現代の政治家は先生と呼ぶ職業なのだろうか?
世の中には先生と呼ばれる職業がいくつかある。
もっとも判り易いのは学校や塾などの先生で、更に医者や作家や漫画家なども先生と呼ばれる。
また弁護士や税理士など専門職の人も先生と呼ばれることがある。
これらの職業は、先生と呼ばれる人間と、呼ぶ人間が対照的な関係にある。
一方が圧倒的に知識・情報を持っていて、もう一方が教えを乞うという関係が成り立っている。
先生と呼ばれる職業にもう一つ政治家がある。
政治家はなぜ先生と呼ばれるのだろか?
特定の人が下について勉強をするという構図はあるが、政治家の秘書は給料を貰っているので上司と部下と
いう関係である。
更に有権者と政治家の関係は対照的であってはいけない。
では政治家はなぜ先生と呼ばれるのか?
政治家が先生と呼ばれる理由は明治時代に端を発すると言われている。
明治時代に入り日本が近代化を成し遂げると議会制民主主義が始まる。
地方選出の議員が東京へやって来て議会へ参加するようになる。
その際、地元の若い人間を呼び寄せて、身の回りの世話をさせたり、学校に通わせる。
あるいは勉強をその場で教えるなどして世話をすることがあったそうだ。
いわば学校の先生のような役割を政治家が担っていた時代があり、そのため政治家は先生と呼ばれるようにな
ったようだ。
つまり、昔の名残りである。
現代に於いては、マスコミなどは〇〇先生とは呼ばないし書かない。
一番不思議に思うのは、政治家同士がお互いに〇〇先生と呼び合うことに、強い違和感を感じる。
お互いに敬意の意思表示なのかもしれないが、傍で聞いてると不快感を覚える。
「先生と呼ばれるほど馬鹿じゃない」という諺がある。
先生と呼ばれて気分をよくするほど馬鹿ではないということである。
また、先生と呼ばれていい気になっている者を嘲笑して言う言葉である。
そう考えると、政治家が先生と呼ばれるのも、まんざら解らないでもない(笑)
果たして、現代の政治家を先生と呼ぶに値する職業なのだろうか?