続きです。
読みながら、これもかつての記憶が蘇り、頷き、ため息、むかつきながら読んだ中学高校編の部分です。
お子さんを愛しく思い、成長を楽しみにしているご家族が、特に中でもお母様が出会う病院関係者や学校関係者、カウンセラーと、本当に誰一人まともな大人が居なくて驚きました。
特に私立でも公立でも、似た人種の人たちがいるのだなぁと、かつての私も勤めたことがある学校の部分では、これは私が同僚だった人のこと?と、なんだか手にとるようにその逃げる様、他人事にする様が浮かび、自分がそこで仕事していたかのような錯覚を覚えました。
まず、初っ端、お子さんが生まれた喜びで溢れているお母様に、母乳をあげたことを理由に30分以上も叱責する看護師は一体、なんなのでしょう?
私には検索での知識しかありませんが、そんなに叱責されるような事柄には思えないので、卯月さんは変な看護師にあたり不運だったのだなぁとただただ、同情するばかりです。
でも、こういう医療関係者の「思い込み」に先々卯月さんが翻弄され、巻き込まれる象徴的な出来事だったのかもしれない、と後々ページを進めながら思うことでした。
小学校に上がったお子さんは、日々充実し輝いていたのだろうなぁと思うと同時に、だんだんと知識だけでは追いつかない、戸惑いがお子さんの中に生じてきたのかもしれない、と思いました。
そして「授業中の方がいい」と、私が中学校で支援員をしていた時も同じセリフを聞いたことがありました。そのときにその子に「どうして?」と聞くと「グループも決まっているし、することが決まってるから緊張しなくていいの」と言っていたことを思い出しました。
子どもにとって楽しかろうと思う自由度の高い時間に、緊張感を募らせる子は、いじめられたり、話す子が居ない、そういう子だけではないことをそのとき私は初めて意識したように思います。
さて、中学受験を突破して、中高一貫の学校に入学した「中学高校編」は、学校関係者、医者、カウンセラーとダメ人間の巣窟です。
そして、「付録」で公開されている浅見さんのメールのお返事にあるように「特別に不運な体験をなさったわけではない」というのが、本当に悲しくなる今の現実だと思います。
私は、医療については書籍や人伝の知識しかないので、学校という職場で働いていたことがある立場で、私が感じたことを書きますね。
学校というところは、本当に、本当に事なかれ原理主義です。
守秘義務はもちろん、大切な場合もありますが、何か、問題が起こってそれが外に出なかった場合、「力のある先生」として評価されるほど歪んでいると思います。
そして、大きい問題が起こったとき、解決に向けて動ける胆力がある先生とは、多分、私は1人だけ出会ったくらいで、後の方々は、次の学年へ先延ばしだったり、卒業させて肩の荷を下ろして、それで問題解決一件落着!と胸を撫で下ろす方が多い気がしています。(私見です)
そして、養護教諭が保健室に休みに来る子を病院へ、というのはあるだろうなぁと思いました。
これは保健室利用が多い学校などで、「保健室利用は1時間」などと決めて、何日か連続利用したら病院受診させる、などと学校のトップが決めたというようなことを聞くこともあったからです。
知り合いの養護教諭は、「少し休みたいだけなのに、おかしい」と抗議したら「生徒が甘えるんです。人気者になりたいのですか?」と言われ、呆然としたと聞いたことがありました。
それにしても、保健室を利用していることを親御さんと話もせず、「精神科の病院へ」といきなり言い出すのは、突拍子もないというか、悪意すら感じます。
養護教諭が卯月さんに言ったことを担任は把握しているか、担任への保健室利用状況の報告はあったのか、こういう1人の生徒を精神科受診させるまでの流れを校長が把握してるのかと甚だ疑問に感じました。
もし、養護教諭の思いつきが発端ならば、責任は重いですし、その後の対応を見ても全員の職務放棄の状態だと思います。
私が知っている養護教諭は、保健室の利用回数が多ければ、担任に報告して体調などを親御さんに確認してもらっていました。親御さんから「体調悪くないですよ!」と言われれば、「何か他に原因があるのか?」と子どもや親御さんと話したり、お子さんが学校で過ごしやすいように、ということを念頭に動いていました。
だから、良心的な養護教諭ならば、親御さんからの相談もない状況で「精神科に行って」と指図することがありえないことだし、最終的に精神科受診に辿り着いたとしても、そこに行き着くまでには、もっと他の対処をしていただろうと思うのです。
この本の養護教諭は保健室利用者について学校から圧力を受けていたりして、己の保身のために仕事をしている最悪な教諭だったのだろうと想像したことでした。
更に、中学校時代に出てくる2人の先生が、あれ?私の同僚だった人?とデジャブを覚えるほどのダメ先生、いや、私も同僚で居たけれど、日本全国に沢山いるダメ先生の象徴のような方々ですね
普段、登校して来ないお子さんに対して連絡しないのは、
「自分は授業で忙しくて中々、電話連絡できないのだけど、そもそもあっちからが連絡がない」という言い訳の既成事実を積み上げていたり、
「連絡して、相談されても策もないし、面倒に巻き込まれたくない」という職務放棄。
この二つが理由かなぁと、一緒に仕事をしたダメ同僚を思い浮かべて思いました。
また、面談で家出のことを知り、激昂したのは、不登校の状況で変化なしと思っていたのに、急に想定外の報告を受け、自分たちが生徒の近況を把握していないことで校長に叱責されるかもしれない!という保身からくる怒りだったのでしょう。
私見ですが、学校の先生方は精神的に弱い方が多いです。そして、向き合うよりもはぐらかして先延ばしにする人が多いです。
時々、親身になってくれる人もいますが、自分の思う方向に誘導することに長けていて、気がついたら先生と親御さんが二人三脚でお子さんが置いてけぼりのことがあります。
でも、その場合、親御さんも「がんばってる人」と評価されていて、子どもがついてきていないことに気がつかなかったりします。
それで、担任の先生が変わるとうまくいかなくなり、むしろ、子どもとは拗れたりすることもあります。
だから、親御さんには、どうか卯月さんのようにお子さんを一心に見て欲しいなぁと思います。
私は私立の学校のことはわかりません。公立の中学校でも「教育委員会に報告しないといけない」が口癖で、生徒の大変さやしんどさには目もくれず、生徒の生き死にの心配よりも「学校が悪いことで新聞に載ったら、ニュースになったら大変」というバカ校長の元で働いたことがありました。
そういう人がトップだと、学年主任の先生が「先生、正気ですか?」というくらいの強気に出る人でないと、生徒もこちらも巻き込まれてしまいます。
関わった先生方が、お子さんの方を向いて仕事をしていない人たちだったことが、本当に残念だと思いながら読みました。
そして、卯月さんは、どんなに悔しかっただろう、どんなに辛い思いで家路についたことだろう、こんな学校の先生のこと罵倒し倒していいのに、読みやすいように冷静に書いてくださったのだなぁと思いながら読んだことでした。