その2のトップバッターは、
金窪兵衛役の青木さん。
公演をご覧頂いた方ならおわかりだと思いますが、
あの、
クールでニヒルな剣の達人です
が・・・、
確かに殺陣はとっても上手な人なのですが、
素の青木さんは、
兵衛とは似ても似つかぬ、おっとり、癒しキャラ
今日も今日とて、小道具の蝶々と戯れておりまする

公演終わらなきゃ、
この姿だけは見せられません。はい
続いて、この座組みの圧倒的癒しキャラ。

楓役の典子ちゃん
彼女が物を食べている姿は、どうしても人間に見えません。

ね、絶対に小動物でしょ


そして最後は、
ついウトウトッ、の2本立て。
実を言うと、どの公演でも、
本番に入る頃には、みんな疲れがピークに達しています。
コンディションを整えてなんて、
本当はね~、不可能に近いんです。
そこで、フッと記憶がなくなってる人が、
あっちで1人、こっちで2人・・・。
写真を撮れたのは、たまたま、この2人だったのですが、
実際にはもっともっと、いました。
立ったまま、落ちてる人もいました
でも怒らないで下さいね。
この一瞬があるからこそ、
また舞台での集中力が出るんです
そういえば、向かって左、藻(みくず)役の貴子さん。
たしか、初日のことでした。

芝居の山場。
頼家討伐の策略が動き始めた頃、
身の危険を知らせに、夜の闇をついて、
藻が夜叉王の家へやってきます。
ドンドンドン(戸をたたく音)
「御免下さいませ!御免下さいませ!」
さぁ、これからどうなる!という切迫したシーンです。
ここからは、人の出入りも激しく、
舞台と同様、裏にも緊張感が広がります。
そんな中で、唯一の~んびりしてるのが、
自分の出番が終わった北条政子なんですが(笑)
それはともかく、
出演者にとっても、この「
ドンドンドン!」が、
怒涛のクライマックスへなだれ込む、
合図のように聞こえてきます。
さぁぁぁぁ、ラストへ・・・
のはずが・・・、
ん
目の前では、
人の衣裳を整えてあげている貴子さんの姿が・・・。
そこらへんにいた人間の目が、
一斉に彼女に集中しました
貴子さん、
藻、だよね
今、「
ドンドンドン」って・・・
・
・
・
「あーーーーーーーーーーーーーーっ

」
という叫びと共に、
一瞬で、姿は掻き消え


すぐに、舞台から、
「御免下さいませ!御免下さいませ!」
という緊迫した藻の声が・・・。
おおおおお

間に合いました~~
いやいや、それどころか、
緊急の連絡のために、必死で夜道を走ってきた藻の、
息の荒さや、気持ちのあせりが、
ものすごくリアルな演技になっていた、と、
あとでみんなで大笑い
でも、いくらリアルでも、
二度とやりたくはないでしょうね
今回は、他にも、ものすごい走り抜けがありました。
これはハプニングではなく、毎回やっていたのですが、
頼家たちが追っ手に追われ



舞台の左側に引っ込み、
次に右側の花道から登場する、と言うシーン、
覚えておられるでしょうか?
(下は稽古場での、そのシーン)
客席から見ていれば、
別になんてこともないシーンなのですが、
裏では・・・、
左に引っ込んだ役者は、
まず階段を、
どどっと降りて楽屋へ入ります。
そして小さな楽屋を走り抜け、
今度はロビーの階段を
ががっと駆け上がり、
花道から舞台へ出て行くのです。
つまり、左に消えたあと、
階段を降りて

上がって

やっと右から出てこれるのです。
その間、許される時間は十数秒。
どこまで短縮できるか、タイムまで計りました。
その上に、あの衣裳です。

この走り抜けの時間が近づくと、
楽屋にいる人間は、まず、
その近辺の邪魔なものをどけます。
もう、疾風の如くに駆け抜けるので、
衣裳でも散らかっていたら、大ケガにつながりかねません。
少しでも邪魔にならぬよう、
人間も楽屋の壁にへばりついて、
「来るぞ来るぞ~~

」
「もらほら、もうすぐ~~

」
と、なぜか喜んで待つのです。
なぜ喜ぶのかわからないのですが、
その迫力と、必死の走りを見ていると、
沿道で日の丸振ってるノリになっちゃうんですね~、
これが
「がんばれ~~

」
なーんちゃって。
立て続けに2周もしなきゃならない頼家なんて、
本当に大変だったんですけどね。
(頼家、ごめん

)
・・・ということで・・・、
あんなことやら、こんなことやら、
皆、懸命に勤め上げましたる「夜叉王の面」
楽しいことばかりで、あっという間に過ぎてしまいましたが、
ここらでブログも修めたいと思います。
ご来場いただきました皆様。
まことにまことに、ありがとうございましたーーーっ

・ ・ ・
・・・関係ないけど、用賀のモス、なくならないといいなぁ・・・