残念無念

 二匹いたアゲハの幼虫のうち、一匹が死んでしまった。
 庭に出ていたみゆちゃんが、気づくと山椒の木の前に座って幼虫の方をじっと見つめていて、幼虫の背中からは青黒い血がぽたぽたと流れ落ちていた。現場を見たわけではないけれど、たぶん、みゆちゃんが噛んだのではないかと思う。
 みゆちゃんを部屋の中に入れて、幼虫の様子を見たら、大量に体液が流れ出た分、皮膚の張りがなくなって、ぐったりとしていた。もう死んでしまったように見えたけれど、また動き出した。以前、野菜についていたいもむしのうち、怪我をしながらもちゃんと羽化して蛾になったのがいたから、もしかすると、と思ったけれど、明らかに今回の方が大怪我だった。
 しばらく動いていたけれど、そのうちに動かなくなって、本当に死んでしまった。それでも背中の目玉模様はやっぱりぱっちり開いていて、よけいに可哀想だった。
 スズメやハチに取られやしないかと心配していたけれど、まさかみゆちゃんが手を出すとは思っていなかった。
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