「やぎとぎんのすず」(4分半)
八百坂洋子:文
小沢良吉:絵
すずき出版:発行
2006.7初版第1刷(1100円)
“ルーマニアの小さな村で”(作者の言葉より)
ルーマニアはバルカン半島にある国で、ドナウ川を国境にブルガリアと接しています。私は二十代のころ、ブルガリアの寄宿舎で、ルーマニアの学生と暮らしていました。
夏の盛りに、二人でカルパチア山脈の山あいの、彼女の伯母の家を訪ねたときのことです。豊かな針葉樹林の木々の間からは、野ウサギやリスが顔をのぞかせていました。
庭先では、山羊が迎えてくれました。私は、この話を書きながら、ふと、あのときの山羊も小さな鈴を首につけ、得意そうにはねていたのを思い出しました。
このように、主人公が次々と新しいものを求めて展開していく昔話は、累積譚とよばれ世界各地にあります。多くの話は、主人公の頼みを聞いてくれる援助者が現れますが、この話は違います。自主性を大事にするルーマニア人の人々の気質がうかがわれます。
八百坂洋子:文
小沢良吉:絵
すずき出版:発行
2006.7初版第1刷(1100円)
“ルーマニアの小さな村で”(作者の言葉より)
ルーマニアはバルカン半島にある国で、ドナウ川を国境にブルガリアと接しています。私は二十代のころ、ブルガリアの寄宿舎で、ルーマニアの学生と暮らしていました。
夏の盛りに、二人でカルパチア山脈の山あいの、彼女の伯母の家を訪ねたときのことです。豊かな針葉樹林の木々の間からは、野ウサギやリスが顔をのぞかせていました。
庭先では、山羊が迎えてくれました。私は、この話を書きながら、ふと、あのときの山羊も小さな鈴を首につけ、得意そうにはねていたのを思い出しました。
このように、主人公が次々と新しいものを求めて展開していく昔話は、累積譚とよばれ世界各地にあります。多くの話は、主人公の頼みを聞いてくれる援助者が現れますが、この話は違います。自主性を大事にするルーマニア人の人々の気質がうかがわれます。