横殴りの雨が沫く嵐の夜は終わり、一応の小康状態を保つ朝食後。
しかし依然、海は鳴り空は吠えております。ハレアカラ山は厚い雲の中にあり、
いつもならラナイにてパン屑をさがむ小鳥達もおりません。
そんなおり南方を眺むれば、薄ら明るい空模様なんすよ。
てな訳で、微かな希望を抱きつつ南方(なんぽう)へ出発する事にしました。
やって来たのは、マケ-ナと言う名のランディングビーチパーク。覚悟はしてましたが、
到着後数分で雨が降り出しました。
ホヌさんが立ち寄るビーチなのですが、大した収穫はありません。
そんな中5年前に発見した小さなビーチの事を思い出しました。
そのビーチは駐車場の奥にあり散木の中、ひっそり身を隠す様にあるビーチな
んです。多分マケ-ナ・ランディングビーチパークを訪れた多くの人が見過ごし
てしまう場所、石ころだらけで華も無く、忘れられた狭いビーチなのです。
5年前に訪れた時は満潮でホヌさんには会えませんでした。↓5年前の画像
さて今回はどうかと、ビーチを覗きにゆきますと・・・
なんと散木の上に寝そべり、椰子の実を砕いて食ってるワイルドな、ヒッピーの
爺さん発見。その姿は鶴の様に痩せた体、怠惰な着こなしのシャツ、さらに陽
に照らされ干からびた肌と白髪勝ちの長い髭。そしてもはや人の域を超えた握力
でココナツ皮をバリハギ!盛んに乳白色に輝く実を口に運んでおります。
見るからに(危なそう)
そんな状態を横目に勇気を出しビーチを覗き込むと、当該ワイルドヒッピー爺さ
んにギロリと睨まれまてしまいました。
ひえ~怖わぁ~!
しかしもしやこのワイルドヒッピー爺さんは、ホヌさんの保護ボランティアかも
知れないと思い。残りの勇気をふり絞り再びビーチを覗き込むと、ビーチ奥にホ
ヌさんの姿が・・・
ホヌさん発見♪
・・・・しかも多数頭!慌てて妻ぽなぺんを呼び再び例のビーチへ戻りますと、
またまたワイルドヒッピー爺に睨まれます。しかし先ほどとは違い、ヒッピー爺
の眼はすでに我々を赦していました。その証拠にヒッピー爺は寝そべったまま、
我々を手招きしてくれたのです。爺の指示に従い、散木の下を潜りホヌさんへ近
づきます。
よく見ると、オアフ島のビーチでみるホヌさんと種類が異なるように思います。
↓2014年オアフ島ラニアケアビーチで撮影したホヌさん
ラニアケアビーチに居たのは、馴染みある青ウミガメだと思います。
しかしこのマケ-ナのホヌさんは甲羅がツルっとした感じで、明らかに異なる種類。
これはもしや、噂のタイマイかしら!タイマイの甲羅はベッコウになると聞きまし
た。時代劇なんかで「タイマイ20両」とか高額なお金の前に冠するタイマイと云う
表現!多分貴重なベッコウを生むカメ タイマイに由来するって昔どっかで訊い
た様に思います。
そんなタイマイに出会ったら、これは嬉しいし縁起が良いですよね。
でもマケナのホヌさんがタイマイなのかは、グーグル画像検索に掛けたけど、わかり
ませんでした。(-_-;)
さてワイルドヒッピー爺さんですが、やはり保護ボランティアの方だったようです。
彼の的確な指示でホヌさんを驚かす事無く、撮影を終えました。
「人は見かけによらぬ」と云いますが私の知る限り最もユニークなボランティアさん
でした。マケナで会った老人と亀は、きっと私の記憶に長く残る事でしょう!