普天間の移転の問題をめぐってはいろいろ情報は流れるものの決定的な情報はなく、岡田があらゆる可能性を匂わせているので全く闇の中のような印象だが、この週末の岡田の動きはどうもついに本音が見え隠れしてきたという感もある。
2週間ほど前のサンプロでも普天間存続の可能性を否定しなかったと思うが、この週末の岡田の言動は沖縄で現地の人に辺野古に地元が反対だと普天間移転が立ち消えでそのまま普天間存続の可能性があるということを積極的に言っているようだ。
なぜそんなことを言い出すのか分からないし、辺野古の海を守れと叫び続けた報道ステーションがそういうことを全く言わず首相がはっきりしないと言い出したのはおかしな話だが、岡田がはっきりとは言わないのであえて推測させてもらうが、これはどうも普天間存続と言う最悪の可能性が現実味を帯びてきた、しかもそれを地元民が反対だから移転の計画がぽしゃったと言い出し兼ねない情勢だ。
というより実際、そう言ってるわけだし、そもそも岡田がこの時期に沖縄に行って地元住民との対話なども一部テープがテレビ朝日に出ていることも考えると、これはわざと地元住民に辺野古移転反対を言わせてそのせいでこのまま普天間基地の存続をせざるを得ないということにするのではないか。
問題はアメリカの反応だが、アメリカは「辺野古移転以外ありえない」と報道されていることにも自分には疑問がある。
もともと普天間の移転はアメリカが言い出した事ではなく、むしろ日本が言い出したことだろう。アメリカとすれば普天間の方が何かと便利で都合がいいので普天間基地を存続できればそれに越したことはない、と考えているのではないか。
報道ステーションでアフガン支援、ペルシャ湾上での給油などとこの問題はパッケージだと古館は言っていたが、古館は鳥越に先週末、自分は京都大学に行ける頭にはならなかったと言っていたのでこれは全く何も考えずに言ったのだろうが、パッケージというより分かりやすく言えば普天間の問題は給油とバーターであったということではないだろうか。
ルースがいかったという報道もあるが、会談後のルースの表情や発言などを見てもそのような様子はなく、そういう情報もはっきり言って日本政府筋からの情報であろうからアメリカが怒るぐらい自分たちは頑張って交渉していると思わせるためのニセの情報である可能性も高い。
自分が見たところこれはもしかしてひょっとすると給油活動は停止する、その代わりに普天間基地の移転は無し、ということで日米の密約は出来ているのではないか。
その密約をごまかすためにわざと鳩山は発言を二転三転させ、岡田は口を閉ざし沖縄に行って地元民に辺野古移転に反対の意見を言わせているのだろう。そして辺野古移転に反対の意見が強いのでアメリカは移転そのものを白紙に戻したとして地元民のせいにして危険な普天間基地を存続させようという民主党の魂胆だろう。
なんでこういう自分には自明に見える猿芝居を打ってまで自民党がこれほど苦労してやっと合意にこぎつけた普天間移転を民主党がひっくり返そうとしているのか理解に苦しむが、ようするに沖縄の問題は給油に比べればウェートが小さいと思ったのではないか。
だいたいアメリカが給油活動停止をすんなりと受け入れたのは非常に不思議なことだと思っていたのだが、ようするにそれと交換に普天間の県外はおろか辺野古移転すらも地元民の反対のせいにしてつぶすという約束が出来ていたのだろう。
だいたい岡田は「交渉ごとだからあらゆる可能性を否定しない」とか言っていたが、普天間存続と言うのはありえない話しであるし、もしそういうことなら今までアメリカと交渉していた意味が全くなくなってしまうのである。
自民党政権時代、給油活動していた裏にはそうした国際貢献だか、アメリカの下働きだかをしているので普天間の移転を実現させようという意図もあったはずだがこれで全部パーになった。
小沢が国際貢献を叫んでいたことと矛盾したことばかりの信じられない転換だが、社民党も政権入りすれば村山のように大転換するかもしれないと思った鳩山はじめ民主党は社民党の歴史や現状がわかっていないとしか言いようがない。社民党はもう失うものがないのであってわけのわからぬ閣僚のポスト一つで言うこと聞くと思ったら大間違いだ。
いずれにせよ反対運動を逆手にとられた沖縄県民は全くみじめだとしか言いようがない。むろんすべて自分の勝手な推測に過ぎないし、はずれることを祈るばかりだが、あくまでも給油活動は続けて普天間は少なくとも県外移転、出来れば国外移転を目指すべきだったのではないか。