目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

山の神高原ホテル山の神小屋

2019-01-19 | 山雑記

先日山の神高原の山の神小屋に泊まった。正式には山の神高原ホテル山の神小屋だ。なんのこと? ほんとうの名前を書くと、またこのブログはグーグル八分に遭いそうなので、あえて仮名で記すことにします。

これから批判をつらつらと書くわけだけれど、この宿の口コミはよく、評価が必ずしも悪いわけではない。なぜか? それはこの宿が強調している、「われわれは山小屋である」ということに、皆、目を曇らせられているからだ。

そもそも私の知る限り、この宿は山の神小屋を名乗っていたはずなのに、いつのまにか、山の神高原ホテルと名乗るようになっていた。私はてっきり、改装してグレードアップしたのだと思った。実際泊まってみて、それは客寄せのための詭弁にすぎないとわかった。

 
左:山の神高原ホテル山の神小屋 右:6畳の客室。これでも一応ホテルです

まず、チェックイン時。フロントには、「食堂にいますので、声をかけてください」と掲げてあった。2階の食堂まで階段を上がっていくと、食堂の入口の扉に「準備中」の貼紙がデカデカとあって、人がいるようにはまったく思えないほど真っ暗だった。

しばらくフロントのある1階のテーブル席で待っていたが、一向に従業員が姿を現す気配はなかった。やがて別の泊り客が来て、どこかで従業員を見かけたら、声をかけますよと親切にも気にかけてくれた。やはり食堂にいるのではないかと山の神が「準備中」の貼紙をものともせずに、ずかずかと食堂に入ってみると、女将らしき人がいた。

ようやくチェックイン。部屋に入ると、山小屋そのものだった(右上写真)。6畳間にシミだらけのじゅうたんが敷かれ、真ん中にこたつ。壁は上のほうが若干崩れていて補修の跡はなし。テレビがついているのが唯一ホテルらしいか。山の神のたっての希望でトイレつきの部屋にしたのだが、座ると冷たいし、水の流れが悪い。後から知ったが、共同トイレのほうが設備はよく、ウオシュレット付きだったようだ。

まずは風呂へ行ってくつろごうと、寒い廊下を歩いていく。ストーブが置かれているものの、われわれの滞在中に火を熾したことはついぞなかった。冷え冷えした脱衣場(暖房器具が置いてあり、これは脱衣場を使う人がスイッチを入れるのがルールのようだった)で服を脱ぎ浴室へ。ガラスがくもって景色は見えないが、一応展望風呂なのだろう。明るくて開放的だ。体にざあとお湯をかけたのち、湯船で温まる。至福の時間だ。ここまでは。つぎにカランで体を洗おうとすると、お湯がしばらく出ない。追い討ちをかけるように貼紙がしてあって、蛇口からお湯を出すと、シャワーの出が悪いと書かれていた。完全に壊れたのか、シャワーは出が悪いどころかまったく出なかった。自分が使っているこれだけかと思ったが、隣も、その隣もダメだった。シャワーはないも同然だった。

18:00夕食の会場に行くと、ストーブが置いてあったのだが、山小屋のように冷え切っていた。カーテンなんてものはなく、外の暗さと寒さが忍び寄ってくる。食事は素朴な料理ときじ鍋が出てそれなりにうまかったが、華やかさはない。なぜそんな意地の悪いことをいうかといえば、1泊2食付きで14,000円もしたからだ。

何かといえば、山小屋ですからといいわけを言う割には、お金だけはしっかりとる。チェックアウト時には、使えるはずのカードが使えなかった。読み取り機が壊れているのだとか。ほんとうに山小屋だ。 


山の神高原ホテル山の神小屋の窓から日の出を拝む。こればかりは最高。

もっとも許せなかったのが、スノーモビルの貸し出しを1回5000円でやっていたことだ。雪原を歩いているときに爆音をたてながら、滑走していたのは、この宿のスタッフとその客たちだったとここに泊まって知った。なぜ下界と同じような人工音を、スキー場でもないここで、この自然豊かな場所で聞かなければならないのか。そんなアクティビティをこの地でやるのには反対したい。

これから行く人には日帰りをお奨めしたい。それか十分な予算があるのなら、もう1軒の宇宙基地の宿に泊まるか、あるいは山を下った湖畔の宿に泊まるか。湖畔の宿なら、同じ宿泊費で広くて清潔な部屋で寝転び、温泉とおいしいものを食べられる。

最後にひと言。この宿を全否定はしません。星を見る、日の出を見る、翌日もここを歩くという目的があるのなら、泊まってもいいのでは。でも率直に言ってコスパ悪すぎ。


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