日々、あんのん。

からだの育ちの凸凹、学習のスタートラインにつけない人のもっと学びたい、発達したいを応援します。

2度目の電話。

2016-02-24 21:32:40 | 発達応援
 今、梅の花が真っ盛りです。
そこに、たくさんのスズメがべたべたべたべたーーーーーっと、止まって、
ちゅんちゅん、じゅんじゅん鳴いています。

 写真を撮ろうと、窓を開けると、
ぴたっ!と鳴き止むちゅんちゅんワールドのすばらしい危機管理能力。

 すずめ、なめるべからずですね。

 今日は、来月遊びにくる子から、再び電話がありました。
船の時間のことかと思っていたら、
来る日が鹿児島で行われるマラソンの日だけど、大丈夫か、という電話でした。

 それは、大丈夫と言ったあと、
「この前の船の時間は、どうなった?」と聞くと、
「あ!お待ちください。」と言い、しばらくしてから、
「9時35分に着きます!」ということで、
出発の時間も到着の時間もズレていたことが発覚。
本人は、まったく、気がついていません。

 その後、
「鹿児島で行ってみたいところとか、買い物で行きたいところとかあったら言ってね。」というと、
「…はい。」と言いつつも、具体的に考えられないからでしょう、
困っているのが伝わってきます。

 中学生の頃、この子と話をしていたり、
この子の同級生とのやり取りを見ていて、いつも思うことがありました。

 「嫌だ、やりたくない」「好きだ、やりたい」そういう選択を自分で選んだことがあるのかなぁ、と。
そう思っていたので、選択肢をいくつか出して、本人に選んでもらったり、
私と関わることに関しては、時間がかかっても自分でどうするか考えてもらったりしていました。

 自分で考えることが難しかったのでしょう。
提案した選択肢や自分で考えてみてね、と言ったことに関しては、
メモして家に持ち帰り、保護者の方に相談して、選んでもらっていたようでした。

 それはそれで、家族で色々話してもらうきっかけになったのかな、と思えば嬉しいことなのですが、
いつも大人が思う良い子に近い行動を強いられているようで、
本人は、本当にそれで良かったのかなぁ、と考えさせられることがしばしばありました。

 そんな子が、ある有名な美容家の人の美容法にハマり、
自分でその美容家の本を買い、その美容法を実践していることを聞きました。

 その子が自分から興味を持ち、あ、いい!と思う気持ちを持っていたんだ、と
私はとても嬉しくなりました。

 保護者の方は「中学生のすることじゃない」と心配したり、
片付けずにお風呂場を美容用品で汚すことに、眉をひそめていました。
担任の先生も「朝読書の本にふさわしくない」とその本を一時預かりしていました。

 保護者の方には、お風呂場を汚したら片付けることを教えて欲しいとお願いし、
朝読書対策には、「その美容家の自叙伝ならいいのか、聞いてみてごらん。」と入れ知恵をして、
その子が美容研究を続けるための方法を一緒に考えたものでした。

 美容を続けるためだと、その子も家の人の気持ちを考えてみたり、
学校の中で同級生に「変な本読んでる!」と言われても、
「そうではない!」と説明する知恵を考えたりしていたようでした。

 発達の凸凹があろうとなかろうと、
自分の中から、ふつふつと湧いたものに対しては、
自分で知恵を出そうとするし、実際出せもするんですよね。

 安全なレールを敷いてもらって、そこしか進んだことがない者は、
自分ではレールの敷き方がわからないし、レールに不具合があっても、
自分で治したり、止まったりすることができないと思います。

 そして、周りの大人は、その子のことを思ってしていたつもりが、
実は、自分が面倒なことを避けるためのレールを敷くことに躍起になっていないか、
常に省みることを怠ってはいけないな、と思うことでした。

 さて、電話での最後、
「風邪なんてひかないようにね。会えるのを楽しみにしているね。」というと、
「はい。」と言ったあと、しばらくして、
「私も、会えるのを楽しみにしています。」と言った、その子の言葉がとても嬉しかったです。

 良い再会に成る予感。

 

 

 
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