普通客車列車最後は、ED75けん引でいったん締めくくる。
今まで乗車した普通客車列車では、おそらくED75の牽く列車が一番多く乗っているはずだ。今回は、掲載画像を一般客車で拘ったが、時代とともに12系改造車や50系客車に置き換わっていく。アントンKも過去を振り返り、案外雑形以外の客車に乗車した経験がない事に気づかされる。撮影地を巡る際に乗車する客車列車は、こと東北線北部や奥羽線内では、いつも日中はガラガラな印象で、にもかかわらず長大編成で走っていた。デッキから車内へ入り、冬場は暖房が効き過ぎていて、ボックス席を陣取り窓を開けるのが常だった。ナナゴの「ピーッ!」という発車合図から、連結器が鳴る音が「タンタンタン・・・・」と迫り、とともにゆっくりと車窓が動き出す様は、客車列車の醍醐味だろう。物音一つしない車内が活気を取り戻すのもこの時だった。
掲載写真は、東北本線をいく二層建て普通列車。後部3両は気動車で、途中好摩から花輪線内に入る列車を連結している。かつては、この手の運用が数多く見られたように思うが、現在では、ここは第三セクター見る影も無くなってしまった。けん引機は、ED75でも耐寒耐雪強化型の100番台で、とても小粒に見え地味だったが、当時は東北の顔として君臨していたのである。
1980-08-26 539ㇾ ED75103 東北本線:滝沢-渋民