?)に近い。テント場には、われわれのテント以外にもうひと張り設営されていた。お仲間大歓迎だ。 

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左:朝の雲海 右:テント場

翌朝は5:00起床。テントから外に出ると、かなり冷え込んでいた。持ってきたフリースを着込む。目の前には雲海が広がっていた。お仲間だったもうひと張りのテントは撤収中で、もう出発だ。

われわれは今日は下るだけなので、のんびりしていた。6:54に下山開始となる。

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左:カッコウが鳴いていたトムラウシ公園 右:アイゼンを装着する山の神

トムラウシ公園の辺りで、昨日同様にカッコウが鳴いていた。まだデビューしたてなのか、情けないくらいの調子っぱずれで鳴く。澄明な空気の中、まさに場違いのカッコホ、カッコホと語尾が下がる滑稽な声が響き渡っていた。

そのトムラウシ公園先のピークで休憩し下り始めると、登ってくる、登ってくる。グループあり、夫婦ものあり、団体のツアーありと平日とは思えない人数だ。そのうち上りのときに苦しめられた長い雪渓が始まる。でも今度は下りだからアイゼンを装着して、サクサクと進む。

下降とともに暑くなってきて、11:48登山口の駐車場に到着した。

Part1に戻る
十勝岳へつづく

コメント
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