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イエ、私の知識など当然たいしたことは無いのですが、話としては案外大切なことかも知れません。
「隅の基本的な生き死にに関する形」についてです。
一隅の影響力ですから盤全体の361分の何がしかの影響力に加えて周辺に及ぼすものがあるので、場合によっては勝負に直結するかも知れません
それはともかく[死活][手筋][定石]などなど実戦に役に立たなければ意味が無いわけで、”基本的な”と言う冠がついていると言うことは、実戦によく出る形ですと言う意味でもあるでしょう
さて、聞いた話では
その問題の形は実戦によく出来そうな形ですから作り物とは違います。
黒から打つと隅の白石の一団をセキにすることが出来ると言うのが答えらしい。
ところがセキ形を完成するには黒が最後に打たなければならない・・・
と言うことは[黒先で白地はセキ]なんだけれどこれは黒後手→従って黒は最後のセキを完成させる手を保留して、それを打つタイミングを考える・・・これが答えになるのが正しいみたいです。
白から見ても、最後に黒が手を抜いた場合セキ=白地0か白地を持って生きる=白地数目の差を考慮し尚且つ1線の両方向に何がしかの寄せが残る・・・
こうなると単なる死活の問題では無くなって来ているようです。
整理して考えると
この隅の白の形は白から1手手を入れれば当然地を持った生きだが、手抜きでも死ぬことは無い・・・しかも白が他に打った時に、この墨に黒が先着しても黒が後手ででセキにしないならば白は地を持って生きる可能性が残る=この場合数目の価値があるのだから打つタイミングに自ずと順序があるでしょう。
また黒がセキを完成させるまで打つのなら、白は元々手抜きして他方面に打ったわけですから、再び先手を得て他に打てると言うことでしょう。
さてこれは確かに隅ではよくありそうな形ですから[基本]に違いない
しかし「黒先の詰碁」と言うにはどこか違和感を感じる・・・しかし、死活と寄せと言う面では基本的な問題とも思えます。
強いて言うならば「白は手抜きで死んでいない」と言う問題ですね。
もし後手でいいのなら5目ほどの大きさの生き+外に数目の寄せ
「詰むや詰まざるや」と言う本を思い出します。
全てノーヒントで、黒から打って白が死ぬものやら、生きているものやら・・・はたまたコウで、どういうコウか?
生きているのならどう打つのが最善なのか?
まさに実戦みたいだと思うのです。
実戦には盤上にヒントなど出ていませんから。
その聞いた話の問題は「詰め碁」と言うにはどこか「?」がつく気がするのですが、総合的に考えるには良い問題だとは思うのです。
これを「黒先白セキ」と言うと何だか違和感が漂うと言うことでしょう。
ところで私の実戦では、「私の先番でも相手には生きのある所」を必至になって殺しに行ったり(つまり多少の損など省みずに)、自分の死ぬはずの無い石が一手ばったりで死んでしまったり、そんなことを「戦っている」と思い込んでいるのは自分だけで周りの人から見れば「馬鹿なオッサン」をやっていると映るのにに違いない。
そういうことは日常茶飯事だから、この年になっても基本が身についているとは言いがたいのです。
先日も2つも大チョンボをしました。
① 例によって地を稼ぐのが好きで薄い石が出来て攻められるのですが、これを大過なく凌げなければ最初に遡って「稼いだ意味」が無くなる。
ところでもう一歩突っ込んで考えれば、さして難しくも無い手筋で生きが有ったのにのに俗手の連発で死んでしまった。
まるで自殺行為ですね
② 同様に相手の大石を2手差で取っている筈なのに、受け損なって1手負けにしていたり・・・
全く情け無い話です。
この場合基本の形の理解度以上に、盤を前にした「基本の思考態度」です
但し余りにアホな負け方ですので、「それ程アホでも無くて、そこそこなアホ」と言う自己弁護と、若干自慢話をしたいと言う気持ちで・・・
勿論素人の勝った負けたですから、勝負が決まるところが高段者とは違う
その碁は私の先番で好きな形で立ち上がった・・・
白さんのかかりに大きく挟んで、白は両がかりで黒は3三を打ちつつ包囲した白を分断して戦う形。
これでえ隅は白から攻められても最低の2眼は有るのが眼目で、黒の隅には死にがないのですから外は思い切って戦えるはず・・・
さてこういうのが好みなんですが、その時ふと思ったのです
『白が隅の黒に利かしを打ったとき正しく受ければ死には無い。しかしもし手抜きをして黒を攻めている白を外から攻める手を打てばどうなるか? 白も目が無いから当然攻めあいになり、戦いは白勝ちでせっかく3三に先着した黒は死ぬ・・・が攻め取りだし外に完璧と思える壁が完成するはず・・・』
これはプロなら当然考えるでしょう、しかしこちらはザルのジイサマですから、実行するには相当勇気が要ります。
勿論読みの裏付けみたいなものがないと打てないわけで・・・持ち時間を相当つぎ込んだ。
ネット碁での持ち時間はヤヤ変則で5分ルールがある(余りの長考と言う意味不明な行為を防ぐため持ち時間内であっても1手5分を越えてはいけない)から45分を一気に使うことは出来ませんが、それでも・・・
おかげさまでこれが大ヒット
いや、相手の気分としては嵌った感じだろうな?
「カイセン和尚の大塗り」と言うか、あれの2倍はあるでしょう。
ともかくボケジイサマと油断は出来ないぞということは示せたかも
もっとも私が上手くやったと言うより、相手が失敗したと言うことなんだろうから余りに自慢するは恥ずかしい限り・・・いやもう言ってしまった
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