民主党の小澤一郎代表が一応事務所費の公開をしたが、いろいろ自分には疑問が残る内容だ。
まず事務所費といっても民主党のサイトにあるものはかなり大雑把なものでしかなく、領収書などはないし、土地に関する書類も東京のものだけのようだ。
ちなみにそれを見るとネットに関する経費がやけに高いと思ったりする。
報道ステーションや朝日の社説などはやはりこれを評価して、あくまで問題を指摘されている閣僚の事務所費公開を求めている。
もちろん問題を指摘されている人たちも公開すべきであるし、国会議員全員が事務所費の公開をするのが理想だが、いずれにせよ、小澤の事務所費公開で明らかになったことはようするに「政治資金規正法は抜け穴だらけだ」ということとマスコミが野党の肩をもってかばうなら国民というよりも「『マスコミに対する事務所費の公開』などは意味がない」ということではないだろうか。
ちなみに自分の意見はたとえばこちらの「続きを読む?」をクリックすると読める日大名誉教授の意見と重なる部分が多い。
さてまず朝日新聞は2月21日付け社説の中で以下のように書いている。
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公表した関係書類は厚さにして20センチにも及ぶ。短時間で精査するのは難しいが、あとはこうした説明を有権者がどう評価するかだろう。それが政治資金を透明にすることの意味である。
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しかし、「有権者」に公開されたのは20センチにも及ぶ書類なのだろうか?
一体それはどこに行けば見られるのだろうか?
これはマスコミに公開されたということではないだろうか?
「短時間で精査するのは難しい」というのはようするに自分たちは早いうちに精査するのをあきらめたということなのだろうか。
よく考えてみるとマスコミというのは政治家のスキャンダルを一時的に騒ぎはするけれど、継続して追求することはない。
小澤一郎にしても佐川事件の時に自民党と佐川のえらい人が会談した時に小澤が同席したということだったが小澤の「自分はお茶くみをしていただけでなんにもわからない」という発言で終わってしまった。
またどこかの業界からの寄付が問題になったこともたしかあったと思うが、その時も国会の中で衛視にまもられながら、マスコミを無視して仏頂面で歩いていた場面がテレビで映っただけで終わりではなかったか。
今回の件もマスコミと野党は一致してこれで幕引きであとは自民党のほうにほこさきを変えて話題をずらそうとしているかのようにさえ見える。
しかし、これはどう考えても納得はできない。
まず第一に秘書の寮をつくると言っても、一体何人の秘書がいて、何人の秘書が寮に住んでいるのか明らかにしたのだろうか。
つまり寮建設の目的がはっきりしない。
小澤の言い分では金をはっらて家賃を払うと献金が減る、というか使われるとか、あるいは安い給料だから、などといっているのだが、いずれにせよ秘書がどれだけ住んでいるのかまず明らかにしなければこういう説明も信憑性は低い。
公設秘書は別にして私設秘書は給料を増やせばいいのだし、やはり蓄財としての側面が強いといわざるを得ないであろう。
かりに蓄財が「合法」であるとしてもその蓄財がどのように使われるのか、それも上に示した日大名誉教授の主張どおりはっきりと書類で示すべきであろう。
また朝日はこのようにも言っている。
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政界を引退したら「後進への支援や、ライフワークである日米、日中の草の根交流の基金に充てたい」と言う。
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小澤は今64歳のようであるが、彼の年齢などを考えればどう考えたって、秘書の寮を建てるということが、家賃補助の場合と比べて経済的になるのは難しいのではないか。
いずれにせよ、問題なのは小澤が「政界を引退しても寮(など)を残す」とは言っていないようである点だ。
(22日0:20分追記開始「陸山会の資産として残存していた場合は」とあるが、それをそのままの形で生かすのかなど曖昧にも思える。追記終わりかと思ったら
0:24分再追記:ようするに「陸山会の資産として残存していない場合」もあるということですね。それは具体的に言うと一体どういう「場合」でしょうか。)
この言い分だと、ようするに彼は引退すれば不動産を処分するつもりだということであろう。
しかしここで朝日が書いていないことを小澤は言っている点を指摘したい。
こちらの文書には「第一に後進の人たちの支援のために使いたい」と書かれている。
「後進の人たち」の中には自らの息子や親せきなどが含まれているかどうかは明らかではないし、かりに陸山会の金など(などはあとから追加)が「後進の人たち」に移ったとしてその金など(こっちの「など」はさらにあとから追加)がどう使われるのか調べる手段が保証されるとは限らない。
次に小澤および民主党は政治団体の土地不動産を代表個人が登記するのは合法であると何度も言っていて、昨日の報道ステーションでも司法書士が「電話インタビュー?」で「合法である」というようなことを言っていたが、小澤名義の土地などに関する税金はいったい誰が払っているのかという点は明らかにされていないようだ。
もちろん政治団体の金で個人名義の(追記:「の」ではなく、「で」にすべきか)土地が買われるというのも驚きだが、小澤が公開した確約書(22日未明追記:これは確認書の誤りでした。以下同じです)の一つ(こちらのやや下にある深沢の土地に関する確約書)に書いてある「売買代金並びにその他購入に要する費用並びに、本件不動産維持に要するは費用は甲がこれを負担する」という部分は税金も全て陸山会が負担すると書いてあるようにも読めるが、もしそうだとすれば税法上の問題はないのだろうか。
むろん税を誰が払っているのか分からないがいずれにせよその書類も理解に苦しむ部分がある。
まず「甲」というのは陸山会だが、代表が小沢一郎であり、「乙」は小澤一郎である。
ようするにこれは同じ人のことであると思われるが、同じ人が「甲」と「乙」として同じ書類に二度現れるのは自分にはよく分からない。
つまりこれは一見なにかの「契約」をした書類に見えながら、自分が自分と契約した書類ということであるのだろうか。
それを確約というのだろうか。。。
22日追記「確認」の誤りでした。
自分ひとりの誓約書にでもしたほうがよさそうに思えるがとにかくこういうことを断わらねばならぬこと自体不自然であるし、小沢が何度もいくつもの書類で言っていることと同じことが書かれているので、自分のようなものにはどれがどれやら分からなくなる。
甲も乙も同じ人だとすれば、「甲の指示なく処分し」という部分もしたがって、自分で決めて自分に「指示」すれば処分などもできるということになりかねないのではないか。
また小沢(澤?)は権利能力なき社団たる政治団体が不動産を取得するには代表名義で取得するしかないかのごとき書き方をあちこちでしているが、その法的根拠などがどこにあるのか示されていないようだが、ということは共同名義にするなど他の手段は無いということだろうか。
また深沢の土地に関する「確約書」には日付が書いてあり、「平成17年1月7日」となっている。
しかし土地売渡証書の日付は難しい漢字が使われていてよく分からないが、「平成16年10月29日」であり、売買契約書は「平成16年10月5日」になっているようだ。
確約書が売買契約成立後に書かれるというのも自分には不自然に思える。
しかも、この書類の文面では「購入するものである」などと書かれていて、まるでその書面ができてから土地を購入するような書き方になっているようにも思えるがこれはいいのだろうか。。
また「便宜上」などという言い方もまるで違法行為をしたのではないですよ、と変な言い訳をしているようで果たしてこのような文面にふさわしいか分からない。
また万が一乙がこの書類を反古にしようという時には、自分で自分に内容証明を送るのだろうか。。。
考えれば考えるほど自分にはわけがわからない。
むろんこの確約書の存在自体が自分には理解に苦しむものであるが、この書面の書き方を見ているとまるで誰かがなにかに急かされて書いているような印象さえ受ける。
自分はこうした文書や法律には詳しくないが、やはり一般庶民に分かるような書類とは言いがたいし、それぞれの書類を説明したうえで、書類ごとに別々にリンクを貼るべきではないか。
いかにも民主党の説明は「違法ではない」という点だけを大雑把に言っているだけにも見える。
さて最初のほうで紹介した日大名誉教授は小沢に公正証書を作ることを要求しているようであるが、この書類(深沢の土地に関する確約書)自体せめて他のたとえば副会長あての書類にして公正証書にすることはできなかったのであろうか。
どこか公正な立場で文章を保管している側の日付入りの割り印が押してあったほうがその文書の信憑性が保証されると自分は思うのだが、違うのだろうか。
また一方の小沢の方は署名だけであるのもよく分からない。
とにかく分からないだらけだが、自分には関係ないのでこの辺でやめておくが、いずれにせよ言いたいことは、政治資金規正法などで(政治資金収支報告書?の中に)政治団体が届けるべきものの中に土地や建物などが含まれているのは、政治団体が不動産を持っていることが合法であるということよりも、政治家などが金以外のもので不正な寄付などが行なわれていないかどうかなどを監視するのが目的ではないかと自分は思うということだ。
だから小沢にしろ他の大臣にしろ政治資金報告書に載せているから合法だというのならそうとは限らないとも思う。
つまり報告書の内容をきっかけとして違法行為が発見されたり批判されたりするのはあたりまえではないだろうか。
自分は法律には詳しくないのでまた調べて直したりするかもしれません。
自分の意見としては書類に署名するときは住民票がある住所を書いたり、ハンコをおすときは、自分の署名を二度するときはせめて同じハンコをおすのが普通と思っていましたが、あの確約書でそれやるとかえって変な気もするし、よく分かりません。
小沢が正しいのか、小澤が正しいのかは分かりません。
一箇所小澤にすべきところを間違えましたが、それがどこか見失いました。
すいませんが、疲れたのでまた気づいたら直します。
それと文中敬称略です。
とりあえずタイトルの中の「は」を「を」に変えました。22日0時34分。
「確約書」とあるのは「確認書」の誤りでした。22日2時11分追記