2005年3月に東武伊勢崎線竹ノ塚駅(東京都足立区)近くの手動踏切で4人が死傷した事故のあとに足立区が高架化をすすめていることについてはすでにこのブログで触れた。
最近見た区の広報
こちらですによれば、これはほとんど本決まりに近い状態になってしまったようである。
このプロジェクトを進めている方々はこのブログを知っているはずもなく、足立区民の理解が得られたとしているようだが、本当にそうだろうか。
ちなみにこちら
のこういう事故がおきた以上、税金をいくらでも使っていいと考えている「らしい」自民党の足立区の方々のページを見るとあまり更新されていないし、35名とかの署名が集まったとしているが、署名でありながらそのほとんどはいわゆる「ハンネ」であり、しかもそこに寄せられたメッセージなどを読むと本当に高架化することに賛成なのかはっきりしないものもあるようだ。
区の広報によればこのプロジェクトに関しては総額500億円の費用が見込まれている。
しかしそのうち東武鉄道の負担額や国や区などの負担がどれぐらいになるのかまったく区の広報には示されていない。
事故の詳しい情報や原因、事故以前に区の指導や対策が行なわれていたか、などといったことに関してもまったく情報が与えられていない。
それで果たして「区民の理解が得られた」と言えるのか、署名した人はきちんとものごと考えて署名しているのか自分はまったく疑問に思う。
はっきり言えば足立区や自民党の足立総支部連合会はこの事故を利用して巨額公共事業をおし進めていると言われても仕方ないだろう。
どうも野党もこの巨大な公共事業に反対していないようである。
それはそうであろう。
もしこれに反対してこの公共事業が実現せず、また同じような事故がおきれば、反対した人間はあとから何を言われるかは分からない。
自分もその危険性があることは重々承知しているつもりであるが、まずその発想自体がおかしな話である。
つまり起きてしまった事故に関してとにもかくにも「高架化しかない」ということははそれほど自明なことではないはずだ。
この事件に関してはまず東武鉄道の職員の実刑が確定し、その上司もまた起訴されるべきであったと言う説もある。
つまりまず人災という面は裁判で決定しているわけだから足立区が事故を防ぐには高架化しかない、としているのは司法の判断を軽んじているということになる。
むろんこういう事件が起きたのにはあかずの踏み切りが放置されていたというような状況があった分けだが、足立区の自民党などが主張するように「この開かずの踏切解消のためには高架化が(原文どおり)以外にありません」 と言えるのかどうか。
そんなことを言ったら全ての線路を高架化すべきだということになって全部鉄道ではなくモノレールになってしまうのではないか。
この事故に関してはまず東武鉄道と言う会社の管理責任が重いはずだし、歩道橋を増やさなかった足立区の責任も決して軽いとは言えないはずである。
実際に足立区は事故後歩道橋設置など緊急対策を実施しているはずである。
なぜ対策を事故があるまでしなかったのかということが何よりも問題である。
またかりに鉄道の高架化をする場合、このような対策が無駄になるとも言えるわけで、足立区の方針は安全のためならいくらでも税金をつぎ込んでもよいという考え方であることは火を見るよりも明らかだ。
このような考え方を持ち出されたらそれこそ税金はいくらあっても足りない。
足立区は国や都などにも補助金を出させようとしているらしいが、一体いくら金を出させれば満足すると言うのか。
足立区は通常の税金以外にも区民から「走れ!あだち債」などという借金までしているが、自分たちは目を覆うばかりの途方もない巨額な公共事業を次から次へと断行していながらこういうことを堂々とやり続けているのはまったくおかしな話だ。
聞くところによれば鈴木恒年足立区長は今期限りで引退するそうで、これはまったく喜ばしいことだが、その後釜に座ろうとしている自民党の近藤という女性(前)都議が都議を辞めて準備に入っている。
ちなみにこの近藤という人物はたしか父親が大物都議であった。
そして今会都議の補選ではその近藤の後釜に前回落選した足立区の自民党の三原と言う人物が受かった。
これらの人物ならびに一部の自民党の区議および鈴木恒年は石原の演説にこぞってやってきて演説をしたり名簿を読み上げられたりしていた。
石原の演説時間が実際よりかなり早めに言われていたのはようするにこの人たちの演説などを聞かせるためであったのだ。
むろんこの巨額公共事業の話などする者はいなかったし、この話題が区議選で争点になる可能性もない。
鈴木と言う人間は事故現場に花をたむける写真や陳情する場面の写真などをあちこちに載せているわけだが、事故の原因や対策を具体的に説明することは一切しない。
東武線の高架化しかない、として一切の議論はさせないといっても過言ではないが、そもそもなぜ私鉄の事業に巨額の税金が投資されねばならないのかその点が不思議であって、むしろこういうことは東武鉄道ならびに足立区が対策を決めて実行すべきであって国や都に税金を出させるのは問題のすりかえに他ならない。
ある足立区議の候補の応援に来ていた女性が「遠い親せきだからと言って投票するのでは政治は変わらない」などとお説教のようなことを言っていたがなんだか人をばかにした話だと思った。
ほかの候補もただ頭を下げていたりするだけで、具体的な政策などはまったく言わない。
足立区議などはっきり言って競争率があるのか知らないが、逆に言うとこんな選挙に落ちたらものすごい恥である。
足立区は選挙権は捨てるな、などという広報活動をしているようだが、少しは自分たちがやっている巨額公共事業について考える頭はないのか、と言いたい。
まったく事情は違うのでここで持ち出すべきではないと思うが、世田谷区では小田急線の高架化に関してものすごい反対運動があった。
足立区にはそういうことをするひまやお金などがある人はいないようだが、ようするにそういう人たちが税金を巨額に政治家に使わせてこの国を崩壊させているのである。
ちなみに鈴木恒年はあちこちに署名を持って行っているようだが
(こちらにありますが区長が署名を持ってあちこち行くって、ずいぶんとまた民衆的というのか、どういう区長だったんでしょうね。)そこにある216,993と言う数字もものすごく多い数字であるというか、自分にはにわかには信じがたい数字である。