2006年7月2日(日) 曇りときどき晴れ |
メンバー 山の神と私
コースタイム 11:35登山口11:47--12:27鞍部12:32--12:46白雲山山頂13:00--14:15登山口
前日の7月1日3:00起きで、ひたすら関越を西へ移動。新潟発10:30のカーフェリー(写真右上)に乗り込む。行き先は小樽だ。ここから車で、トムラウシと十勝岳をそれぞれ1泊2日行程でまわる計画を立てた。まずは足ならしということで、然別湖畔の白雲山をめざした。
7月2日4:45下船。さっそく小樽市内のコンビニで朝食用のおにぎりを買い、大移動の開始だ。どこで朝ごはんにしようかと山の神と相談しているうちにだいぶ移動して、すでに時計は6:45。長沼町の道の駅マオイの丘公園でのんびりと朝食となった。ここにはキャンピングカーが何台も駐車していて、皆さんここでお泊りだったようだ。ちょうど起き出してきた人たちが、顔を洗っていたり、犬の散歩をしていたり、缶コーヒーをぐびぐびと飲んでいたりとそれぞれの早朝の風景が広がっていた。
日勝峠を越え、鹿追町に入る。目指す然別湖には10:15に到着した。朝食から3時間くらいしか経っていないのだが、小腹が減っている。湖畔のホテル風水を覗くと、レストランがもうオープンしていた。ザックには行動食程度しか入っていないので、山頂でごはんというわけにもいかず、豚丼¥1,050をオーダーして腹ごしらえをすることにした。然別湖を見ながらのランチはなかなか快適だった。
登山口のほうへ車を移動していくと、もう車がずらりと並んで駐車していた(写真左上)。登山口で入漁券を販売している人がいたので、この車列は登山目的というより、釣り目的なんだろう。
11:47登山口を出発する。ひと組の年配夫婦を追い越していくと、上から下山してくる人ふた組。尾根に出ると、気持ちのいい風が吹き抜けていく。ダケカンバの林は心地いい。
左:白雲山山頂からの然別湖。温泉地は湖岸の白いところ 右:白雲山山頂の岩場
鞍部で水分補給して、ほどなくして白雲山山頂に着いた。岩場の狭い山頂だが、眼下に然別湖が見える爽快な場所だ。ナキウサギが棲息していて、人がいなければ出てくるらしい。あいにくと、われわれ以外に親子連れやカップルなども山頂にいて、ナキウサギの登場はなかった。
13:00下山開始。あせりを感じるほど、天望山・然別湖の分岐までなかなか着かず、下る道を間違ったかと不安になる。その分岐から湖畔までも長く感じたのは、お散歩コース感覚で登ったせいなのか。でも皆そのように感じるのか、お隣天望山をカットして白雲山だけというハイカーは多いようだ。ほとんどの人が然別湖への道をたどるか、来た道を戻るピストンだ。登山というよりは、ハイキングなんだろうね。
ここで薀蓄をひとつ。ヤマケイの「北海道百名山」によると、天望山は別名くちびる山と呼ばれているとのことだ。形状がまさにくちびる。天望山そのものが上くちびるで、然別湖の湖面に映るその姿がちょうど下くちびるに見える。マリリン・モンローのあのくちびるの形だ。ちょっとした天然アートだね。
然別湖の湖畔に出て(写真左)、景色を堪能したあと、14:15車に戻る。
さあ、明日に備えて買出しだ。しかおい道の駅で産直トマト、セイコマートでパンやお茶を買う。それからはひたすらトムラウシ温泉を目指して走った。目的地に近づくにつれ、大自然の中へ突入といった趣になる。ブラジル移民のドラマをこの地でロケしたらしいが、いやホントまさにおあつらえ向きの原生林が続く。道は未舗装路に変わり、白い土ぼこりをまき上げながら進む。路面に凸凹なんかもあって、どんどん人間社会から遠ざかっていく感は募る。路肩に何かが出てきた。薄汚れた痩せたキタキツネだった。仄聞によると、人馴れしていて何かもらえるんじゃないかと道路沿いに顔を出してくるようだ。
トムラウシのテント場に到着。薄暗い鬱蒼とした森の中で荒れ放題だった。雑草がぼうぼうで、誰もいない。吉村昭の「熊嵐」が脳裏をよぎる。おお怖! 思わず山の神と顔を見合わせ、あかん、この場所は怖すぎだと逃亡決定。国民宿舎東大雪荘に逃げ込み、1泊夕食付きで泊めてもらうことにした。部屋は広く、温泉もゆっくりと入れ、メシもうまい。しかも安い。いつヒグマに襲われるともしれない、あのテント場と比べれば、まさに天国。