日蓮聖人のご霊跡めぐり

日蓮聖人とそのお弟子さんが歩まれたご霊跡を、自分の足で少しずつ辿ってゆこうと思います。

恵雲山常栄寺(鎌倉市大町)

2017-03-17 08:13:20 | 旅行
今年初めに龍口寺を訪問した際、お土産として「難除けのぼた餅」を買って帰りました。
毎年9月12日、腰越の龍口寺では、「龍ノ口の法難会」が開かれます。
(まだ参加したことはないですけどね!)
日蓮聖人がまさに頸の座に座られ、太刀が振り下ろされようとしていた真夜中の12時に合わせて、「ぼた餅供養」が行われているそうですよ!


日蓮聖人の御草庵があった松葉ケ谷からほど近い比企ケ谷に、ぼたもち寺があります。
妙本寺の総門脇に、看板が出ています。
徒歩2分!


ありました!
すぐ裏にお山を背負っているので、境内は広くはなさそうです。


山号は「慧雲山」です。
お寺の縁起パンフレットには「恵雲山」とあります。
「知恵」って「智慧」とも書くので、同じ意味なのかな~?
「慧」の字は彗星の「彗」にも似ています。
龍ノ口の法難を救った「光の玉」は、僕の中では彗星的なイメージがあるので、そういうのも山号に込められていると勝手に想像しちゃいます!


「これやこの 法難の祖師にはぎのもち ささげし尼が すみにしところ」
日蓮聖人が松葉ケ谷の草庵にいるところを、平左衛門頼綱以下たくさんの手勢に捕らえられました。
裸馬に乗せられ、犯罪者のごとく鎌倉じゅうを引き回され、龍ノ口の刑場に向かいました。


その途中、今の常栄寺の前にさしかかったとき、この地に住んでいた棧敷(さじき)の尼という老女が、日蓮聖人に仏の加護を祈念した「胡麻のぼたもち」を鍋蓋に載せて供しました。


その時の様子が絵になって掲示されていましたよ。
多くの警護に囲まれた日蓮聖人に近づくのは、とても勇気のいることだったと思います。
日蓮聖人はこれをありがたく頂き、鍋蓋にお題目を書いてお返しした、ということです。


このあと龍ノ口の刑場に連れて行かれた日蓮聖人は、斬首直前のところで光り物の奇瑞が起こったため、執行を免れました。
棧敷の尼の、切なる願いが通じたのかもしれません。

江戸初期になって、比企ケ谷・池上両山住職をされていたお上人が、この地に常栄寺を創立されたそうです。


境内にこんな法塔を見つけましたよ!
金色の法塔!
もうだいぶはげてしまっていますが、昔は金ピカだったと思われます。


あと、山門に掲げられた宗紋

そして比企ケ谷の紋
・・・もゴールドでいい感じ♬


ひとつ疑問が生じました。
龍ノ口の法難って秋のお彼岸に近い頃ですよね?
「春はぼたもち」
「秋はおはぎ」
って言いません?

「難除けのおはぎ」じゃないんですかね~?(笑)
※山門に掛かっていた歌の板には「はぎのもち」って書かれてました