暗転でのお茶かけ事件。
コトの起こりは、
舞台監督(舞監)さんのチェンジからでした。
公演スタート時の舞監さんが、
引っ張りダコの売れっ子で、
普通なら小屋入りから千秋楽まで、
同じ舞監さんがついてくれるものなんですが、
どうしてもそのスケジュールが合わず、
最初の大変なところは全部彼がやって、
その後は後輩の舞監さんにバトンタッチ、
という形になりました。
バトンタッチした後輩の舞監さんも、
とっても真面目で、一生懸命な人だったんですが、
何せ途中から急に変わった上に、仕事が複雑で、
やっぱり1回目はテンパったんでしょうね。
最後の家族会議のシーン。
みんなが暗転中に椅子について、明かりが入る。
何とも言えない重たい空気が広がって・・・というところ。
この暗転の前には、
テーブルの上に、お茶が2セットと名刺があって、
それを舞監さんが暗転中にハケる、
という仕事があったんです。
キャストたちは、そでと階段から出て、
所定の椅子に座ります。
稽古場だとこんな感じです。

その人間の動きと並行して、
お茶2つと名刺を取らなきゃならなかった。
ところが、名刺が見つからなかった、らしい。
名刺には畜光もありませんし、
テーブルを手探りで触っていくしかないのですが、
たまたま場所が悪かったのか、
ない!
そのうちに、キャストはどんどんやってくる。
やっと見つけて、お茶を2つ取って、
焦りまくってソファーを回ったときに、
湯呑みが揺れて、中のお茶がとっぷ~ん。
ちょうどソファに座った、
神馬かおりちゃんの頭にたっぽ~~ん。
そりゃぁ、驚いたでしょう。
座って、暗い中でスタンバってたら、
突然、上からお茶が降ってきたんだから。
コンセントを外したポットのお湯が、
芝居の最後の方でぬるくなっていたのが、
まだしもの幸運でした。
暗闇でも事情はわかった神馬さん。
といって、タオルがあるわけでなく、
この後には、がっつり見せ場も控えてる。
それで、暗転が明けたら、
さりげなく、髪を触って、
手ぐしでとりあえず、水分を分散させていたという(笑)
終わってからも、彼は主宰に、このネタを、
千秋楽まで言われ続けて・・・。
うーーん、言われても仕方ないとはいえ、
真面目なだけに、笑顔がこわばって、
ちょっとかわいそうでした(笑)
でも、みんなそうやって、
「できる舞監」になっていくんだよ、きっと

(つづく)


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