もうちょっと、今さらながらのウラ話を続けます
今回、とても重要な曲だったのが「軍艦マーチ」
普通は、まず聞かないし、歌わない曲ですが、
出の前の緊張をやわらげるというか、
自分がのっていくのに


こんなにピッタリな曲はありませんでした。
マーチって、やっぱり人間の感情を鼓舞するように、
作られているんでしょうね。
出の前、
みんなが金魚のフン状態で並んで、
普通ならシーンとして、
どうしても緊張が高まるんですが、
そんなところに、
ジャンジャン、ジャンジャカジャンジャン、ジャンジャンジャンジャンジャーン!
と始まると、
それぞれ何となく体を動かし始めて、
そのノリで「よっしゃぁ、行くぜっ!」という勢いが出るんです。
まさか、こんなに「軍艦マーチ」に親しむことになるとは、
このトシになるまで夢にも思いませんでした
でも、ただ1人、これに苦労した人がいまして・・・。
妹の想像上の人物M・Tとして、これの口笛を吹く、
後見役のシロー(荒井志郎)ちゃん。
口笛、それもソロですからね。
かなりのプレッシャーだったようです。
もともと、舞台というのはやたらと乾燥しまして、
そのために、霧吹きでバシャバシャ水をまくんですが、
それすら、すぐ乾いてしまうくらい、カラッカラなんです。
乾燥している中での口笛というのは、
環境として最悪らしいですね。
(自分が吹けないので、わからないんですが)
その上、緊張するとダメらしい

ま、だいたい、緊張してうまくいくものなんてありませんけど。
彼、本当は口笛の名手で、
稽古のときも、すごくきれいに吹いていたし、
本番でも、こちらが聞いている限り、全然問題なかったのですが、
本人いわく「本番になるとうまくいかない」そうで、
音が出せる開場寸前まで、
いつも彼の練習する口笛が響いていました。
・・・その日も開場寸前、
「どうもプレッシャーに弱いんだよなぁ」
とぼやきつつ、いつものように口笛を吹いていると、
そこに舞台監督さんが通りかかりました。
そして、去りぎわにひと言。
「そういえば、シローちゃんの口笛、音、狂ってない?」
おおおおおーーーーい
な、なんちゅうことを!
本番前ですぞーーーっ

案の定、
「えええーーーっ」
と絶句しちゃったじゃないですかぁ!
・・・あちゃぁ・・・。
といって、
こんな状況で、
「そんなことないよ

」とか、
「冗談だよ

」とか、
「うまいんだから大丈夫

」とか、
我々がフォローしたら、
それだけ状況を悪化させるのは目に見えています。
とにかく、仲のいい座組みなので、
ここはもう、カラッと大笑いして、
本人の立ち直りを待つしかない
あちゃぁ・・・という雰囲気のまま、
とってもやさしい空気が、彼を包みました(笑)
まぁ、本番はちゃんと大丈夫でしたが、
・・・ホントに音が狂ったときがあったのかなぁ。
・・・たぶんあったんだろうなぁ。
舞台監督さんと彼は、もともとよく知っている間柄なので、
そんなことで崩れるヤツじゃない、という確信があって、
ケロッとああいう発言をしたんでしょうね。
しかし、それにしても、
なんちゅうことを言ってくれるのやら
それ以来、口笛の稽古が一段と増えたのは、
言うまでもありません(笑)

(上の内容とは無関係の)思い出の1枚
打ち上げでの、シローちゃんとみんみん。
「昭和の二枚目」なんて言われていましたが、
言われてみれば、そんな感じかも(笑)