目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

京都観光2日目~貴船・鞍馬・圓光寺

2017-12-10 | まち歩き

2017年11月4日(土) 晴れ

行程 花喜屋(五条坂)--貴船--鞍馬(昼食)--曼殊院--圓光寺--詩仙堂--花喜屋--京町家イタリアンろんくす(夕食)--花喜屋

2日目は、山の神が常日頃行きたいといっていた貴船・鞍馬だ。昨日買っておいた「鞍馬・貴船日帰りきっぷ」(¥1800)でまず市バスに乗り、四条京阪へ。京阪電車で終点の出町柳に出て、叡山鉄道に乗り換え、貴船口へ向かった。このきっぷは、地下鉄は使えないものの、市バス、京都バス、京阪電車、叡山鉄道が1日乗り放題なので便利だ。地下鉄が使えないので、宿泊場所によっては、使い勝手が悪いかもしれないが、山の神と私にとっては、好都合なきっぷだった。

叡山鉄道貴船口駅からバスに揺られて、4,5分ほどで貴船神社の入口にたどりつく。そこから旅館や茶屋などが軒を連ねる沢沿いを歩いていくと、やがて朱色の大きな鳥居が迎えてくれる。バスで移動してきた人の群れが思い思いの足取りで、灯篭が立ち並ぶ石段を上がっていく。

境内にたどりつくと、絵馬発祥の由来が書かれた案内板と馬の像が目を引く。ここが絵馬の始まりで全国に広がったそうな。

 
左:貴船神社本宮への参道 右:本宮下にあった絵馬発祥の記念像

境内には東屋ふうの建物があり、紅葉を愛でるには、高さといい、紅葉との距離といい、ちょうどいい場所だった。柱や手すりに囲まれた四角の枠を通して見ると、一幅の絵画のように見える。

 
左:色づき始めた木々 右:本宮ではなんと結婚式がちょうど始まった

本宮では、結婚式が行われていた。へえ、こんな格好をするのかと、巫女さんたちのいでたちをしげしげと観察してしまった。ギャラリーも大勢いて、興味津々でみな野次馬よろしく眺めていた。幸せのおすそ分けをくださいと、賽銭を投下。

 
左:奥宮 右:奥宮にまつられていた船形石

本宮から奥宮へと散策する。途中にある中宮には、平成になって偶然見つけたという岩に「天乃磐船(あまのいわふね)」と名づけて、展示していた。どうなのかな、こういうの。あまり突っ込まずにおこう。

奥宮には由緒正しき(たぶん)船形石があり、帆に見立てた御幣が中央に立てられていた。筒状のものがいくつもぶら下がっているが、これはろうそく立て。火をともしたら、きれいだろうな。


鞍馬寺山門

貴船を後にし、叡山鉄道で鞍馬へ。駅を出ると、鞍馬の主、天狗が迎えてくれる(冒頭写真)。山の神と人の流れについていくと、前方に鞍馬寺の山門が見えた。こんな山の中なのにすごいボリュームで迫ってくる。学生時代に一度訪れているのだが、こんなに大きな門だったとは。山門では、道が崩れていて奥の院や貴船への通り抜けはできません、霊宝殿までですと案内していた。すでに貴船で、鞍馬への道は通行止めと書かれた標示を見ていたので、覚悟はしていたけれども、まさか行くつもりでいた木の根道を1ミリも歩けないとは。木の根道は、あの義経が常日頃修行も兼ねて歩いた道、山の神にもだいぶ吹聴してきただけに意気消沈する。

参考:鞍馬山内案内

 
左:本殿横で休憩 右:昼飯は駅近くにあった「くら満荘」の半月弁当。2つ合わせて満月弁当! 1膳¥1620

山門から上がってすぐにケーブルカーの駅が出てくるが、ケーブルカーに乗ってしまっては、来た甲斐がないというものだ。九十九折の参道を歩いてこその鞍馬寺。山の神と黙々と、時には昼飯をどこで食べようかなどと雑談を交わしながら登っていく。本殿にたどりつくまでに印象的だったのは、由岐神社の階段、そして門の先に見える杉の巨木の威容だ。異世界に来たぞと思わせられるほどの奇妙で圧倒される構図で迫ってくる。中門を過ぎると山懐の深さを嫌というほど感じさせる。

本殿に到着すると、お参りのための長い行列ができていた。並んで正面からお参りしなくとも、横からでもいいんじゃということで、山の神と行列をパスして本殿に入った。参拝してひと通り堂内を眺めた後、裏手へ回って霊宝殿へ向かう。本殿から霊宝殿は、指呼の間といってもいいくらいあっけなく到着する。古びた建物で、しかもこんなお宝がありますよという宣伝もなく、お金もかかるというんで中に入りたいという意欲はまったく湧かなかった。さしたるものはなさそうだよなと、山の神と見ずに引き返すことにした。その敷地内には、与謝野晶子の書斎、冬柏亭がひっそりと移築されていた。

お山を下りた後は、昼飯だ。ソバではないものがいいなといっても適当なところがなく、どうしようかといっていると、駅近くで幟が見えた。どうやら昼飯にありつけそうだと近づいていくと、メニューが出ていて、よさげな感じ。さっそくそのお店、くら満荘に入った。高そうだけれども、おいしそう。半月弁当を2つ注文した。でも半月とは風水的によくない。出てきたときに合わせれば、満月だとおふざけ半分に並べて撮ったのが上の写真。見た目以上に、味もよかった。


圓光寺「十牛の庭」で京都の秋を堪能

鞍馬のお次は、曼殊院へ。小さな桂離宮というキャッチフレーズに惹かれ、バス停からかなり歩いて、期待を膨らませながら行ったのだけれど、その期待はいとも簡単に裏切られた。、特筆すべきことはない。一部建物が修復中で残念ではあったけれども、仮に修復が終わっていたにしてもどうかと感じてしまった。最低だったのは、禁止事項を書き連ねた貼紙がやたらとあったこと、抹茶が飲めるお茶席の用意もあって、どうしようかと迷っていたら、お茶を飲まないなら、ここには入らないでくださいと強く言われたこと、その場にそぐわない音楽が流れていたこと(声明だったかも?)、金儲け主義的な展示販売物が多いこと、などなどだいぶ引いてしまった。門跡なのに、失望。

そこから歩いて詩仙堂へ向かう。途次、人が吸い込まれていくお寺があった。きれいでよさそうだと、山の神と私もそこ、圓光寺に立ち寄ることにした。このきまぐれは大正解だった。このお寺の始まりは徳川家康の時代の学校というから、京都のなかでは歴史は浅い。けれども、寺全体がまるでひとつの美術作品のようで、見るものすべてが美しい。石が乱杭歯のように突き立っている奔龍庭。入ってすぐのあでやかな襖絵、そしてだれもが見入ってしまう十牛の庭、応挙竹林を抜けて高台に上がると、洛北の街並みを見渡せる。敷地はそれほど広くなく、コンパクトながら、そこに凝縮された芸術品の数々、お奨めです。


圓光寺の高台からの眺め


応挙竹林

詩仙堂へ移動しても、先ほどの圓光寺の残像がちらついた。あのまま宿に戻ってもよかったかもなあといいつつ、せっかくだからとほんの少しだけ足を延ばしてやってきた。庭を見渡せる狭いお座敷には観光客がずらりと座っていて、人気ぶりをうかがわせる。でも、先ほどの圓光寺のほうが私には断然よく思えた。

建物を出れば、庭のなかも歩ける。往時石川丈山が散歩したであろう庭木の間を縫って、紅葉の始まった木々を眺め、詩仙堂を後にした。

 
2点とも:詩仙堂

疲れたなと一服できるところはないかと、最寄の叡山鉄道の駅、一乗寺へ向かう中、喫茶店を探しながら移動した。一乗寺といえば、学生街で、安い喫茶店、個性的な喫茶店があるだろうと期待した。しかし3連休中なのに意外にもお休みだったりで、山の神と私の足取りは重くなるいっぽうだ。そのうちうらぶれ気味の店が営業しているのを見つけた。店内を覗くと、ひとりも客がいないし、年配のマスターがひとりで切り盛りしている。まっいいかと入ったのだが、小腹が空いたからケーキでもと思ったら、ないですと返され、がっくり。結局山の神と私がくつろいでいる間に、客はひとりも来なかった。店を出ると、こぎれいな喫茶店が出てきて、さらにがっくり。急いてはコトを仕損じるだ。

一乗寺駅から混み混みの電車に乗り出町柳に戻り、京阪に乗って四条へ。そこから市バスで五条坂の宿にいったん戻って、休憩したのち、ごはんへとまた出発した。

お店は予約を入れておいたカジュアルな町家イタリアンのろんくす。店内には若者が多く、ちょっとカジュアル過ぎたかなというのが正直なところだ。手ごろな値段で食べられるのはいいけれど、ワインのバリエーションがなかった。町家を改装したレストランなので、それなりに京都らしい雰囲気は味わえたのはよかったが。

いよいよ明日で京都滞在も終わり。最終日は、国宝展と祇園をどりを見に行った。

3日目国宝展・祇園をどりにつづく

 

 

 

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