雌阿寒岳 標高 1499m 阿寒富士 1476.3m 北海道
2007年7月11日(水) くもり時々晴れ
メンバー 山の神と私
コースタイム 7:55雌阿寒温泉コース登山口8:15--9:05四合目上部9:10--9:55八合目--10:20雌阿寒岳山頂--11:00阿寒富士分岐11:10--11:43阿寒富士(昼食)12:40--14:10オンネトーキャンプ場14:30--15:20雌阿寒温泉
前泊は、桜ヶ丘森林公園キャンプ場。平日でしかも気温が10℃くらいしかなかったせいか、テントを張っている人は極端に少なかった。4:40起きだしてみると、小雨が降っている。予報では晴れ間が出るといっているので、予定どおりテントを撤収して雌阿寒に向け6:45キャンプ場を出発した。
道すがら一般車両が入っていけない湖、パンケトーとペンケトーのふたつが見られる双湖台に立ち寄ってみた。霧雨が降っていたものの、その姿を遠望できた。この2つの湖は、ヒグマ生息域につき、登山道はつけられていない。そんな湖だけにちょっと神秘的ではある(注:パンケトーには関係者だけが通行可能な林道がつけられている)。
阿寒湖畔のコンビニで昼食の買出しをし、雌阿寒温泉の登山口には7:55到着した。ここには立派な駐車場やトイレがある。山の神と私の到着直後には登山者の団体バスがやってきて、たちまちにぎやかになった。
手が冷えるなと軍手をはめる私。隣では風除けにとヤッケをはおる山の神。薄ら寒いなか歩き始めると、もう下ってくる集団がいた。雌阿寒温泉を2:00に出発し山頂まで行ってきたという。いまは白くガスっているが、山頂ではちょうどガスがはれたとか。われわれもそうなってくれるといいのだが。いまはガスがたれ込めている。
登っていく団体も前後に2組。皆おしゃべりに夢中で、たいへんにぎやかだ。比較的登りやすい百名山だから、人気の山なのだ。樹林帯を抜け、ハイマツの植生に変わった四合目上部でひとまずザックを下ろした。するとエゾシマリスが山の神と私の到着に驚いて、ハイマツの中に逃げ込んでいった。
そのうちハイマツもなくなり、ガレ場になる。八合目で一息入れて、あとは一気呵成に直登。残念ながらあたりは白くガスっていて、何も見えない。風でうっすら青空が透けて見えることもあるが、すぐにまた真っ白けだ。
10:20雌阿寒岳山頂。濃いガスに包まれている。先着様が去ったあとに写真を撮って、すぐに出発した。
下り始めると、青空が一瞬出る。一気に晴れるかと思ったら、またガスが流れてきた。11:00阿寒富士への分岐まで下り、そこで休憩にした。そここに咲き始めたばかりのまだみずみずしいイワブクロが山の神と私を迎えてくれた。
左2点:阿寒富士山頂 右:雌阿寒岳の山頂だけがかろうじて見えていた
一歩踏み出すと半歩ずり落ちるような、砂礫の歩きにくい道を一気に上って11:43阿寒富士山頂に達した。残念ながら白いガスに視界は閉ざされ、何も見えない。昼飯を食べているうちに晴れるかもねと半ば諦め気分で腰かけていると、みるみるガスが風に流されていく。隣の雌阿寒岳が目の前にどかーんと現れた。そして雌阿寒から視線を移動すると、そこには見事な大雲海が広がっていた。絶景だ。
奇跡的に雌阿寒岳のガスがはれた。火口からは蒸気が勢いよく噴き出していて、その音が阿寒富士山頂でも聞こえる
山の神も見とれた一面の大雲海
阿寒富士から下りて、振り返ると黒々とした山容が目の前にあった
思わぬ僥倖に下山が遅れてしまった。いつまでも雲海を眺めていたい気分には逆らえず、結局山頂には1時間くらい滞在してしまった。12:40重い腰を上げた。ふと雌阿寒を見やると、いくつもの点が斜面を移動していく。団体さんたちだ。先ほどまでのガスが嘘のようにその小さい点がはっきりと見えている。
八合目の分岐から阿寒富士を回りこんでいく。しばらくは森林限界を越えた気持ちのいい道が続く。コマクサやメアカンキンバイ、先ほども咲いていたイワブクロの花が次々に登場する。花いっぱいの砂礫地を通過していくと、今度はジメジメした森の中に突入していく。
暗い森を抜け、14:10オンネトーキャンプ場に到着した。水辺は蚊が多く閉口したが、エメラルドグリーンの湖面が美しく、蚊の存在も忘れるほどだ。透明度も高く、一見の価値がある。
しばらく休憩して14:30オンネトーキャンプ場を後にする。すぐのはずの分岐がなかなか現れず 、いらだったせいもあってか、そこからの道のりが非常に長く感じた。昭文社の山地図では、「歩きやすいハイキングコース」と記されていたが、そんなことはない。手入れがあまりなされておらず、倒木はあるし、ヤブ漕ぎにはなるしでなかなか大変な道だった。ただ地図は2000年版の古いものだったので、もうその記述は削除されているのだろう。
15:20雌阿寒温泉の駐車場に到着した。ピストンの登山者が多いのか、広い駐車場はがらんとしていた。