目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

神居尻(かむいしり)山

2014-08-05 | 山行~北海道

001img_7600 標高 947m 北海道増毛山地

2014年7月21日(月・祝) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:40森林学習センター登山者用駐車場8:00--Aコース--8:47林道出合8:54--9:37稜線765m地点9:45--10:27神居尻山山頂10:31--10:50B・Cコース分岐--11:05 道標685m地点(昼食)11:40--12:10林道(一部通行止めにつき迂回)--12:33駐車場

7月19日(土)23:15に新潟を出航したフェリーは、翌20日(日)17時半頃苫小牧に着いた。そこから予定通り高速道を使って美唄まで移動。予約をしていた美唄ホテルスエヒロに19:15頃チェックインした。さあて腹が減ったと、ホテルのフロントで近所においしい店はないかと聞くと、「美唄名物は焼き鳥。人気の“たつみ”はどうですか。席が空いているかどうか調べましょう」と問い合わせてくれたのだが、あいにく満席だった。かなりの人気店のようだ。代わりに近所にあった和食の店“寿楽”へ。山の神とともにせいろ、天ぷら、海鮮三色丼がセットになった空定食をオーダーした。ボリューム満点で大満足だった。席は広くてゆったりスペース、くつろぐにはもってこいだった。

さて、7月21日は5:00に起床。昨晩ホテル近くのコンビニで買っておいた朝食を部屋でとり、道民の森へ向けて出発した。まずは月形のコンビニで昼食を調達。それから当別浜益港線に入り、ひたすら北上する。

一概に道民の森といっても、「道民の森何々地区」という標示がいたるところに出てきて、その広さに驚かされる。やっとお目当ての道民の森神居尻地区が出てきた。右折して、まっすぐ上がっていくと、終点に案内所があった。

 

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左:森林学習センター登山者用駐車場 右:Aコース登山口

7:20案内所に到着したのだが、登山口がわからない。どこだろうと、駐車場に車を置いて周辺を歩いてみた。たまたまそこにボランティアの年配の方がいて尋ねてみると、親切にも地図をもってきてくれる。その地図によると、登山口は案内所手前を曲がるのだった。

地図どおり曲がると、森林学習センターがあって、登山者用駐車場が用意されていた。すでに何台か駐車している。身支度をして7:40山の神とともに歩き始めた。車道を少し行くと、まもなくAコースの登山口が出てくる。

余談だが、この山の登山コースはA・B・Cと表記されていてまったく味気ない。ダケカンバコースとか、パノラマコースとか、何か名前をつければいいものをと思ってしまうのは、私だけではないだろう。でも強引に名前をつけると、スキー場みたいになるか。

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左:ダケカンバの美しい森 右:神居尻山小屋(避難小屋)と山頂

階段を上がっていくと、すぐにダケカンバの美しい森になる。そのうち単独者とカップルが下山してきた。キャンプ場に泊まっていたのだろうか。だいぶ早い下山だ。しばらく進むと登山道は林道と交わる。山の神といったんそこでザックを下ろした。ふと杭に巻きついたトラロープを見ると、セミの抜け殻があった。もしやと杭の裏側に回ってみると、羽化して羽を乾かしているエゾゼミがいた(冒頭写真)。夏だねえ。

稜線にあがるといっきに見晴らしがよくなり、気持ちよく歩ける。

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左:近くにはピンネシリが見える 右:気持ちのいい道が続く

間近にピンネシリが見える。以前はピンネシリへ向かう登山道があったのだが、いまは崩落しているようで、通行止めとなっている。

この辺りは風の通り道らしく、ダケカンバの幹や枝が風によって曲がりくねった造形を見せている。それを解説した案内板も登山道の傍らには立てられていた。

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左:神居尻山小屋(避難小屋) 右:神居尻山山頂

神居尻山小屋に近づくと、山頂付近に人影が見えた。B・Cコースからもだいぶ登っているのだろう。

10:27神居尻山山頂に到着した。年配の単独行のおじさんが山頂からの景色を独り占めしていた。360度のパノラマ。みごとだ。山はこうでなければ。明日登る予定の暑寒別岳もたおやかな山容を見せていた。

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暑寒別岳を遠望できる。上空には神秘的なハケ雲が出ていた

暑寒別岳を見た山の神いわく、山頂に雲がかかっているけど、あれは雨が降ってるかもね。明日はだいじょうぶかしら。たしかに日本海側だから海からの水蒸気が集まりそうだ。通年雨が多いのかもしれない。

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左:山頂からは急な下りが続く 右:背の高いタンポポの大群落

山頂は風が強く、おちおち休憩もしていられなかった。山の神と風が来ないところまで早く下ろうと、先を急ぐことにした。登山道には這いつくばるようにタカネナデシコがちらほら咲いている。やがてB・Cコースの分岐に到着。水分補給をし、Bコースに入る。単独者とすれ違いながら、下降していくと、指導標のあるちょっとしたスペースに出た(11:05)。カラスがうるさいが、ここで昼食にすることにした。少しして、7人くらいのパーティが登ってきて、賑わうことになる。

昼食後サクサク下っていくと、あっという間に林道に出た。しかし一部道が崩落しており、通行止めで迂回路をたどることになった。意外にもこれがラッキーだった。迂回路にはタンポポの大群落があった。一面タンポポの黄色い花。背の高い独特なタンポポで、風に吹かれて1株1株が思い思いに揺れている。何か神々しいといおうか、神秘的な光景をつくっていた。

 

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駐車場には、12:33に到着した。車はほとんど増えていない。みなさん違う場所に置いているのだろうか。

車にザックを積み、靴を履き替え、山の神と森林学習センター前の自動販売機へ向かった。何か飲んで木陰で涼んでから、雨竜ゲートパークへ向けて出発することにしよう。それにしても暑い。

13:00頃道民の森を出る。道すがら見つけたCOOPに入り、買出しをする。店頭にはメロンが大量に陳列してあり、さすがは北海道と山の神と顔を見合わせる。メロン1つ買っても食べきれないしなあと、代わりに大きなトマトを2つ買った。

雨竜ゲートパークへの道は舗装路と未舗装路が交互に出てきて、山深さを痛感させてくれた。狭い未舗装路では、山から下りてくる車何台もとすれ違うことになり、だいぶ難儀した。いずれ道幅を拡張したり、舗装したりするのだろうけど、それまではこの不便は辛抱しなければならないのだろう。

15:00頃雨竜ゲートパークに到着。テントを張っていると続々と登山者が下山してくる。暑寒別岳までピストンしてきたという背の高い30代とおぼしき人は、「10時間くらいかかった。水を飲みきってしまって、最後はバテバテ。水はいっぱいもっていったほうがいいですよ」と。通常12時間はかかるコースだから、この御仁はかなり早い。さあ、明日はわれわれの番だ。

「南暑寒別岳」へつづく
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