昨日、稽古の前に、
加藤事務所の「パパ、I LOVE YOU!」を観てきました。
これぞレイ・クーニー。これぞコメディ
なんとなく疲弊していて、
笑える状態じゃなかったのですが、
最後には、大爆笑をしている自分がいました。
いいよなぁ、コメディ
やっぱり好きだなぁ、コメディ
なぜこんなにもコメディが好きなのか、
自分でもわかりませんが,
若い頃から、お客様の笑い声を聞くのが、何より好きだったんです。
これはもう「私、お肉が好き!」なんていうのと同じですよね。
理屈じゃありません。
と言うものの、
演じ手にとって、一番怖いのがコメディなんですね~。
コンマ何秒という間のズレ、
微妙なテンションの違い、
そんなことで、まったく笑いはおきなくなります
その回のお客様の雰囲気でも違ったりします
いつもの場所で、いつも来るはずの笑いが来ない。
なぜだっ???
こうなると、心の中で、かなりアセります。
絶対にアセっちゃいけないとわかっていながら、
何となく、やっぱりアセります。
すごいもので、そうなった途端、
客席はざぁーーーーっと引いて、氷の世界になります。
そうなると、さらに最悪のことをしたりします。
絶対に笑いを狙っちゃいけない、とわかっていながら、
狙っちゃったりするのです。
そうなれば、あとは地獄へ真っ逆さま
客席から冷え切った空気が、舞台へ上がってきます。
本当に、この地獄の苦しさと言ったら
体中から血の気が引いて、
早く芝居が終わってほしい。
今すぐにでもソデに駆け込みたい、と思います
そんな気持ちになったら、いよいよダメ。
うまくいくわけがありません。
ここまでわかっていながら、
なっちゃうことってあるんですよね、地獄に。
こんなこと、
もしシリアスな芝居ばかりやっていたら、
絶対に経験しないで済みます。
それなのに!
悲劇の方が、喜劇より、重たくて高尚、
みたいに勘違いされたり、
何かっていうと笑いは、一段下に見られたり、
コメディって浮かばれないところがあるんです
でも。
それでも好きなんだから、仕方がない
お客様のクスクス笑い。
わぁーっと広がる笑い。
波のように押し寄せる連続の笑い。
終演後のお客様の楽しそうな笑顔。
これ以上のものはないでしょう。
私ほど幸せ者はいない、って気持ちになります。
役者の醍醐味、ここにあり、です
はははは、熱く語っちゃいました。
ちょっと恥ずかしい・・・
今の稽古場も、本当に厳しいです。
でも、
だからこそ生み出せるものが、必ずあると信じています。
笑えなかった私が、
劇場を出たときには笑顔になっていたように、
たくさんのお客様に笑顔になっていただきたい
うーん。やっぱり私。
好きなんだよな~、コメディが