福茶の結び昆布、作成中。
お正月の用意で一番必要なのは、
今や包丁でも鍋でもなく老眼鏡なのだ
何だか「再放送」ばかり出しているようですが・・・、
またひとつ、再放送させて下さい。
2014年。だから、ほぼ10年くらい前に書いたものです。
ここに登場する友人の劇団は、
もう消滅しました。
そこに出ていた知り合いの役者たちも、
今、消息が分かるのは一人だけ。
10年たてば、そんなもんです。
だけど、なんだろう?
もうひとつ前の投稿もそうだったけど、
過去を思い出して語っている記事に、
妙に心が揺さぶられるんですね。
やっぱり「やめどき」をずっと考えているからかなぁ。
こんなこと書くと、またあっちこっちから、
「またかいっ!」って言われるんだけどね
こういうことって重なるのかもしれませんが、
ふとしたことから、
2016年の1月に書いたものが現れました。
7年前、というか、ほぼ8年前ですね。
それも、タイトルからしてわかるように、
6年前に書いたものを、丸ごと引用して書いています。
ってことは最初に書いたのは2010年。
なんと、13年前。
なんだけど・・・、
なんだけど・・・。
だはははは
よかったら、読んでみてくださいませ
もう終わってしまいましたが、
大好きで複数回通った「OVER THE CENTURY」と言うお芝居は、
ダブルキャストでした。
いや~、ホントに楽しかったなぁ・・・というのはさておき、
登場人物の中にコテコテの大阪弁をしゃべる悪い奴がいて、
それを演じる役者さんが間違いなく関西弁ネイティブで、
だから生き生きとパワフルに演じてらしたんです。
観ていても、やっぱり借り物の方言とは違うんですよね。
無理がない分、台詞が広がっていく感じ・・・ってわかって頂けるかな?
やっぱり方言はネイティブが圧倒的に有利だなぁ。
私だって、関西弁の役があったら楽勝なのに。
いつも全く知らない方言を喋らされる身としては、
ネイティブ方言で、一気に悪役の魅力が倍増していた姿を見て、
うらやましいとしか思えませんでした。
でも、そこでふと気になったのが、ダブルキャストのもう片方のこと。
確か、あの方は関西圏の出身ではなかったはず・・・。
え? て事は、なんちゃって関西弁を聞かされるの?
うわーー、こりゃたまらんぞーー
芝居自体が楽しめなくなるぞーー
そしてダブルキャストの別チームの回、
どうだろうとヒヤヒヤするうちに彼が登場。
と、なんと、こちらは、コテッコテの九州弁!
それも間違いなくネイティブで、
悪い奴が、方言でいよいよ輪郭がくっきりとして、
パワー溢れる一番オイシイ役に昇華していました。
そしてどちらの悪役も、生き生きしていること!!
いやーー、これは・・・目からウロコでした。
もちろん、役は限られるでしょうが、
その役者さんのネイティブな方言を使ってもいい役もあるはずです。
ダブルなら、それぞれ違う方言だって。
でも、そんな芝居、観たことがなかった。
って、単に誰も思いつかなかっただけじゃない??
何度も書いているように、方言芝居は丸ごと覚えなければならないので、
ネイティブじゃない限りアドリブがききません。
だから、何かあったときには、本当にお手上げになるんです。
いやトラブルがなくても、感情の揺れだって、どうしても硬くなる。
そして今回、ネイティブのお2人を見て、しみじみ感じたのです。
とにかくエネルギーが違う!
無理矢理頑張って覚えているのとは違うんですよね。
その自由さが、ものすごく羨ましかった。
と同時に、舞台自体も生き生きとしていた。
ネイティブの台詞を使うことで、役がこんなに強く魅力的になるんだ・・・。
個人的な話をすれば、
私も九州から東北まで、まぁ各地の方言を喋ってきました。
年齢のせいか、方言芝居が多い方だと思います。
すぐ見つかったものだけでも、こんなにありました。
津軽弁
佐世保弁
京都弁
下関弁
名古屋弁
だというのに、
関西弁を一度も喋ってないっ!!
あ、いや、その恨みだけで書いてるワケじゃないんですが、
借り物の方言の不自由さは痛いほど味わっています。
もちろん、どこの方言でもOKって作品の方が、
圧倒的に少ないでしょうが、
こんな自由度もアリなんだなぁ、と、
心底感じたのです。
実際、性別も年齢も違う役だけど、
一番やってみたい役だった・・・って、
結局、自分の話になっちゃうんだけど
先日、久っびさに落研OBOG会(ただし高齢者のみ)が開かれました。
高齢者はコロナが落ち着くまで集まらないほうがいいよね、などと言って、
そのままになって、
今になる、という・・・。
この辺のグダグダ感が我々らしいところで
で、揃ったら、まず話すのが病気の話、って、なんなのよ一体!
でも、高齢者の集まりっていうと、これが鉄板ネタなんですよね
まぁ、そこから無理やりにでも笑いにつなげようというのが、
落研のプライドで。
お皿を置きながらウエイトレスさんが笑ってて、
やったぜ!と思ったけど、まさか失笑じゃないよね
いや冷笑だったりして
今回の目玉は学生時代のアルバム。
ついでがあってレストランに持ち込んだために、
みんな学生時代の自分とご対面することに。
「ひや~、若っ」
「この時の大喜利、墨使ったんだよな。
顔洗っても落ちなくってさ」
「あー、これ、箱根合宿で彫刻の森に行ったときだ。
全部の彫刻でネタやって・・・バカだよね~」
「あれ?俺、唐茄子屋政談なんてやってた?」
「やってたじゃないよ。都々逸があんまり下手で、
楽屋でみんなで大笑いしてたんだから」
笑いながらアルバムをめくる50年前の学生たち。
「しかし・・・ちょうど半世紀だね」
「だよねぇ」
「学生時代、この年になって、
まだこうやって集まってるなんて、夢にも思わなかったよね」
「いや、こんなにトシとるなんて想像してなかったし」
「うん。はははは」
ほんとにそうだね~。
うん。大切な仲間だ。
そして、なんとなく気がついてしまった。
楽屋で笑ってたって・・・、
相変わらず、あんまり変わらないことをやってるんだなぁ、私
いつもは観た芝居の感想は絶対書かないのですが、
先日観てきた芝居のことを少しだけ。
すごく面白かったし、役者さんたちも素敵だったし、
でも、そんな公演はたくさんあるわけで。
あ、だから、芝居の感想じゃないのかも。
舞台は1900年の年の瀬。
年が明ければ、20世紀が始まる、という時代。
なのでタイトルは「OVER THE CENTURY」
もちろん、作品自体がめちゃくちゃ面白かったのですが、
でも、それ以上に心が動いたのは、ラスト近く。
登場人物が、20世紀に思いを馳せるシーンがあるのです。
20世紀になったら、
みんなが空を飛べるかもしれない。電車が土の中を走るかもしれない。
他にも、いろいろな想像の産物が語られます。
できたことも、できないことも、
21世紀の未来から彼らを見ている私たちには、全部その結果がわかっています。
いや、それ以上に、20世紀という時代が決して夢のような100年ではなかった、
って事も、私たちみんな、知っているわけです。
でもその登場人物たちが目を輝かせて語るのは、明るい夢ばかり。
そんな彼らを見ているうちに、
なんというか、心の中のいつもと違う部分が動いたんですね。
彼らと一緒にワクワクしてしまっている自分が・・・。
そして今、この21世紀。
本当にロクなことがないと暗い気持ちになっているこの時代でも、
しばしそれを忘れて、
未来を夢見たっていいじゃないか、と思っている自分が・・・。
何十年と役者をやってきたおかげで、
作品を純粋に楽しめない悲しい習性ができてしまった私が、
こうやって作品の中に入って、心が自由になっているって、
衝撃でした。
上演しているのは、丸福ボンバーズという劇団さん。
小田急線の千歳船橋にある、APOCシアターという、
本当に小さな劇場での公演です。
といっても、作・演出は、とっても有名な方で、
・・・なーんて、そんな事は一切関係ないですね。
12月って、やっぱり独特の感情が動きやすいのかも。
これがいよいよ大晦日が近づくと、
今度は談志の「芝浜」を聴きたくなるんだなぁ。