井波の道の駅(井波彫刻総合会館がある)に鎮座していた大きな木像たち
Part1のつづき
結局天候の回復は望めず、能登半島をめぐった。そして最終日は和倉温泉と思ったのだが、手ごろな料金の旅館はすでに予約でいっぱいで、検索地域を広げてじゃらんや楽天で調べまくり、庄川温泉郷、鳥越の宿 三楽園に予約を入れた。砺波市にある宿だ。格調高いご立派な部屋と温泉でくつろぎ、おいしいものをいただいて至福の時を過ごせた。
翌日チェックアウトしたらまっすぐ東京に帰るつもりでいたが、山の神が井波彫刻総合会館に行きたいと言い出し、寄り道することになった。
この寄り道は予想外に充実したものになった。南砺市にあるこの井波地区は、知る人ぞ知る彫刻の街で、内外から彫刻家が集まってきている。もともとは、国宝に指定されている瑞泉寺を飾り立てている彫刻から始まったようだが、欄間の透かし彫りや、衝立、置物としての獅子頭や鯉などの伝統彫刻、そして現代ふうにアレンジした彫刻、たとえばギター等と、あらゆるジャンルの彫刻がここで生み出されている。井波彫刻総合会館には、これら地元で制作された作品が展示されていて、いわば井波彫刻の見本市になっている。なかなかの値札が付いているが、展示作品は販売もしている。彫刻の実演もしていて、充実した内容だ。
彫刻ついでに国宝の瑞泉寺も見たくなり、井波彫刻総合会館から指呼の間にあるこの寺へ車を移動させた。立ち寄った8月22日(月)は、ちょうど境内で彫刻イベントをやっており、制作中の現場を見学することができた。巨木から作品を削りだしている様は、まさに木に命を吹き込んでいるように見える。完成予想図ならぬラフスケッチが各アーティストの前に掲示されているので、現状ここを削っているというのがわかる。海外からのアーティストも大勢参加していて(井波在住?)、国際色豊かなイベントだった。ただ気になったのは、チェーンソーで切り出している人が結構いて、工事現場のような喧騒だったことだ。
旅の最終日の印象が非常に強かったけれども、その前日には能登半島をぐるりとめぐった。大賑わいだった輪島の朝市は楽しかった。魚の干物や岩のり、いしる(魚醤)、漆器などがとにかく安い。お店を出しているおばちゃん、おばあちゃんたちの威勢のいい客引きにおそれおののきながらも、あっちもこっちもと欲張って見て回った。活気に満ちた場所は、こちらも元気になるから不思議だ。
そして千枚田。ポケットパークから海岸線を覗くと、一面田んぼのひだひだがつづく。最近有名になったせいか、観光客だらけだった。
海岸線をひたすら走って能登半島の先端へ移動すると、そこには禄剛崎(ろっこうざき)灯台がある(Part1に写真)。道の駅狼煙からちょっとした散策コースがあり、広々とした敷地の灯台にいたる。バスツアーの面々も灯台への道をあがってきた。
半島の先端を回って飯田を過ぎると、見附島がある。海上にぽっかりと岩が突き出ている。干潮であれば、波にさらわれることなく、島に行けそうだ。何か不思議な風景、奇観だね。
ほかに能登金剛で遊覧船に乗って、巌門を見たりしたけど、やはり登山の醍醐味に比べれば物足りない。能登をめぐって、それなりに楽しかったんだけどねえ。次回は4度目の北アルプス計画になるのだが、晴れてくれるのだろうか。