95歳の母が、最近よく独り言を言っている。
なんだろうと耳をそばだてて聞いてみると、
ずっと前に死んだ父との思い出を、
誰かに話しているらしい。
母の話し相手をするのが、なかなか大変で、
ついつい逃げるように母の前から消えてしまうのだけど、
誰かに話したいのかな、と、もう少し聞いていると、
どうも、そうでもないらしいことが、
何となくわかってきた。
相手はいなくてもいいんだ。
架空の相手に向かって、思いつくままに、
父との幸せな思い出だけを語る・・・きっとそれでいいんだ。
いや、それがいいんだ。
今、自分のあり余る時間を、
母は、そんな思い出で埋めているのかもしれない。
大正の最後に生まれて、昭和、平成を生きて、
そして、明日から令和を生きる母。
とりあえず、母の令和よ、静かな日々であれ。
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