今回の選挙では自分は選挙区は民主党の候補に投票した。自民党があまりにひどい小泉改革否定に傾いたことなどから仕方ない判断と思ったが、早くも予想外の事態が進行しつつある。
朝日がグループ全体で民主党を熱烈応援していることは周知の事実だが、朝日はすでに民主党が公約を実現できないことを既定事実としたうえでそれを一切批判するな、というキャンペーンを張っている。
先週の水曜だったか、民主党の議員が報道ステーショーンに出て、高速道路の無料化について話した。そこで一色清は地方から実験的に無料化をやっていけばよい、という「マニフェスト無視」を押し付けた。(実際には後述するようにマニフェストには逃げ道も用意していたが選挙期間中にこの番組に出て一方的に喋りまくった民主党代理人と言うべき山崎養世はそんなことは言っていなかったはずだ)
古館が無料化にしたら税金がかかるとしたのに対して、その議員(名前は忘れた)は「すでに税金は使われている」という頓珍漢な答えでなにがなんだか自分もわけも分からず、しゃべりながら上を向いて考えつつでたらめを並べていたが、古館もそれじゃ「もっと税金がかかる」ということは言いはしない。
さらに驚いたのが、9月11日朝日のopinion欄での「対談」だがこれは単なる民主党マニフェスト放棄を批判するなの大合唱である。
御厨貴は「欠陥をあげつらい『この通りにやってもらおう』と迫るのは『やくざの論理』だろう」とさえ言っている。
現実的に臨機応変に対応して構わない。だができない場合には、そのことをきちんと説明しなくてはいけない。それこそが本当の説明責任だ。これをちゃんとやれば、マニフェストの信用性が逆に出てくる。
こういう言い方はまったくわけが分からないのであるが、薬師寺克行も「『マニフェストは国民との約束だから全部やるべきだ』『マニフェストと違うことをやるべきではない』というのはマニフェスト原理主義だ」としている。
竹中治堅にいたっては「友愛を標榜する鳩山さんなのだから『増税した分はこういう形で使うから安心なんですよ』という長期的なビジョンを(中略)示したらよいのではないか」として民主党が必死に否定してきた増税、自民党に関して民主党が批判した増税路線を民主党にさせようとすらしている。
民主党がまだ閣僚人事さえ固めていない段階でこのようなマニフェスト放棄擁護を勝手に朝日が始めたのは異常である。異常であると言う以上に朝日は民主党のマニフェストが実行不可能であると考えていることは明らかで、それならそれでどうして選挙前にそういうことを言わなかったのか。
朝日は民主党は財政的裏づけを明らかにせよとは言ったが「政権をとったらマニフェストは実行しなくてもよい」などとは言わなかったはずだ。むしろ過去の自民党のマニフェストがどれだけ実行されたかを検証したぐらいであったはずだ。
なぜ民主党が政権をとったらそういうことを言い出したのか。
子供でも分かる実行不可能な作文マニフェストが実行可能とは共産党にさえ愛想をつかされているから言えないのだろうが、それにしてもやくざの論理とかマニフェスト原理主義とはあまりに嘆かわしい言い方である。
民主党のマニフェストでは「高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る」としている。しかし「具体策」では「割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく」としていて充分逃げ道は用意しており、朝日が民主党に代わって言い訳(にもなっていないが)を最初から用意する必要はない。
むしろこういう言い訳???がマニフェストに用意されていながら民主党のマニフェストを単純化して民主党への投票を強制的に増やし、マニフェストの言い訳その他詳細を一切伝えなかった大詐欺師朝日の責任は大きい。
その点をだますためにマニフェストの放棄を批判する人間はやくざだといっているのだろうが、そういう自分たちは詐欺師だ。
こうなってしまうとマニフェストの意味はなんだったのかと言うより言論の自由を抑圧する民主主義政治の完全な否定である。
はっきり言って民主党のマニフェストにはどれ一つ取っても自分には実現不可能としか思えないことが山ほど並んでいるが民主党は財政的裏づけがある、と何度も繰り返したのだから可及的速やかに(これにも「工程表」なる逃げ道はある!)すべて実現すべき義務があり、実現できないときには自ら下野すべきだ。
実現できるかどうかの議論は選挙中にやるべきで長い選挙期間中にそれをやらずに今ごろ実現不可能だからやらなくていいなどと言っている朝日はとんでもない詐欺師で民主党同様、訴えられてしかるべきだ。
森田健作千葉県知事の政党所属問題で勇気ある行動をした有権者諸君に同じ行動を再び期待したい。
自分はこれを書くのが精一杯。久しぶりのブログ更新だがやっぱり肩が痛いというかこれほど馬鹿な国で死にたくないと思いつつ亡命する資金がないのを嘆きながら税金に苦しめられている。
いずれにせよ私も民主党に投票した者としてマニフェストは全部実行してもらおうと主張する権利はあるはずだ。