ドルフィンベルベット

高齢馬のケアと徒然日記

歯のガン

2015年11月28日 23時07分55秒 | 高齢馬のケア

馬の歯科医療を得意とする獣医I先生の診察を受けました。

結果、クー太郎の上の臼歯の一部はすでにエナメル質が無くなっていて、ツルツルになっていました。
ツルツルの歯では上手く乾草をすり潰すことができませんし、おまけにかみ合わせも(恐らくもともと)前後にずれているとのことでした。

馬の歯は死ぬまで伸び続けるわけではなく、早ければ18歳程度で抜け落ちるのだそうです。
なので、もう、クー太郎の場合は削らない方がよいであろう、という結論でした。

おまけに、恐らく下顎骨折した時の後遺症か、右下の犬歯の周辺に膿がたまっていました。
痛みはないようなのでとりあえず経過観察となりました。

さらなる衝撃は、上の切歯のガン(EOTRHというのだそうです)と言われたことです。


ちらに文献がありました。
Equine  Odontoclastic Tooth Resorption and Hyperplasia "EOTRH"

直訳すると、馬の破歯細胞による歯の吸収と増殖、ってとこでしょうか。
歯が溶けて、セメント質が過剰生産されて、痛みや感染を引き起こすそうです。
どこにもtumorとかcancerとかmarignanceという文字は見当たりませんが、恐らく、骨肉腫のように骨(歯)代謝に関連する細胞(破骨細胞とか)が悪性化したものなのかな?と勝手に解釈しました。

ガンと言われても、メラノーマしかり、命に直結するとは思えなかったので、驚きはしましたが、立ち直れないほどではありません。
文献にもあるように15歳以上の高齢馬にはよく見られるもののようです。
ただ、進行すると隣の歯にもうつり、そして、歯がグラグラになってしまうこともあるようです。
クー太郎のあとで診察されたナイトは真ん中の2本を残してEOTRHになっていました。

それにしても、今回色々なことを初めて知りました。
もっと前にI先生に出会っていたらなぁ・・・なんて思ったりしました。

そのほかにも、仙腸関節の亜脱臼と言われ、それを治してもらい(関節をもとの位置に戻してくれました)、後肢だけ少し早いですが装蹄してもらいました。
肢だけ直しても、蹄が悪ければまたすぐに悪くなる、ということでした。

クー太郎は最初にいたクラブで高い障害を飛び始めた頃に、後肢を捻るようになりました。
障害はやめて、その後しばらくしてから休養をしましたが、その後も後肢の捻りは続いていました。

今回も、診察前は捻っていたのですが、装蹄が終わって歩いてみると、なんと、まったく捻らないのです。
これは今日一番の衝撃でした。
うーん、亜脱臼の治し方を教えてほしい!!

それは流石に聞けませんでしたが、歩様の見方とか、マッサージの功罪とか、聞いたことには何でも答えてくれて、とても勉強になりました。
これから3-4日間は常歩でまっすぐな運動をして、徐々に動かしていきます。

栄養班が出てきました

コメント (2)
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