あまりにも暑い日が続いているが、あいかわらず朝日や報道ステーションはわけの分からないことばかり言ったり書いたりしている。
たとえばこちらの8月25日付けの社説の以下のくだり。
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それにしても、演説ではずいぶんたくさん日本へ言及されましたね。
「天皇に根ざした狂信的な神道があるので日本は民主化できない、天皇を裁判にかけないかぎり日本の民主化は失敗する。そういった意見が米国内にはあったけれど、日米が協力して民主主義制度のなかに天皇を位置づけた結果、より強固な民主主義が育った」
最近、米国内では、靖国参拝問題や慰安婦問題などで、日本の保守回帰が第2次大戦の正当化につながり、それがやがて米国離れを導く、といった懸念が出てきています。ひょっとして、「過去を直視しない日本」への牽制(けんせい)がもうひとつのメッセージだったのでしょうか。
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まずブッシュの演説の中で「民主主義制度のなかに天皇を位置づけた結果、より強固な民主主義が育った」とあるのに、なぜ「「過去を直視しない日本」への牽制(けんせい)がもうひとつのメッセージだったのでしょうか」という解釈につながってゆくのか不思議である。
根拠を示すどころか「ひょっとして」と書いているので、こういう書き方ならそれこそ何をどうとでもとれる。
まったく根拠なく書いている風には一般大衆には見えないのかもしれない。電車の中で読んだりするぶんにはなるほどそうかと思う人が多いのかもしれない。また書いてるほうも読者を馬鹿にして書いているのであろう。しかし、実際にはこれでは朝日が言っていることは全部違うと思うようになる人も少なくないだろう。
何より問題なのは、ブッシュがイラク統治に関して日本の戦後の民主化を引き合いに出すということは最近になって見られるようになったということではないことをどうやら朝日は知らなかったようであることである。
この演説に関しては「退役軍人会における演説」とだけ書かれていて、いつのものかまったく分からないが、ブッシュが日本を引き合いに出してイラクの統治の正当性を訴えはじめたのは自分が知る限りでも前回の大統領選挙の頃である。
その頃には日本のテレビなどでもこのことは指摘されていたはずだ。
そのことを知っていれば、「最近、米国内では、靖国参拝問題や慰安婦問題などで、日本の保守回帰が第2次大戦の正当化につながり、それがやがて米国離れを導く、といった懸念が出てきています」という話しとブッシュ演説の一部をこじつけることなどできるはずがない。
この演説の冒頭にある「とかく権力者は、自分の都合に合わせて歴史を解釈するものですが、ブッシュさん、あなたの見方も歴史のつまみ食いではありませんか」というのはしたがっていつものことながら朝日にこそ当てはまる。
だいたいにおいて「日本の保守回帰が第2次大戦の正当化につながり、それがやがて米国離れを導く、といった懸念が出てきています」という部分も一切具体的にどういう動きを指しているのか書かれていない。
もし議会の動きを指しているならそう書くべきであろうが、この書き方はそれを意図的に米国の世論全体のなかにそのような傾向があるかのような書き方で、一の話を十にも百にもする話の広げ方だといえる。
先日の報道ステーションではまるでイスラムの教育現場がすべからくテロリスト養成の現場になっているかのようなVTRをさんざん流したあげく、加藤が自衛隊の給油活動がテロ抑止にどうつながってるか考え直す必要があるなどと言っていたようだが、まったくそのつながりがわけ分からない。
自衛隊の給油活動がどのような意義を国内的、国際的にもっているのかいないのかということを調べて意見を言うのがマスコミの仕事だと思うのだが、まったく何も調べず、分からないまま、いいかげんなことを言っているのはあまりにも無責任だ。
少なくともブッシュ演説において日本とイラクが比較されていることについては、自分は納得していないが、朝日のようにあまりにも単純な事実誤認を重ねた理性を失った批判をしないためにはそれなりに慎重な議論をアメリカに対して行なって行くべきだと思っている。
たとえば朝日は「イラクのように占領後も反米闘争が続いている状況とは違います」と言うが「反米闘争」という言葉は日本においても用いられた言葉であるから、このような書き方ではイラクと日本の戦後の状況の違いを説明することにはまったくならない。
というかもしかして日本における反米闘争についても朝日は知らないようでもあるが、もしかしてこの社説は朝日の社員が書いたのではではなくて、朝日の社員が子供にでも書かせたのだろうか。
子供を相手に本気で怒るのも馬鹿らしいのでこの辺でやめるが、終戦記念日にNHKで放送された素人の討論番組でも「あなたは勉強不足だ」などとソプラノ歌手に対してやじっていたトンでもないやからがいたが、あまりにも無知蒙昧の朝日新聞やテレビ朝日に毒された知性も人間性も奪われた人間達が大声でわめいている中でひっそりと生きてゆくのはつらいとあらためて感じる今日この頃である。