前回の日記に続いて、方向オンチのネタを・・・。
(なぜか聞いてもらいたい衝動にかられてる私 )
たとえばコンビニに入ります。
買い物を済ませて外に出ると、
もうどっちに行けばいいのかわからない・・・
だから、入る前に、
「ゴミバコのある方へ行く」とか、
必ず目印を決めておくんです。
それなのに、
それだけひどいのに
困ったことに、私、
一人歩きが好きなんですねぇ。はははは
特に稽古中は、
みんなとワイワイも嫌いじゃないのですが、
1人になりたがる傾向が、より強くなりまして・・・。
ちょっと疲れていたり、
1人で役のことを考えたかったりすると、
賑やかなカンパニーの一団を背に、
別のルートで帰ったりもするんです。
もちろん〈絶対にわかるルート〉しか選びません。
自分の実力は知っていますから。
押上の巻
その日も、稽古が終わった夜の10時すぎ。
以前に何度も通ったことのある道を、1人で帰りかけると・・・、
「あれ? こちらなんですか?」
とカンパニーの若手が声をかけてきました。
「オレもこっちなんですよー(満面の笑み)」
(ちっ、1人で帰りたかったのに)
「今日はこっちから帰ろうと思ってね。
じゃあね、私、ここを左だから(早く逃げたい)」
「はいっ、お疲れさまでした!」
(はぁ~、やっと1人になった~)
と10メートルほど進んだとき。
「あのーー、望子さぁぁぁぁん、どちらに行かれるんですかぁ?」
という彼のでかい声が。
(うっさいなぁ )
「だからぁ、押上よ~」
「押上なら、反対方向ですよ~」
「・・・・・・え?」
そのときには既に、彼がそばまで走ってきていました。
「いや、あっちには駅がないんで、どこ行くのかなぁ、って。
うるさく聞いたら失礼かな、って思ったんですが」
「あ、あ、あ、あ、あ 」
声が出ませんでした。
もし彼が、
そのまま声をかけないで帰ってしまったら・・・、
私は、夜の10時過ぎ。
広い、人気のない道路を延々と、
到着する当てのない駅に向かって、
歩き続けるところでした
それも、間違いないと確信しているだけに、
平気で延々と歩いたに違いありません。
なんてコトじゃ・・・。
夜中の放浪記・・・。
背中に冷たいものが走りました
(邪険にしてごめんねーー。
あなたは恩人ですぅぅ)
「ホントにホントにありがとう
こっちなんだね わかった。じゃあね」
「いや、待ってください!
オレ、駅までご一緒しますから」
いくら大丈夫といっても聞かず、
駅まで送ってくれた彼。
もちろん、1人で帰りたいなんて気持ちは、
きれいさっぱり吹き飛んでいました
池袋の巻
池袋の芸術劇場。
ご存じの方はおわかりでしょうが、
あそこ、池袋駅から見えるんです。
徒歩1分。っていうか、地下ではつながってる。
でも、私ぐらいになると、迷うんですよ。
不思議がられますけど、迷えるんです(イバってどうする!)
あるとき、芸術劇場で夜の回が終わり、
キャストたちもそれぞれ、帰り支度を終えたころ、
またしても「1人で帰りたい」気分になっちゃったんですね。
たしか、その回の出来が悪かったか何かで。
既に劇場入り口は閉まっているので、
反対側の楽屋口から、ふらりと外へ。
もちろん、さすがに迷う不安なんてありません。
いろんなことを考えながら、歩くこと10分
(それだけ歩いた時点で気づけよっ!)
なんと、こちらに向かって歩いてくるのは、
ついさっき別れたカンパニーの面々・・・。
「あれ~? 望子さんも呑みにいくの?」
「行かないわよ。私、帰るの」
「だって、駅、後ろだよ」
「え・・・・」
「今、どこで呑もうかって、店を探してたのよ~。
まさか望子さんを保護するとは思わなかったわ~」
「うそ・・・」
「だけどさぁ。ここで迷いますかぁ?フツー」
「う、る、さーーーいっ」
言い訳するわけじゃありませんが、芸術劇場って、
出口がいろいろあるんです。
で、違う出口から出ると、ほんっとにわかんなくなるんです。
でも、あの時も、たまたま「保護」されなければ、
夜の池袋を延々と徘徊することになりました。
翌日も本番があるっていうのに・・・
「まさか~、ブログ用の誇張だろう」
と思う方があるかもしれません。
でも、事実は小説より奇なり(おいおい)
今でも、その保護してくれた連中からは、
「芸劇(芸術劇場)で迷った女」と言われています。
その昔。
やはり別の劇場から、
霞ヶ関の駅に行く予定が、
なぜか東京タワーにたどり着いたこともあります。
1人になりたがるワリに、
人さまに助けられつつ、なんとか生きてる私です