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10月から始まったNHKの朝ドラの「ちりとてちん」とか、囲碁講座のテキスト10月号の結城九段の「これが世界の新感覚」、それに私と息子の思い出話などなど・・・ミックスされてしまった感じです。
朝ドラの方はドラマの展開の伏線もかねて、いつも流れるカセットの落語
いつも同じ話ばかり繰り返されるのはどうしてかなとは思っていた
それと落語の声が桂米朝師匠の息子さんの小米朝さんの声に似ているなと感じながら聞いていた・・・これらは本筋外ですので置いておいて
小さな子供・小学3年生が落語を繰り返し聴いて面白さを感じる・そちらの方の感覚です。
「どうも最近の若い者は」ではないけれど、落語よりも漫才と言うかコント、いやもっとインスタントな一発芸みたいなものにしか反応しないように見える。
完全に私の偏見が入っているとは思うけれど、特に古典落語の方には反応が寂しい気がする・・・我が家だけかも知れませんが。
というのも、我が家の子供たちが小さな頃、寝る前にお話の本を読むか、お話をするのが私の日課でして・・・当時単行本のシリーズとかテレビドラマになっていた「大草原の小さな家」シリーズなどの本を読むとか、古典落語のネタ本本を読んでいた・・・のに。
多少は下地があるはずなんですが、それでも面白いと感じる場所と言うか感じかたが違うらしいのです
現代の生活とその落語が作られた時代背景がかけ離れすぎているという所は無理も無い気もするが、しかし私の子供の頃だってその点は大分違っていたはずだからそれが決定的な差だとは思えません。
ただ、その頃は娯楽が少なくラジオから流れる落語などの話芸を繰り返し聞いていたと言うのが決定的な違いだと思うのです。
さて話が変わりますが、家の愚息(なんだかんだともたもた生きているのですが)、どうやらホームステイで遠くに行くことになって来週出発と言うところまで迫って来ました。
観光と違って面倒な手続きもあったようですが、私は例によって見てみぬ振り・母親(女房殿)みたいに余計な世話は焼きません・面倒だし。
さてそんな息子の子供時代のエピソードを朝ドラの「ちりとてちん」と重ねて思い出すことがありました。
「面白い」と言うこと、「本当の面白さ」と言うことについて彼に話したことがあります。
彼も小さな頃から人を笑わせることが好きなひょうきんなところがある子供でしたが、そのことで釘を刺したことがあります。
マア、余計なことだったとは思いますが、人を傷つける笑いはいけないし、底の浅いものなど小さな頃から区別して欲しかった・・・
彼に話したのは
① シモネタで笑いを取るのは笑いを取るのは誰でもできそう・簡単みたいだが、直ぐに飽きられるし、笑いにも品みたいなものがある。
② 叩くとかのアクションも簡単だがこれも長くは続くはずが無い。これもどたばたするだけで飽きられる
③ 単なる駄洒落や言葉遊びとかだけだと底が浅い
ではどんなものが良いのかと言うと、それは示せなかったけれど・・・
独断と偏見で、「何処と無く可笑しみがあって、後で可笑しさがこみ上げてくるようなもの」
可笑しさと同時に怖かったり哀しかったり考えさせられるようなもの
最高のものは、その時はそれなりに面白いのだが、2,3日経ってから
ハタと「ああそうか」と言うような二重三重に底のあるような面白さ。
自分でもよく分かっていないのに子供の話していたものです
ともかく表面だけの面白さを追ってはいけないみたいに
さて、やっと結城九段の「世界の新感覚」に辿り着きました
これは万波佳奈四段が聞き手でご本人の嵌った話が題材だったり、あの韓国の強豪李世ドルさんの碁が題材だだったり・・・
話のストーリーとしては面白い
変化の棋譜がたくさん示されていて、丁寧に説明されている・・・しかし!
ネットで私のような素人レベルで、しかもクリックミスをした手を相手がとがめ損なったのとは分けが違います・・・
内容は大差ですが、解説の図を見てその時はそれなりに分かるような気がするのです・・・そこが解説の腕の見せ所なんでしょうね、ところが実は自分でも全然分かっていない気がします
単純に考えると、自分の実戦では絶対に無理
それに、私の相手がこれを仕掛けて来たとして、多分「クリックミス」としか感じないかもしれないのです・・・おそらくそうでしょう。
だから結城九段の解説は親切だし、プロプロで嵌る話など展開としては面白い
のですが、本当の面白さとか仕掛けの怖さなどが分かっていないレベルでの面白さでしょうね。
だからそういう内実ですから、簡単に面白いと言って良いのかためらってしまいます
勝負の流れと言う意味での、外からでも分かる展開としては面白いと言えるかもしれませんが、芸の深さと言う意味では・・・
さてさて「それが分かれば苦労は無い」「分かるくらいならザルをやっていない」まあそういうことです。
いろんなことが頭の中でミキサーにかけられたような話でした
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