ドルフィンベルベット

高齢馬のケアと徒然日記

馬の再生医療

2015年03月26日 21時50分20秒 | 高齢馬のケア

以前、再生医療で蹄葉炎の治療を行った記事を読みました。 http://www.jairs.jp/contents/w_news/2011/15/3.html

方法は、臍帯血から取った幹細胞を培養し、直接患部の血管内に注射(駆血して静脈に注入することで患部に留まらせる)するものでした。
狙いは葉状層の修復と血管の成長促進とあり、特に除痛などそれなりの効果があったとあります。

その後、日高でも再生医療のセミナーが継続して行われているようですが、蹄葉炎に関してはその効果について情報を見つけることが未だできずにいます。

日高で最近行われたセミナーの講師はカワタエクイワンプラクティスという診療所の先生のようで、そこのホームページによれば、現在、脂肪由来の幹細胞を使って再生医療を行っているとのことでした。
蹄葉炎も適応とありますが、屈腱炎の治療効果の方がメインに書かれています。
なお、屈腱炎の場合は培養した幹細胞を患部に直接注入しているようです。
http://kawata-ep.com/web/

幹細胞は、細胞分裂によってくり返し自己複製ができ、また、別の細胞にも分化できる機能を持つ細胞です。
幹細胞には、成体幹細胞(成人の骨髄や脂肪組織)、臍帯血幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、そして人工多能性幹細胞(iPS細胞)があります。
臍帯血幹細胞や脂肪由来幹細胞については、美容整形の治療(アンチエイジング)で使われるていることを知り驚きました。

そして、最近の獣医療でも、脂肪由来の幹細胞を使った再生医療のトライアルが行なわれていることを知りました。
なんでも脂肪由来の幹細胞は骨髄由来の幹細胞に比べて分化できる細胞の種類が多く、また採取できる量が多い、採取も簡易、といったメリットがあるようです。

蹄葉炎は、血管のなんらかの障害による葉状層のダメージという説があります。
半年くらい前だったかな?、テレビで画期的なASO(閉塞性動脈硬化症)治療を見ました。
それは新生血管の生成を促すFGF2(塩基性線維芽細胞増殖因子)というタンパクの一種を下腿の筋肉に直接、何箇所にも注入するというものでした。
これは遺伝子治療と呼ばれるものになります。
これを葉状層に注入したら・・・と真剣に思いました。

しかし、最近では、骨髄由来の幹細胞にも、これまで考えられていた以上の分化能があることがわかったそうで、その幹細胞を注入して新生血管をつくる再生医療が行われているようでした。
やっぱり、再生医療の方が現実的なのかしら?

というか、何を注入するかよりも、葉状層に直接注入することが難しい、というのが課題なのかもしれませんね。

コメント (4)
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