山手貨物線と呼ばれた山手線と並行して都心を走る路線がある。現在でもその線路は存在していて実際に貨物列車の設定も残ってはいるが、そこを走る大部分の列車は、埼京線や湘南新宿ラインといった旅客列車にとってかわった。
その昔、朝一番の東北線、あるいは東海道線に乗るために、早朝の渋谷駅の山手線のホームで電車を待っていると、引切り無しに貨物列車が目の前を通り過ぎていく光景を思い出す。まだ武蔵野線がない時代には、その名の通り貨物列車の檜舞台だったのだ。現在とは違い高度成長時代の日本を支え、ダイヤ改正ごとに列車本数を増やしていった貨物列車だが、当時を思い返すと、さすがに現状については寂しさを覚えてしまう。全国的に道路整備が整い、トラック輸送が増加していく中、将来の貨物列車の行方を思うと楽観視できないのではないか。趣味の上からでも、旅客列車とは別の魅力をもつ貨物列車の存在をこうして古い写真を見ながら再確認している。
掲載写真は、新宿付近を行きかうEF65の貨物列車。P型の500番台と、PF型の1000番台との交換シーン。当時は、旅客用の500番台が貨物列車を牽くことにどうしても違和感があり、その姿を現すとがっかりしたもの。何でもありの現代では、そんな想いなんて考えられないことか・・
1978-09-23 1595レ EF65527 山手貨物線:新大久保にて